ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ソニー・クリス/アイル・キャッチ・ザ・サン

2014-05-26 22:08:55 | ジャズ(ハードバップ)
ソニー・クリスについては以前当ブログでも紹介しました。お世辞にもメジャーとは言えませんがチャーリー・パーカーの流れを組む生粋のバッパーとして一部にコアなファンを持つアルト奏者です。1950年代に西海岸で活躍した後、長いブランクを経た後、60年代後半にプレスティッジから7枚のアルバムを発表します。今日ご紹介する「アイル・キャッチ・ザ・サン」はそのうち最後の作品で、1969年の録音です。プレスティッジ時代のクリスはニューヨークでプレイしていましたが、本作はかつての根拠地だったLAでの録音で、ハンプトン・ホーズ(ピアノ)、モンティ・バドウィグ(ベース)、シェリー・マン(ドラム)ら西海岸を代表する面々に囲まれ、快調なプレイを聴かせてくれます。



全6曲。有名スタンダードは“I Thought About You”だけで、後はクリスのオリジナルと当時のヒット曲。自作のブルース“Blue Sunset”と“California Screamin'”ではクリスがコテコテのバップフレーズを吹きまくります。コアなファンからしたらたまらん!って感じでしょうが個人的にはややくどいですね。私のお薦めは2曲。1曲目が“Don't Rain On My Parade”。前年に大ヒットしたバーブラ・ストライザンドのミュージカル映画「ファニー・ガール」からの1曲。劇中のバーブラの熱唱も鳥肌モノですが、本作でのクリスのアドリブも熱いです。もう1曲はこれも「ジョアンナ」という映画からの1曲でタイトル曲にもなっている“I'll Catch The Sun”。こちらは実に美しいメロディを持つミディアムナンバーで、クリスのソロもさることながらハンプトン・ホーズのリリカルなピアノソロが素晴らしいです。
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