広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

秋大

2009-08-22 13:15:42 | 秋田のいろいろ
以前「秋駅」という記事をアップしたように、日本人は名称を省略するのが好きなようだ。大学名もそうで、学生だけでなく地域の一般人にも略称が浸透している。
例えば、青森県の弘前大学は「弘大(ひろだい)」と略される。今年の創立60周年を記念してできた施設名が「コラボ弘大」なので、略称として大学側が認めていることになる。
なお、中国地方で「ひろだい」といえば「広大」=「広島大学」のことになり、このように略称は重複してしまうケースがある。

さて、秋田大学はどうか。
漢字では「秋大」だが、秋田の皆さんはなんと読んでいるでしょうか?
僕の家族(古くからの秋田市民)は「あきだい」と言っていたので、何の疑問も持たないでいたが、高校に入ると先生も生徒もことごとく「しゅうだい」と呼んでいて、驚いた。その後気をつけてみると、少なくとも僕の周囲では「しゅうだい」派ばかりなので、我が家が間違っており正しくは「しゅうだい」と呼ぶのだと思っていた。

「秋」を「あき」でなく「しゅう」とあえて音読みにしているわけだが、岩手大学も略称「岩大」を「がんだい」と呼ぶようだし、秋大の近くの県立秋田高等学校も「秋高」を「あきこう」でなく「しゅうこう」と呼ぶから、音読みの方が言いやすいのだろうか。(ちなみに秋田で「あきこう」といえば「秋工」=県立秋田工業高等学校を指すが、市内に工業高校は同校しかないので一般の秋田市民は単に「工業」と呼ぶことが多い)
クリックしてもリンクはしません
ところが、秋田大学の公式サイトを見ると、トップページなどに「秋大クラブ」という受験生向けページへのリンクバナーがあり、それには「AKIDAI CLUB」、つまり「あきだいクラブ」とある。
ということは、秋田大学側としては「あきだい」を正式略称としているということなのだろうか? あるいは今の学生さんたちは「あきだい」と呼ぶように変わったのか?
【2010年2月13日追記】上記バナーが「しゅうだい」に修正されているのを確認。詳細はこちら
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ところで秋田大学も今年創立60周年で、「60周年記念ホール」を作ったそうだ。
小豆色の建物
正門を入って右折した附属図書館隣のやや分かりにくい場所。雑然とした自転車置き場の奥で、教育文化学部3号館にくっ付いていて、入口はあるものの正面玄関がない? 外壁や窓はきれいではあるが普通の講義室と違わない(お金持ちの私大だともっと立派な講義室がありそう)し、デザインもそっけないし今風ではない。
実はこれは新築ではなく、教育文化学部の既存の講義室を改修し、グランドピアノを購入・設置したものとのこと。収容人数は264名。
http://www.akita-u.ac.jp/honbu/eventa/item.cgi?pro3&43 ←こちらのサイトに内部の写真もあるが、机を撤去し、座席をホール用のものに変えて、壁をちょっと立派にした程度で、大学の階段講義室そのまんまという感じがする。
壁画みたいなのは何?
60周年記念事業がこの程度かと落胆される卒業生の方などもいらっしゃるかもしれないが、僕としては、経済情勢、少子化、独立行政法人化など地方国立大学の現状、さらに環境に配慮が求められる風潮を考慮すれば、既存施設を活用したのはとても好感が持てる。
文字だけが立派で浮いている感じもしなくはないけど…
おカネが余っているなら、もっと教育・研究に直接関わることに回せばいいのだし。
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そして我が(?)弘前大学はと言えば、
10年前にできた「コラボレーションセンター」という8階建てのまだ新しいビルに、60周年記念事業として「コラボ弘大」というものを増築。名前が似ていて違いがよく分からないし、6月にオープンしたはずだが、ホームページもなくてよく分からない。
※コラボ弘大についてはこちら
 
さらに10年前の創立50周年の時は「弘前大学創立50周年記念会館」というのを正門からすぐの附属図書館向かいの“一等地”に新築している。旧制弘前高校講堂を模した2階か3階建ての外観と「みちのくホール」と呼ばれる音楽会などができるホールが目玉。コンセプトとしては秋大の60周年ホールと同じと考えていいようだ。
ホールはどんちょう付きの立派なステージがあるようだが、客席は304名収容で秋大よりわずか40名多いだけ。
 参考 http://www.hirosaki-u.ac.jp/jimu/soumu/kaikan/annai.html 、 http://culture.cc.hirosaki-u.ac.jp/sgcenter/annai.html
立派だけど狭いキャンパスで場所を取っている
僕は、弘大にホールができると聞いたとき、全学合同の入学式・卒業式が開催できるような収容人数1000人規模のものかと思った。しかしそれには遠く及ばず、相変わらず式場として弘前公園内の市民会館を借りており、入学・卒業生は大学から2キロ以上離れた公園まで短時間での移動を強いられているようだ(式前後に大学でオリエンテーションなどを行うため)。
中途半端なサイズの会館でいまいち存在意義、必要性が分からない。

以前も記事にしたように、弘前大学文京町キャンパスは狭くて余裕がない敷地に、あまり計画性がなさそうな増築が繰り返されていて、そこにあんな低層で必要性がよく分からない建物を建てるのは、土地とおカネの無駄遣いに見える。本当に必要なら新築すればいいが、外観にこだわる前に機能や構造を総合的に充分に吟味して計画してほしかった。
それぞれの具体的な建設/改築金額は知らないが、秋大では弘大よりかなり低い費用で同種の施設ができてしまったのは明白。これを見せつけられると、弘大卒業生としてはなんか悔しい。
弘前大学がハコモノ好きなだけかもしれないが、こういう次第で秋田大学の姿勢は好ましく思えた。
秋田大学の正門近くに「木道」があった
こういうのを見ると、秋田大学は敷地に余裕があるのが分かる。

でも、秋大・弘大共通の気になる点もあった。「大学敷地内全面禁煙」のこと。
受動喫煙防止を目指す健康増進法第25条が施行され、医学部附属病院を抱えることもあってか、両大学とも全面禁煙を“半ば強引に押し付けた”ので、秋大も弘大も申し合わせたように、門の前の公道上で喫煙する大学関係者がいるのだ。これでは学外の人に受動喫煙をさせてしまう。詳細は書かないが、秋大は弘大よりひどい状況だった。

また、秋大学内の駐輪場の自転車の置き方があまりに乱雑なのも驚いた。弘大は現在、かなり厳しく学内への自転車乗り入れを規制(ステッカー貼付義務づけ、門近くに駐輪場を設置し内側への乗り入れ禁止)しており、大学生にそこまでやる必要があるのかと思うが、規制前の10年前でも、現在の秋大よりは整然と駐輪していたように思う。
コメント (6)
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