今日はひさびさに女性ヴォーカルもので、白人歌手のローズマリー・クルーニーがデューク・エリントン楽団と共演した1956年コロンビア盤を取り上げます。ロージーの愛称で親しまれる彼女はジャズ歌手というよりポップシンガーとして有名で、全米1位にも輝いた“Come On-a My House”などヒット曲をいくつも持っています。また、女優として映画にも出演するなど、いわゆるマルチタレントのセレブでした。(余談ですが俳優ジョージ・クルーニーは彼女の甥です。)エラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーン、ヘレン・メリルらのような“歌に生きる”的なイメージとはかけ離れていますが、だからと言ってジャズシンガーとしての実力がないなんてことは全くなく、むしろ超一流だったということはこの作品を聴けばよくわかります。低音域もしっかりカバーできる声量と情感のこもった歌唱力で、天下のエリントン楽団をバックに堂々と歌い切っています。

本作の魅力はそんなロージーの歌だけでなく、脂の乗り切ったエリントニアン達のソロが随所に聴けること。総勢15人、全員の列挙はしませんが、御大デューク・エリントン(ピアノ)をはじめキャット・アンダーソン(トランペット)、ポール・ゴンサルヴェス(テナー)、ジョニー・ホッジス(アルト)、ハリー・カーニー(バリトン)らが見事な演奏でロージーを盛り立てます。全11曲、“Sophisticated Lady”“It Don't Mean A Thing”“Mood Indigo”などエリントン楽団お馴染みのレパートリーも悪くないですが、個人的には他の曲がお薦め。ドスの利いたヴォーカルがシブいレイジーな“Hey Baby”、レイ・ナンスのトランペットに導かれるスインギーな“Me And You”、トランペットやテナーソロを間に挟んでブルージーに歌い上げる“Grievin'”、ゴージャスなオーケストラをバックにスキャットで歌う“Blue Rose”とロージーの豊かな歌声とエリントニアン達が奏でる華麗なサウンドが見事に融合した名曲揃いです。ロージーのヴォーカルは一切入ってないものの、ジョニー・ホッジスの美しいバラードプレイが全面的にフィーチャーされた“Passion Flower”も素晴らしい出来です。ロージーの代表作と言えばオルガントリオをバックにした「スウィング・アラウンド・ロージー」が有名ですが、個人的には本作の方が格段に上と見ます。名盤と言ってよいのではないでしょうか?

本作の魅力はそんなロージーの歌だけでなく、脂の乗り切ったエリントニアン達のソロが随所に聴けること。総勢15人、全員の列挙はしませんが、御大デューク・エリントン(ピアノ)をはじめキャット・アンダーソン(トランペット)、ポール・ゴンサルヴェス(テナー)、ジョニー・ホッジス(アルト)、ハリー・カーニー(バリトン)らが見事な演奏でロージーを盛り立てます。全11曲、“Sophisticated Lady”“It Don't Mean A Thing”“Mood Indigo”などエリントン楽団お馴染みのレパートリーも悪くないですが、個人的には他の曲がお薦め。ドスの利いたヴォーカルがシブいレイジーな“Hey Baby”、レイ・ナンスのトランペットに導かれるスインギーな“Me And You”、トランペットやテナーソロを間に挟んでブルージーに歌い上げる“Grievin'”、ゴージャスなオーケストラをバックにスキャットで歌う“Blue Rose”とロージーの豊かな歌声とエリントニアン達が奏でる華麗なサウンドが見事に融合した名曲揃いです。ロージーのヴォーカルは一切入ってないものの、ジョニー・ホッジスの美しいバラードプレイが全面的にフィーチャーされた“Passion Flower”も素晴らしい出来です。ロージーの代表作と言えばオルガントリオをバックにした「スウィング・アラウンド・ロージー」が有名ですが、個人的には本作の方が格段に上と見ます。名盤と言ってよいのではないでしょうか?