広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

八橋の道・カプセル信号

2012-03-18 23:28:42 | 秋田のいろいろ
おとといの記事で、雄物新橋そばに1台だけ、フード(庇)の代わりにカプセル状の物体が取り付けられた信号機を紹介した。
その記事へのコメントで、建設中の八橋地区の新しい道路にも、同じものがあるとの情報をいただいたので、見に行ってみた。
八橋の道の前回の記事

場所は、当ブログでいうところの開通済みの「B工区」北端と工事中の「C工区」南端の境界。
新しい道が、新国道の「八橋大畑」交差点と草生津川に架かる「イサノ橋」を結ぶ狭い市道と交わる場所。
前回の記事ではまだカバーがかかっていた信号機があったが、それが稼動していた。
B工区側からC工区を見る。右が新国道方向
「トーセン」があった部分も、舗装されて道路らしくなったが、その部分だけはまだ封鎖されていて、現段階では丁字路の状態。
交差点を背に通行止め部分(奥が北)
「車両通行止」と看板が立っていたので、歩行者は進入してもいいのでしょう。(だったら柵の配置をもうちょっとなんとかしてほしい)

西側から。奥が新国道、右がB工区、左が未開通のC工区
上の写真の右奥に、あまり新しくないアパートがある。「とがし第二アパート」という。
ここに信号機を設置する際の入札公告では、この交差点を「とがし第二アパート前」と称していた。まあ、他に名前の付けようがないでしょうけど…

南北の新しい道を通る車が見る信号機は、両面設置なので計4台。
未開通のC工区側通行止め部分を向いた信号機もカバーが外れて稼働していた。
通行止め部分からB工区を見る
その4台すべてに、カプセル状のフードが付けられていた!
 
試験設置の場合、比較や万一の不具合に備えて、同じ方向を向いた信号機のうち一部のみがその対象となることが多いと思う。
しかし、ここは同じ方向の信号機全部がカプセル。しかも、これは着雪防止が目的かと思われるが、現地は住宅地なので取り立てて吹雪きやすい場所ではないと考えられ、ここを試験地とするのはそぐわないようにも感じる。したがって、これはある程度本格的な採用ととらえてもよさそうにも思える。

メーカーは日本信号。雄物新橋のカプセルが付けられていた信号機と同型で、この道の他の新設箇所(通常のフード)と信号機本体は同じことになる。

カプセルを真下から見ることができた。
 なんとも不思議な形状(点灯していないように見えるのは、カメラのシャッタースピードの都合)

横から見ても不思議

歩行者用信号機は全方向に設置されており、これも他の箇所と同じ薄型・長いフードの日本信号製。「2011年11月製」とあった。
そして、ここも、
「歩車分離時間別運用」
A・B工区境界の交差点と同じく、時間帯を区切って歩車分離式となるようだ。
それにしても「歩車分離時間別運用」って表現、なんとかならんもんでしょうか…

この交差点は、カプセルのほかにもおもしろい点がある。それは東西方向の既存の道側の信号機。こちらは1方向につき片面1台の設置。
東隣の交差点。奥が新しい道の交差点
新しい道の新しい交差点の東隣(新国道寄り)100メートル弱のところには、以前から信号機付きの交差点があった。
上の写真のように、4方向の車両用信号機を1つにまとめてぶら下げたタイプの信号機(集約式・懸垂式)が設置されている。
以前の記事で主に紹介したのは、近くの別の交差点のものだが、そこと同型のものがここにも設置されている。

東西の道を走る場合、既存の交差点と新しい交差点が連続することになり、不都合(誤認や渋滞)が生じるので、その対策が施されている。
新しい交差点から既存交差点(赤丸)を見る
イサノ橋から新国道へ向かう車が見る信号機も、(たぶん)日本信号製だけど、フードは通常の長いタイプ。西向きだからこれこそ着雪しやすそうにも思えるけど。

上の写真では、奥の既存交差点の信号機が点灯していないように見えるが、それが対策の1つ。(誤認防止)
既存交差点のぶら下がっている4台のうち、西側向きの1台だけが、今回更新された。
 このように
電球式からLED式になっているが、それだけでなく、青だけ「視角制限灯器」になっている。
おとといも視角制限灯器を紹介したが、それは左右方向の見える角度・位置を制限するもので、板(ルーバー)は縦方向に入っていた。一方、こちらは前後方向に制限するもので、横方向に入っている。
縦よりも横のほうが板の枚数が多いようで、たぶん21枚(縦は17枚?)。おそらく信号電材製。

逆方向、新国道からイサノ橋へ向かう側は、既存交差点は変更なし。
先方に位置する新しい交差点のほうが、やはり
青だけ視角制限
新しい交差点の中で、この信号機1台だけ信号電材製。(2012年2月製)
視角制限の装置は、付けられるメーカーが決まっているようで、日本信号製には取り付けられないのでメーカーが違うのだろう。ネジ穴の位置など物理的な問題なのか、特許などの問題なのかは分からないけれど。
それから、この信号機の赤灯と黄灯は、従来型の小粒のLEDだった。(青灯は視角制限の関係で、直接LEDの粒が見られない)秋田市内にも設置されているように、信号電材からも大粒のLEDの信号機が出ているのに、最近製造されたこれが小粒なのが不思議。

これら連続する新旧の交差点の信号機は、連動している。
歩車分離でない時間帯は、常に同じ方向どうし同じ色を示すもので、それにより東西方向の渋滞を防ぐのだろう。


というわけで、この一帯の車両用信号機をまとめるとこうなる。
上が北
この一帯は、青だけ視角制限のもの(これはそんなに珍しくもない)。まとめてぶら下がった信号機で、うち1台だけ別モノ。そしてカプセルフードが4台もあるといったわけで、なかなか個性的な信号機が集まっている場所。
つまり、ここで見られる“普通の”信号機は、イサノ橋から新国道へ向かう側の1台だけになる。


で、この道路が完成・供用されるのは、いつなんだろう?
秋田市建設部道路建設課のホームページによれば、ここのことだと思われる「都市計画道路外旭川新川線道路舗装工事その2」が4月10日まで行われることになってはいる。



【19日追記】青森県の地方紙(主に八戸周辺)「デーリー東北」のサイトに今日アップされた記事で、このカプセル状フードらしきものに触れていた。
「LED信号機に弱点 発熱少なく雪解けず」という記事で、LED化が進む一方で、雪が融けにくいという問題点があり、青森県警交通規制課が頭を悩ませているというもの。
「11年2月から青森市内6カ所で、着雪防止に向けた3種類の実験を進めている。」そうで、「一つは「フラット型」で、信号機全体の前面を平らにし、着雪や積雪を防止する方法。二つ目は、レンズの上半分に半球型のカバーを付ける策。最後は、電線が入った薄いフィルムをレンズに貼り付けて発熱させる「フィルムヒーター式」の検討。」「どの種類の実験でも吹雪の時には効果が出にくく、決定打とはなっていない」とのこと。
2つ目の「レンズの上半分に半球型のカバーを付ける」って、このカプセルのことだろうか? 上半分というよりも、レンズ全体を覆っているのだけど。

2020年12月に、懸垂式信号機が撤去された(信号なしの横断歩道化)。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする