しみじみと悲しみに浸る間もない慌ただしさの中で七七忌が明けました。まさしく「日数の早く過ぐるほどぞ、ものにも似ぬ」と兼好法師の言葉どうりです。
それでもよくしたもので、七日ごとに訪問の菩提寺住職の読経を一緒に勤めるうちに、気持ちの落ち着きが戻ってきたようで、夜も安眠できるようになってきました。娘たちの支えが一番大きいようです。
四十九日の法要に、久しぶりに実家に揃った兄弟も、四人とも寡婦となり、それぞれが家族の介助を必要としていました。祭壇の花に囲まれ、かすかな微笑みを浮かべる遺影も今は楽しげに見えます。中有の旅を終え無事彼岸に着いたことでしょう。
会場を移して11人での会食はささやかながらも和やかな談笑となり、再会を約して解散しました。月が改まると海外から帰国の娘も出立するので、また寂しくなることでしょう。先輩寡婦の妹たちからも、一人暮らしのアドバイスが種々寄せられました。