とんとん来が...

閉店したという話をきいたので確かめに行った。
私の記憶の中では、昭和50年代に南座の向かいに開店した当時はタマネギ、ニンジンと豚骨を煮詰めた特有のツンとする匂いを四条通りにまき散らせていた思い出がある。
そのころ中学生だった私は、そのラーメンと食べたことがなく、どんな味なのか知らないまま、ただ強烈な匂いを放つラーメン屋があるという印象だけを持っていた。また当時、同じ系統の匂いを漂わせていたのが五条通にあった横綱だったと思う。
とんとん来も横綱も、その後すっかり違うラーメンに変わって行った。
とんとん来のラーメンは、あの強烈な匂いを四条通りにまきちらせなくなり、しかしながら歩道のところから見える厨房の窓んところで煮出し切った豚ガラ鶏ガラがどっちゃり積まれている光景を目の当たりにしたり...で、京都でトップクラスのロケーションに胡座をかくことなく、豚骨と鶏ガラをしっかり煮出した濃厚出汁が持ち味のラーメン店として、長い歴史を持つ名店だった。

私が訪れたこのときも、食べにやって来ただろう方が何人も、取っ払われたあの狭い狭いカウンター席のあった場所を窓越しに覗いては立ち去っていった。これは想像だが、客入りがなくて閉店を余儀なくされたのではなく、きっと、なにか他に理由があったのだろう。
なんにしても、残念なことである。
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