カドヤ食堂＠西長堀：手もみ魚介そば

今福鶴見時代も含め、これまでになんどかお店の前まで足を運んだ時にはなぜか定休日だったり臨時休業だったりして、この日やっと初めての訪問が叶った。火曜日は定休日なのだが、あらかじめこの日はPAPUAさんのツイートから臨時営業の情報を得ていたので、確信を持って赴く。開店２０分前、すでに開店待ちの行列７名様。

ってなわけで、今回が初めてのカドヤ食堂。麺類のメニューはいずれもそれぞれに味わってみたいもの。だけど一度に全部を味わうことは叶わない...ううむ、どうしてくれようか？

で、つい目が行ったのがコレ。魚介出汁100％。陸上動物系のダシは使わないというある種の変わり種に興味が向いた。

注文してから出来上がりを待つ間、店内をあれこれと眺めては過ごす。と、「水も食材です」というアピール。こういうところからこだわりをもっているところは大きな感心ポイント。

とはいえ、ウチの職場でも常日頃からお世話になっているセキュリティ・サービスの会社が、関連企業とはいえ業務用浄水器事業をやっているとは、今日このお店に来るまで知らなかった。

写真としてはイマイチな事はさておき、店舗の奥はちょっと広大な製麺室となっているようだ。店主、橘さんはこの日、製麺室と厨房の間を行き来されていた。

そんなこんなしているうちに、やがて出てきた「手もみ魚介そば」。器の雷文もさながら、東京・銀座の「中華そば萬福」を彷彿されるような、いかにもレトロな懐かし系中華そば。
懐かし系の醤油味な中華そばとしては老若男女に幅広く受け入れられそうなオーソドックスな味わいでありつつも、その海系和風ダシが発揮する香りの高さと風味の豊かさは、素晴らしい。
フレコミのとおりに陸上動物の出汁を全く使っていないゆえに、一杯のラーメン...あるいは中華そばとしては、ある種、頼りなさと感じ取られてしまうほどにとにかく魚介出汁一辺倒の味わいだが、動物系出汁の支えがあるラーメンを食べたくば、同店の「中華そば」を選べばよいであろう。
この「手もみ魚介そば」、陸上動物の出汁とブレンドされない、深みのあるピュアな海系和風の魚ダシを楽しむための、特化された一品だと思った。また、スープ自体がとにかく海系和風出汁オンリーなためか、ソコに唯一陸上動物の旨味を味わわせるチャーシューの、肉の味が却って明確な輪郭を持つように思えることもこのメニューの特質に思えた。サカナサカナなスープの中で、ギュギュッと来るチャーシューの肉の旨味。これもまた、このメニューならではの特質かも知れない。

そして、そんな風味豊かなスープに合わさる平打ちの、粘り腰のあるモッチリとした手もみで縮れを入れた麺。一定の柔らかさがあるが、ソレは所謂「ヤワ」な弱さの麺ではなく、伸びやかで、啜り込んでみればコシもしっかりしている。
トータルで味わってみれば「昔懐かしの醤油味な中華そば」であるが、その実、スープ・チャーシュー・麺の明確な主張は、わざわざ食べに赴くに十分以上の価値があると感じた。
....予予から思っていたが、このお店、リピート必至であるとともに、出来れば全メニューを是非コンプリートしたいお店である。
あ、それはそうと、かつて本店があった今福鶴見に、３月１４日から「今福鶴見店」がオープンしたそうな。コッチのほうが京都からは近いし、いずれそのうち、寄ってみたいところだ。

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【カドヤ食堂】
　店主ブログ
　11:00～15:00
　18:00～22:00 (売り切れ次第終了)
　火曜日定休
　06-6535-3633
　大阪市西区新町4-16-13 キャピタル西長堀

カドヤ食堂 （ラーメン / 西長堀駅、阿波座駅、ドーム前千代崎駅）

昼総合点★★★★☆ 4.5