広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

冬のトクだ値の旅

2012-02-06 23:51:05 | 旅行記
先日、秋田から首都圏まで新幹線を使っていかに安く行くかについての記事をアップして、えきねっと「トクだ値」を取り上げた。
なぜそれをネタにしたのかというと、自分がそれを使って出かけたからです。今回からその様子を紹介します。

ひところの大荒れは収まったものの、冬景色の秋田。
秋田駅西口
目的地の天候を考慮して、普通の靴、薄手のコート、手袋の装備。マフラーは迷ったけれど荷物になりそうでもあるので省略。
バスに乗って駅までの途中、妙に薄着なような気がして落ち着かないし、靴が滑ったり水がしみたりしないか気にしながら、久々の秋田新幹線のホームへ。(冒頭の写真も)
これから向かう先を見通す
ホームの柱の根元には雪が集められ(秋田駅のホームはこのような除雪方法)、さらにうっすらと雪が覆い、おまけにさらさらと雪が降り続ける。運休にならなかったのが幸い。
こまちと秋田拠点センター・アルヴェ(奥の黒いビル)
アルヴェの右上に、NHK秋田放送局のリモコンカメラが付いている。この位置から手を振ると、あの時のようなおもしろいシーンになるわけです。

今回は、えきねっと「トクだ値」を使ったわけだが、発売席数に制限がある。
列車全体としては空席があったとしても、トクだ値の枠が埋まっている場合もあり得る。
予約に際して、えきねっとで空席照会すると、シーズンオフの時期だけに、一般席はほぼ全列車が「◯」印。しかし、トクだ値枠は多くが「△」。
僕が行きに乗ったこまちは、えきねっと枠も「◯」だった。

各列車につき何席と数が決まっているばかりでなく、どうも何号車の何番席がトクだ値用の席というように、席番もあらかじめ決まっているようだ。
【2013年10月7日追記】この後、2012年12月14日乗車分から、購入者が好きな座席をシートマップ(座席表)で選べるようになった。(トクだ値でない、正規の座席予約では以前から対応していた)空席であれば、号車や位置の制限なくどこでも選べるらしく、トクだ値利用者が一角に固まることはなくなった。以下は、シートマップ対応前の状況です。

こまちの普通車は、12~16号車の4【訂正】5両。
座席が青い15・16号車は元自由席だった車両、茶色の12~14号車は最初から指定席だった車両。
実は両者では座席の間隔が異なり(91センチと98センチ)、茶色いシートの車両のほうが若干ゆったりしている。(両者を揃えるとなると、窓の配置も変えなければならないので、難しいのだろう)

今までの経験上、(混雑時は別として)秋田と首都圏方面の指定席を取ると、14・13号車辺りに割り当てられることが多く、狭い15・16号車になることは少ない気がしていた。一方、宿泊とセットになった「びゅう」の旅行商品では、東京方面であっても16号車辺りに座らせられるというような話も聞いた。
おそらく、パック商品用にもあらかじめ席が決まっており、正規料金の客と割安なパックの客とで差をつけているのではないだろうか。

では、「トクだ値」の場合は? 安いからやっぱり狭い車両だろうか?
トクだ値は予約の段階では、座席位置(窓際か通路側か、端っこか真ん中か)を希望することまではできるが、号車と席番までは希望できないし、きっぷを手にするまで分からない。

結果としては、どうも13号車の若い番号の一角が、「トクだ値」枠とされていると推測される。
行きも帰りもそうだったし、座席表を表示させて(正規料金の席の)空席照会をすると、おそらくすべての列車でその一角が予約できない(予約済み扱い)ことになっているから。

僕は座席位置は特に希望しないで予約してみた。すると行きの席は、
13号車1番D席!
4時間に渡って、壁というか「金萬」の広告を見ながらの旅でした…
それはいいのだけど、ドア上の電光掲示が見づらいのと、
この設備がなんとも
テーブルが質素(2席分一括で、折りたためなくて狭い)で遠く、網袋がなく(だから車内誌「トランヴェール」が読めない)、足元がやや窮屈なのが使いづらい。
まあ、乗ってしまえば大した違いはなく、お安く乗せてもらってるんだから、いいけどね。

なお、乗った車両はたしか「R18」編成。後期に追加製造された車両なので、座席の座面スライド機構、フットレスト(JR東日本の普通車では珍しい)、ペットボトルホルダーが付いている。(壁際席はペットボトルホルダーの位置がずいぶん高い)

周囲の席は、2席につき1人といった込み具合。仙台からぞろぞろと乗ってきたが、トクだ値利用者で相席になった人はいなかったようだ。(トクだ値だと仙台からはこまちに乗れないから、上りは盛岡の時点で空席なら、以後は乗ってこないということか?)

そしてこの席は、車輪(台車)の上に位置する。
秋田駅を発車すると、線路に積もった乾いた粉雪を巻き上げ、窓の外が真っ白になってしまった。それが一段落すると、
窓にびっしりと雪が付着
外はきれいな青空なのに、これでは景色が楽しめない!
その雪はやがて氷っぽくなり、さらに自分の重さと風圧で窓の右下へ集まり、徐々に視界が広がった。
雪の隙間から角館駅のホームを覗く
角館や県境の仙岩峠の雪は多いことは多い(秋田市に比べればずっと多い)のだけど、あちこちの豪雪のニュースで見慣れてしまったせいか、メチャクチャ多いという気はしなかった。
盛岡到着
盛岡にしては雪が多いと感じた。秋田市よりは少ないが、しっかり積もっている。
盛岡駅では、先に新青森から到着している「はやて」の後ろに連結するため、2分停車する。

ところがこの時は、「連結後、車体に付いた雪を落とす作業を行います」とのこと。「この先、安全に走行していくための作業」であり「3~4分ほどかかる」そうだ。
たしかに、車体の雪が落ちて、車体やホームの設備や人に被害を与える恐れがある。

「東日本アメニテック」という、JR東日本盛岡支社の子会社の社員がホーム上にいて、おそらくホームの下にいる人に指示を与えていたようだ。
結局、定刻より5分ほど遅れて盛岡を発車。

盛岡からは新幹線らしく275km/hでびゅんびゅん走る。窓に残っていた雪は、全部飛ばされてしまった。
仙台には3分遅れで到着。
仙台発車後
仙台の雪は盛岡よりはさらに少ないが、やはり仙台にしては多い。家々の屋根も白い。
白河の関を越えて関東平野に入った辺りで、やっと沿線の雪はなくなった。
冬枯れの田んぼの遠くに雪山

そうこうしているうちに、(節約のため、東京でなく)上野に到着。
上野は1985年から1991年の間だけ、新幹線のターミナル駅だったわけだが、今は昔のお話。
新幹線ホームから1つ上のフロア
地下何階っていうのか知らないが、改札と新幹線ホームの間のフロアはがらんとしている。かつてはもっと店があり、何よりも人が多かったはずだが、今はコンビニと待合室が1つずつあるだけでほかは何もない。
施設のデザインが当時のバブル初期っぽい、いわゆるバブリーな感じがして、それがさらに淋しさを感じさせる。
たしか開業時は「東洋一」と言われた長いエスカレーター。下からの風が強い

東京は雪がない青空、そして人が多い(この写真にはあまり写ってないですが)

なお、こまちは行きも帰りも、秋田運輸区の車掌だった。
以前の記事で、他社に比べて、JR東日本の車掌は客室への入退室時の礼が雑に見えるということを書いた。
しかし、行きの車掌さんは、とても丁寧な礼をしていたのが印象に残った(ドアの真ん前の席だったので)。
また、途中駅で降りる客向けに、「この後の駅から乗車する客もいるので、ゴミの片付けやリクライニングを戻すようにご協力を」という放送をしていた。JR東海の車掌がよくする放送だが、東日本では珍しい。実際、ゴミをそのままにして行く客がいるんだよね。

帰りの「トクだ値」は、予約時は「△」で、13号車の4番席になった。トクだ値枠は行きと同じくらいの込み具合か。奇遇にも行きと同じ「R18」編成。
楢山の秋田車両センターには、試運転に来ているようでE6系が停まっていた。


目的地は東京ではなく、まだ先があります
コメント (2)
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