2022北海道へ #17_極寒芸術伝染装置@弟子屈町川湯温泉

この日、川湯温泉に宿をとった。いや、元から川湯温泉が目的だったいうより、一日の走行距離的に適切なところに宿を取ろうと計画する中で、「なんじゃこりゃああ」的にぶっ飛んでそうな宿を見つけたのがきっかけで、その宿があったのがたまたま川湯温泉だった…と表現した方がずっと正しい気がする。
まず、川湯温泉という場所柄、当然ながら新築ではない。ちょっと調べてみると、元は「御園ホテル別館ラルゴ」という宿であり、さらにその前身はかつての北海道拓殖銀行の保養所だったようだ。
で、「御園ホテル別館ラルゴ」撤退後、この場所を用いて「温泉宿の客室がアートな空間へと変貌を遂げた一週間のインスタレーション」が開催されたそうな。その後作品は全て撤去され、温泉宿の8畳の部屋に戻った。その後、何とか継続展示が出来ないかとこの古い温泉旅館を譲り受け活動を開始。全国から来たアーティストが滞在制作、その作品を身近で体感できる「泊まれる美術館+温泉」を目指し創作を続けている…という経歴の宿。
自動ドアボタンを押して玄関に入ると、チェックイン客は左の扉に進むように書いてある。これに従い左の扉に進むと…
いきなり、コレであるw
で、宿泊の手続きを済ませる。
これがチェックイン時に渡された館内図。一日三室限定の宿で、それぞれの部屋ごとに専用の浴室および露天風呂がある。今回、私たちはroom①に泊めていただくことになった。素泊まり専門で食事の用意は無い。けれど、程々の価格で広々とゆったりできるという点で、これ以上のところはまず考えにくいと思い、予約したのがココだった。
実際、部屋は予想していた以上に広々としており、自由に使える冷蔵庫もちゃんとある。
浴室に行くときのために、机上にちゃんと湯カゴも用意してくれている。
マッサージチェアまで置いてあったんだけど、コレはあいにく故障中だった。
洗面所&トイレも体感で8畳〜10畳程度はありそうな広さ。
寝室には何やら写経のようなものが壁面を埋め尽くし、なんだか薄気味悪い印象を抱きがちだが、書かれているのは王羲之(中国の書家)の最高傑作と賞賛される蘭亭序だそうな(ようわからんけど)。
バルコニーはコレまた実に広々としていて、木立を前にとても気持ちがいい。
さて、そろそろ、専用温泉エリアに向かってみよう。
地階の突き当たりのところに「川湯温泉の生い立ち」という説明があった。コレは「御園ホテル別館ラルゴ」の時に設置されたものをそのままにしているものと思われる。
で、room①専用浴室入口扉へと進む。
扉の向こうの脱衣所。
この時、外に向かって「入浴中」のランプを点灯させておくと、まあ間違いは起こらないだろう。
浴室へは、すべってしまわないようにゆっくりそぉ〜っと進みましょう。

浴室は、実にそっけない作り。けれど、本当にいい湯を楽しむのに虚飾は要らない。
洗い場はシャワーが一つのみ。シャンプー・リンス・ボディソープは備え付けられていた。
そして、コレまでに経験したことのない、ものすんごい強酸性湯に身を任せる。体験してみないことにはわからない、強烈なお湯の感触。無色透明なのに、うおお。

さらに、露天風呂。2階バルコニーからは丸見えだが、そもそもこのバルコニーはroom①のもの。
露天風呂の湯も、強酸性の源泉掛け流し。
続いて屋外、裏庭の方に行ってみる。
そこはもはや宿というよりアトリエ?工房?といった様子。
裏庭に流れる川はそれこそ温泉水で、ちょっと毒々しいような青緑の流れ。
木立の中に松葉杖が無造作に放置してあったりして、ドキッとする。
ここに挙げたものは全体のほんの一部。実際にはもっと多数の作品がそこかしこに散りばめてある。
さらに、焚火場がある。私たちが居酒屋から戻った時、熾火がちょろちょろ燃えていた。
各部屋に1セット、花火のサービスもある。
ところで、玄関前のところに昔懐かしいブガブガオルガンが置いてあるのを見つけた。「触らないでください」とか、書いてないので、足でブガブガやりながら弾いてみると…ちゃんと鳴った。昔々小学校の音楽室にあったコレ、今にして思えば電気エネルギーを一切用いないスグレモノだ。
さて次は館内のギャラリーを見てみよう。
なんと、フェンダー・ローズ73!実機をこんな間近で見るの、初めて!これも「触らないでください」とか、その辺に書いてないので、ちょっと弾いてみる。おおおお〜っ!アンプ通してなくても微かに聴こえてくる、憧れのあの音やん!現代だと電気で動くキーボードで代用されることが多いけど、リアルなハンマーアクションで「弦」じゃなくて「音叉」を叩くことで生まれるこの音!おおおお〜っ!!
さらに、2階に上がったところにはこんな作品も。

足元に「すいっち」があるのを見つけたので入れてみると…

とにかく、広くてゆったりしてるし、温泉はサイコーだし、遊びゴコロは満載だし、と非常にツボにハマった宿だった。そして、またゼヒ来てみたいとも思ってる。

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