ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ドヴォルザーク&グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲

2012-02-14 23:10:52 | クラシック(協奏曲)
最近すっかりはまっているヴァイオリン協奏曲シリーズ。今日はドヴォルザークです。ドヴォルザークはピアノ、ヴァイオリン、チェロと1曲ずつ協奏曲を残していますが、そのうちチェロ協奏曲が圧倒的に有名で、単に「ドヴォコン」と言えばこの曲を指すぐらいです。私もチェロ協奏曲は以前から愛聴しているのですが、一方でヴァイオリンについてはシカトしておりました。しかし聴いてみると一体なぜこの曲がもっとメジャーにならないのか不思議で仕方ないくらい素晴らしい曲です。

第1楽章、いかにもドヴォルザークらしい重厚なオーケストラをバックに哀愁たっぷりのヴァイオリンソロが繰り広げられます。第2楽章は一転ゆったりしたアダージョ。美しく叙情的な旋律が胸に沁みます。第3楽章はロンド形式で踊り出したくなるような旋律。随所にヴァイオリンの技巧の見せ所もあり、エンターテイメント性にあふれた名曲と言えるでしょう。



CDはフランク・ペーター・ツィンマーマンのヴァイオリン、フランツ・ウェルザー=メスト指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団のものを買いました。このCDにはもう1曲、ロシアの作曲家グラズノフのヴァイオリン協奏曲も収められていますが、この曲もまた名曲と呼ぶにふさわしい内容。20分弱の短い作品ですが、いかにもロシア的なロマンチシズムあふれる作品です。全体が切れ目なく演奏される単一楽章的な構成ですが、中間部の美しいアンダンテと華やかなロンド形式のフィナーレが最高です。ヴァイオリン協奏曲の名曲探し、まだまだ奥が深そうです!
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カルウォヴィチ/ヴァイオリン協奏曲

2012-02-09 21:23:29 | クラシック(協奏曲)
今日はかなり変わった所でポーランドの作曲家ミェチスワフ・カルウォヴィチの作品です。はっきり言ってこれまで聞いたこともない名前です。ポーランドと言えば何と言ってもショパン、次いでヴァイオリン協奏曲の有名なヴィエニャフスキ、後はシマノフスキやグレツキを名前だけ知っているというのが私の知識の限界です。何でも19世紀末から20世紀初めにかけて活躍したが、32歳の時にスキー中の雪崩事故で死んだ悲劇の作曲家らしいです。



何でまたそんなマイナーな人に手を出したのかと言うと、ここの所ヴァイオリン協奏曲に当たりが続いていたため少し裾野を広げようと思って某ネット通販サイトを探していたら、このCDが絶賛されていたという訳です。CDはイリヤ・カレルのヴァイオリン、アントニ・ヴィト指揮ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団のものを買いました。と言っても日本で出回ってるのはこのナクソス盤だけなので迷いようがないんですけどね。

肝心の内容ですが、とっても親しみやすいなあと言うのが率直な感想です。後期ロマン派の時代の作品だけあって難解さは一つもなく、全編抒情的な旋律に支配されています。特に第1楽章の主題などはこちらが気恥ずかしくなるくらいメロディアス。ロマンチックな第2楽章、弾むような第3楽章も初めて聴いた時からすんなり耳に入ってきます。CDには4楽章からなる「セレナード」も収録されていますが、こちらはさらに輪をかけてロマンチック。舞踏会で流すにはピッタリの曲です。逆に言えばこの明快でわかりやすいという点が没個性につながり、やがて忘れ去られた要因なのでしょうね。特に20世紀に入るとストラヴィンスキーなど現代的な作曲家が次々と登場しましたから、彼のような作曲家は古臭く聞こえたのかな?ただ、だからと言って凡作と切って捨てるには惜しいなかなか魅力的な作品です。
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ラロ/スペイン交響曲

2012-02-08 22:57:05 | クラシック(協奏曲)
本日はラロのスペイン交響曲です。交響曲とは言っても実際はヴァイオリンを主楽器にした協奏曲です。ブルッフ、ハチャトゥリアンとヴァイオリン協奏曲に当たりが続いたので買ってみたのですが、これも大正解でした。(ただ、同時に買ったベルクとショスタコーヴィチは僕には難解でした・・・)

この曲の魅力は何と言っても全編にあふれるスペイン情緒でしょう。ラロ自身はフランス人なんですが、先祖がスペインの血を引いているとかで民族的な旋律があちこちに散りばめられています。ドラマチックな中に哀愁漂わせる第1楽章、踊りだしたくなるような明るい第2楽章、フラメンコを思わせる歯切れのいい第3楽章、物哀しくも美しい第4楽章。どれも捨てがたいですが、やはりフィナーレの第5楽章が最高。思わず一緒に歌い出したくなるようなヴァイオリンの旋律に合わせ、オーケストラも華やかな盛り上がりを見せます。



CDはワジム・レーピンのヴァイオリン、ケント・ナガノ指揮ロンドン交響楽団のものを買いました。このCDには他にもフランスの作曲家による2つのヴァイオリン小品が入っています。一つはショーソンの「詩曲」。やや重苦しいイメージの曲ですが、幻想的な中にも美しさを漂わせた曲です。もう一つがラヴェルの「ツィガーヌ」。厳しいヴァイオリンのカデンツァで始まりますが、終盤の楽しげなオーケストラの盛り上がりはラヴェルならではという感じです。
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ドヴォルザーク/交響曲第8番

2012-02-07 23:36:29 | クラシック(交響曲)
本日はドヴォルザークの交響曲第8番です。ドヴォルザークと言えば泣く子も黙る交響曲第9番「新世界」が真っ先に思い浮かびます。実は私が学生時代に初めて買ったクラシックのCDも「新世界」でした。でも、他の交響曲はあまり取り上げられる機会もないのでずっと無視しておりました。そんな人って他にも多いのでは?

でも、買ってみるとなかなかいいんですなこれが。ぱっと聴いた印象は「意外と明るいな」ということ。「新世界」のような重厚さはなく、わりと軽快な感じ。牧歌的な第2楽章、優雅な第3楽章は私がこれまで勝手にイメージしていたドヴォルザークのイメージを変えてくれました。ただ、ハイライトはやはり力強い第4楽章ですかね。フィナーレのオーケストラの盛り上がりはドヴォルザークならではです。



CDはヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペッレ・ドレスデン盤を買いました。購入の決め手はぶっちゃけ値段です。ベリーベストクラシックシリーズでなんと1000円!とはいえ、指揮者・オケとも超一流なのが嬉しいですね。
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レスピーギ/ローマ三部作

2012-02-04 11:56:39 | クラシック(管弦楽作品)
本日はレスピーギのローマ三部作です。それぞれ「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」と題名が付けられた独立の作品なんですが、ローマつながりでセットで扱われることが多いようです。

レスピーギは20世紀初頭に活躍したイタリアの作曲家で、生前はイタリア人らしくオペラを何本も書いたり、器楽曲・協奏曲もたくさん遺しているらしいのですが、はっきり言ってこの3本の交響詩しか知りません。ただ、この三部作は非常に有名で特に「ローマの松」はディズニー映画「ファンタジア2000」でも使われたので耳にする機会も多いのではないでしょうか?



CDはリッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団のものを買いました。順番は松→噴水→祭りでのっけから目もくらむような音の洪水に圧倒されます。途中、やや重々しい雰囲気になりますが、最後は迫力満点のオーケストラで締めくくります。解説を読むと古代ローマ軍の行進の様子を模しているのですが、前述「ファンタジア2000」ではなぜか鯨が空を飛びまわるアニメーションのBGMで流れていたせいかどうもそのイメージが頭から離れません。

続いて「ローマの噴水」。「松」の最後でクライマックスを迎えた感があるので、全体的に印象が薄いのは否めませんが、こちらも絢爛豪華なオーケストレーションが堪能できます。最後は「ローマの祭り」。文字通り祭りの情景を描いた作品なんですが、印象に残るのは第3楽章の途中で出てくる美しいヴァイオリン・ソロ。ややもすれば音量過剰味になり気味なこの曲の中で甘酸っぱいメロディが心を癒してくれます。最終楽章は祭の喧騒さながらの賑やかさで、途中イタリア民謡っぽい旋律も出てきます。

目まぐるしくテーマが移り変わるので決してしみじみと鑑賞するような作品ではありませんが、オーケストラの大音量で元気をもらいたい時にはいいかもしれません。
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