本日はブルーノートの4200番台シリーズからドナルド・バードの作品をご紹介します。輝かしい経歴を持つバードですが、そのキャリアは主に2つに大別されます。最初のピークがリー・モーガンと並ぶ超売れっ子トランペッターとして活躍した50年代後半のハードバップ時代。そして第2のピークが70年代前半、ラリー・マイゼルと組んでジャズ・ファンク路線でヒットを連発したフュージョン時代。より商業的成功を収めたのは後者ですが、ジャズファンとしてはやはり50年代のハードバッパーとしての彼に魅力を感じますよね。さて、今日ピックアップする「ムスタング!」はそのどちらにも属さない1966年の録音。バードが自己のスタイルを模索していた時期の作品で、彼の数多いリーダー作の中に埋没してこれまであまり取り上げられる機会はありませんでした。ジャケットもこの時期のブルーノートにありがちなサイケ美女路線でお世辞にもセンスが良いとはいえませんし。ただ、バードなりに当時流行していたモード/新主流派ジャズに真摯に取り組んでおり、出来栄えは決して悪くないですよ。
サポートメンバーはハンク・モブレー(テナー)、ソニー・レッド(アルト)、マッコイ・タイナー(ピアノ)、ウォルター・ブッカー(ベース)、フレディ・ウェイツ(ドラム)。モブレーもレッドもバードと同世代のハードバッパーでモードジャズのイメージは希薄ですが、マッコイ・タイナー率いるシャープなリズムセクションに引っ張られるように意外と健闘しています。曲は全6曲、オリジナルが4曲、スタンダードが2曲という構成です。バラードの“I Got It Bad And That Ain't Good”はいわずと知れたエリントン楽団の名曲で、“On The Trail”はグローフェのクラシック曲「グランドキャニオン組曲」からの抜粋。どちらもよく知られた曲ですが、モーダルなアプローチで新たな魅力を付与されています。オリジナル曲はジャズ・ロック調の“Mustang!”“Dixie Lee”と疾走感あふれる“Fly Little Bird Fly”“I'm So Excited By You”に分かれます。前者はノリはいいけどやや軽いのが難で、やはり本作のハイライトは後者の2曲でしょう。リーダーのバードはもちろん安定していますが、マッコイの飛翔するピアノソロが抜群のアクセントを付けています。
サポートメンバーはハンク・モブレー(テナー)、ソニー・レッド(アルト)、マッコイ・タイナー(ピアノ)、ウォルター・ブッカー(ベース)、フレディ・ウェイツ(ドラム)。モブレーもレッドもバードと同世代のハードバッパーでモードジャズのイメージは希薄ですが、マッコイ・タイナー率いるシャープなリズムセクションに引っ張られるように意外と健闘しています。曲は全6曲、オリジナルが4曲、スタンダードが2曲という構成です。バラードの“I Got It Bad And That Ain't Good”はいわずと知れたエリントン楽団の名曲で、“On The Trail”はグローフェのクラシック曲「グランドキャニオン組曲」からの抜粋。どちらもよく知られた曲ですが、モーダルなアプローチで新たな魅力を付与されています。オリジナル曲はジャズ・ロック調の“Mustang!”“Dixie Lee”と疾走感あふれる“Fly Little Bird Fly”“I'm So Excited By You”に分かれます。前者はノリはいいけどやや軽いのが難で、やはり本作のハイライトは後者の2曲でしょう。リーダーのバードはもちろん安定していますが、マッコイの飛翔するピアノソロが抜群のアクセントを付けています。