京都清湯の未来2020@一乗寺 らーめんびし屋

2年前の正月、「京都清湯の未来」と銘打って、京都千丸しゃかりき・麺処鶏谷・麺処蛇の目屋・らぁ麺とうひちの4店コラボ企画があった。その後、同名のコラボは2019年10月に淀競馬場で開催された関西ラーメンダービー2019第1レースに出展。そしてこの度、これまでの4店に加え山科の麺屋裕と一乗寺のらーめんびし屋が加わり、今回はらーめんびし屋を会場として3度目のコラボ営業を行う運びとなった。どういう経緯でこうなったのか、詳しいことは全く知らないが、この日、友人に「行こかぁ~」と誘われ、特に断る理由もなかったし、なにより面白そうなので行ってみた。
現地に着いたのは開店時刻のおよそ1時間前。すでに外待ちの行列20名様程度。並んで待っている途中、雨がシトシト降ったり止んだり。
営業時間が始まる前に、スタッフが注文を取りに来てくれて、食券を購入。限定50食の味噌とスペシャル丼飯を注文。

同行者は、限定250食の塩と、丼飯を「ちう悶www」。
やがて営業時間となり、我々は2巡目で店内へ。決して広いとは言えない「びし屋」の厨房に6店の店主がひしめくとしたら、けっこう狭い。そのこともあってか、麺屋裕の高松店主はこの日、ホール係を買って出ていた。「自分の店ではいつもヨメにやってもらっている仕事なので、この機会にヨメのキモチになってみようと思いまして…」と、御本人様のコメント。厨房の様子を観察していると、しゃかりきの梶さんは、皿洗いが中心業務(?)、そのかたわらに、らぁ麺とうひちの袖岡店主。厨房内では、麺処蛇の目屋・麺処鶏谷・らーめんびし屋の大将が中心にしたオペレーションの様子(いや、ホンマは違ってたかも知れんけど)。
そして、コレが今回の限定250食の「塩」。
今回、コラボ企画の広報ポスターには「半濁出汁をテーマとした濃厚出汁と清湯出汁の融合」とあり、さらに「濃厚鶏豚+海系清湯のネオ半濁」という文言が踊るさまに、情報の受け手としては、「京都清湯の未来」なのに、半濁とか濃厚とか、いったいどゆこと???という思いがあったが、今回の「塩」は、実にきちんと、清湯であった。
今回のコラボ6店それぞれの特徴が、この一杯の中でどの様に同居しているのかについて、根掘り葉掘りと聞いてはいないので詳細というか、その全貌まではワタシは分からないが、この日のホール係、麺屋裕の高松店主がさらっと教えてくれたところでは、塩ダレがウチ(麺屋裕)で、麺は蛇の目屋の自家製麺だという。あと、巻いた鶏チャーシューは鶏谷かな?そして、メンマはしゃかりきかな?
あの2年前に、「京都清湯の未来」として銘打っての初コラボの時に味わったラーメンは、清湯としながら半濁で、スープの味はそれなりに美味いんだけれど、率直なところ、果たしてどっちの方向にベクトルを持って行こうとしているのか、今ひとつ釈然としない出来だった、と記憶している。が、今回はしっかりと清湯でなかなかの海系和風テイストを醸していた。…コレが、彼らの目指す「清湯の未来」なのだろうか。
いっぽうの、味噌。
厨房からは中華鍋からジャーッっと油炒めをする音が聞こえてきて、同時に油のカホリが香ばしく漂ってくる。そして出来上がって供されて来たのがコレ。
「京都清湯の未来」というテーマからは、およそ想像しがたいビジュアル(笑)。
その「清湯」というワードを頭の中から完全に消し去った上で、一杯の濃厚な味噌ラーメンとして味わうには、非常に良く出来ていた。
ニラ・モヤシ・多量の細切れ肉を絡めた油炒めの味わいに加えて、ドシッとくる味噌味と、それに負けぬ程濃厚な豚骨出汁の組み合わさる妙。
分厚いチャーシューからは炭焼きの薫香も伴い、そして肉肉とした味わい、食感。
この日のホール係担当、麺屋裕の高松店主によれば、この炭焼きチャーシューも麺屋裕のプロダクツとのことだった。そして、麺は今回の「塩」ど同じ「麺処蛇の目屋」の自家製麺だとか。どちらも同じ麺だけれど、「味噌」で使う麺は手で揉み込んで縮れを加えた結果、「塩」の麺を啜り込んだときとはまた違うテクステュアを楽しめるようにしたとのこと。
ところで、コラボ6店各店舗のメニューの中で、この今回限定50食「味噌」のベースになるようなメニューはあるのだろうか?ワタシの知る限り「あー、コレはあのお店のアレがベースかもねー。」と思い当たるものが見当たらなかった。
これは単にワタシが情弱なだけかも知れないが、「京都清湯の未来」と銘打つコラボ営業に、清湯の対極にあるようなメニューをわざわざ限定50食で用意したのはなぜか。
今回の味噌、それなりにおいしかったからそれはそれでOKなんだけど、「京都清湯の未来」に期待するのは、やはりコレまでに味わったことのないほど研ぎ澄まされた清湯スープのラーメンであることに変わりはない。
さらに、ラーメンとともに注文した丼飯について。
今回のコラボ企画のために各店舗が持ち寄ったパーツがどの様に「塩」と「味噌」それぞれのラーメンに反映しているのかについて、麺屋裕の高松店主から聞き及んだことの他に詳細は分からなかった。
それはこの「丼飯」についても同様で、細切れの肉を入れて炊き込みごはん風に仕上げたようだが、果たして6店舗の持ち味のどの部分をどう活かしてコラボレーションしているのかについて、未知のままにいただいた。
【…まあ、いただきながら、あるいはいただいた後に根掘り葉掘りと作り手に聞いてみれば教えてくださるだろうけど、お客で混雑しているピーク時ゆえ、遠慮しておいた。】
ここから先はワタシの勝手な想像で書くのだが、この日に6店舗でコラボすることは前々から決めていたけれど、この日に提供するメニューを最終的にどうまとめるかについて、明確な方向性が定まったのは前日の夜遅くだった、そのためにポスターをはじめ当日のメニュー等に詳細なスペックを発表するのは難しかった、ということだろう。
結果的に6店舗それぞれの持ち味をこの日提供するメニューにまとめ上げるにあたっては、しゃかりきの梶さんが陣頭指揮を執ったらしい。そのあたり、これまでのしゃかりき梶さんの経験値の豊かさからくる手腕が発揮された、ということかしらん?

さて、次の「京都清湯の未来」はいつ、どんな形でリリースされるだろうか。楽しみにしておこう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 中華そば まる... 丸亀製麺大津... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。