でんがくの魚しげ@米原市村居田:でんがく&中華そば&うどん&ごはん小

このところ、湖北方面の道の駅にビワマスの刺身やイクラ、「あやべ豆腐店」のお揚げさんや豆腐を買い求めに行き、そのついでにmen-juの美味い饂飩を楽しみに行く、というのがちょっとしたマイブームになっている。
この日もそういうルートを辿るドライブだったのだが、今回はmen-juをあえて外し、この界隈で未だ訪れたことのない激渋メシ付き文化遺産的物件を探し当て、敢えて訪れてみることにした。
事前に調べておいたことに拠れば、この辺で「田楽」といえば、もっぱらこのお店なのだそうな。それにしてもこういう未知のお店の暖簾を潜る時の、好奇心の蟲が蠢木、胸が高鳴る一瞬が、堪らない(変態)
着席すると、サッポロビールのタンブラーで冷たい粉末緑茶を出してくださる。
店内、オープンキッチンを囲むL字形カウンター席と小上がりの四人がけ席がふたつ程度。先客はカウンター席一番奥に一名。昼からビールをちびちび飲りながら新聞を拡げている。我々はひと席隔た彼の右側に着席。メニューはやはり「でんがく」がメインで、とんかつ定食やから揚げ定食があるばかりでなく、
いわゆる麺類・丼物・一品物と、一般的な食堂的お品書き構成であり、「でんがく」のお店ではあるが、決して「でんがく」だけを食べさせるお店ではない。…ということはあらかじめリサーチ済みで訪れた。で、同行者とともに「魚しげ名物でんがく」を注文し、ワタシはさらに中華そばと御飯の小を、同行者はうどんを注文。
オープンキッチンの厨房には、今まで見たことがない中空の厨房機器が。つぶさに観察してみるとコレ、「リンナイ ペット」という上方赤外線グリラーであるらしく、このお店では名物でんがくの焼きに用いられる他、目の前にあってメニューにはない焼きサンマの調理なんかにも使われているのだろう。
もう一台の「リンナイ ペット」の奥のところには、この日の一品物がホワイトボードに書いてあったりし、つまりはこのお店「でんがく」のお店であるとともに、ジモティにとっては昼から営業している居酒屋的機能の方が大きいといった存在のようで、我々が入店した時には、一番奥のカウンターでビールを引っ掛け新聞を広げていたおっちゃんが誰かに電話をかけたかと思うと、その後続々と地元の常連客さんらが訪れてきてはカウンター席を埋め尽くした結果、我々は完全にアウェイ状態となってしまった。まあそれも一興。せいぜいこの状況を楽しむことにした。で、地元の常連さん達は次々にビールや焼酎と酒のアテを注文し、顎マスク状態でアハハギャハハと賑やかに盛り上がる。その間で、ますますのアウェイ状態(笑)。
やがて出来上がってきた中華そば。汁ヲヲメにして具材は細長く斜めに刻んだ青ネギ、茹でた豚コマ、カマボコスライス。ほぼ想定内ないかにも食堂の中華そば的デザイン。
そして、やはり想定内のやわやわでクタっとした多加水気味中華麺。意外にスープが、キチンのとられた和風出汁が香り高く、味わいも深い。コレは嬉しい想定外。
御飯についてくるおつけもん。実に鄙びた手作り感。いいねぇ。
同行者注文のうどん。麺はサヌキティックとまではいかない関西うどん的な面ながら、冷凍うどんのアレでもなく、案外しっかりとしたコシと喉越しがたのしめる。そして、中華そばのスープとはまた一味違うチューニングで和だしの旨みが味わえる。(味見させてもらいました。)
そして名物でんがく。一人前で六本を通常なら一皿に盛って出すのだろうが、今回は我々二人で注文したことにヲココロヅカイをいただき、三本を二つの皿に分けて提供していただいた。この「でんがく」、豆腐に串を打ち、田楽味噌を塗りたくって焼くという一連の調理作業は全て「注文が通ってから」行うのがこのお店の流儀のようだ。出来上がってきた「でんがく」はもちろん焼きたてのホクホクで、豆腐自体はさほど高級なものを使っているわけではないようだが、オリジナルの田楽味噌と豆腐がこんがりと焼かれたところを味わうハーモニー感は、実にゴハンに合う!
今回、初めて訪れた印象では、もっぱら完全にジモティのおっちゃん達御用達昼営業居酒屋さん的のものだったが、そこに敢えて飛び込んでいって味わうアウェイ感は、コレまでにいくつものお店を訪ねた経験の中でも出色の「面白さ」があった。
ところで店先の駐車場、我々がやって来た時には我々のクルマだけだったが、お店を出る時になると、滋賀ナンバーの車がかなり増えていた。

….ん、なんでだ???(苦笑)あの常連さん達は一体???


でんがく 魚しげ定食・食堂 / 近江長岡)
昼総合点★★★☆☆ 3.5

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