今年もあと10日と少し。お店などが得意先に年末のごあいさつとして、カレンダーを配ることが多いかと思う。
秋田(秋田市近郊)で企業のカレンダーとして定番のものを2つ紹介。
なお、他には、秋田銀行の月めくりカレンダーが実用的で人気がある。企業や資産家はともかく、一般庶民の個人客は入手しにくいという話もある…(窓口に出向いて「くれ」と言えばくれるのでしょうけどね)
台紙付き日めくりカレンダー
秋田市で日めくりカレンダーといえば、昔からこれが代表的ではないだろうか。
日めくりカレンダー自体はハガキ大ほどの小さなもの(交通標識や格言入りのよくあるタイプ【1月5日追記】「故事ことわざ慣用句監修 金田一秀穂」とある)だけど、大きな台紙がある。A3サイズで厚さは約2ミリ。ジャマなのでカレンダーを台紙から外して使う人もいる。
既に外されてしまった!
台紙は緑系統の色で、上に金色で西暦年が記されているのは昔からずっと変わらないはず。年とカレンダー本体の間には、たくさんの箱(枠)が並ぶ。箱の中には、タクシー会社名と連絡先が記される。
そう。これは秋田市内の法人タクシー共同の日めくりカレンダー。「秋田県ハイヤー協会秋田支部」が作っているのかもしれない。
配るのは各タクシー会社で、ある程度の回数、電話でタクシーを呼んでいれば、個人宅にも持ってきてくれる所が多いようだ。
写真のカレンダーでは、キングタクシーの所だけが赤で目立つようになっているが、このカレンダーがキングタクシーからもらったものだから。
元々はキングタクシーの枠も他と同じデザインなのだが、自社が目立つように上から目立つシールを貼る対応をしているタクシー会社が多い。
各会社名はゴシック体で記されるものの、「タクシーセンターあい」の「あい」だけは実際と同じ明朝体系のかなが使われている。各社とも配車専用や本社の電話番号は記しているが、ジャンボタクシーや介護タクシーを宣伝したり、秋田中央タクシー(中央交通の子会社・秋田中央トランスポート)では「観光バス・旅行斡旋」の電話番号も掲載。
ここに掲載されるタクシー会社は15社。これで秋田市内のタクシー会社全社のはず。
昔はもっと密で、カレンダー本体の左右にまでびっしりと掲載されていたはずなのに、今は余白(余緑?)が目立ち、「8月5日はタクシーの日」とか、タクシーチケットを取りまとめる(タクシー会社ではない)「秋田ハイタク興業」の連絡先も掲載されている。
ここ十数年で秋田市内のタクシー会社の再編が進んで会社数が減ったのだが、そのことがカレンダーからも分かる。
もう1つは、郷土の新聞・秋田魁新報のカレンダー。これは宅配購読している家庭やオフィスへ配られる。
夕刊があった当時は折り込んで配布されていたような気もするし、訪問集金している所はその時に配っていた可能性もある。要は年や各販売所で対応が違うのかもしれないが、今年はこんな風に届いた。
ビニール袋に入って、いろいろと
他のものは後で紹介するとして、まずはカレンダー。
カレンダーは2種類も
B3くらいの縦使いで絵入りの半年の1枚ものと、B4くらいのサイズ縦使いの月めくり。
月めくりはここ数年で登場したような気がするが、半年ものはだいぶ前からあったはず。7月以降分は、もちろん後でまた配られる。
半年版の絵は、今年は秋田市出身の女性画家による男鹿半島入道崎が舞台の作品。カレンダー部分には旧暦と六曜、二十四節気と一部の記念日が併記されている。
秋田魁新報・ABS秋田放送(と魁販売所)の連名
ABS側でも、同じカレンダーを配っているのだろうか?
月めくりのほうは、ABSは登場しない。表紙は「賀正」とあいさつ文入り。
カレンダー部には書き込めるスペースがある。掲載項目は、半年版の項目にプラスして、毎日の干支(「みづのえさる」ように「十干+十二支」のフル表記)と毎日の九星(一白~九紫)も。
壁に張るカレンダーだけで2種類もくれる魁さんだけど、まだまだあります。
この2冊も
「高島易断所本部編纂 平成二十六年暮らしのこよみ」と「2014DIARY」。この2つも定番。
DIARYのほうは、A4の長辺側を3分の1にした縦長サイズで、魁系列の「(株)サキガケ・アド・ブレーン」の「企画・制作」。
見開きで1か月で毎日1行が取られた、オーソドックスなスケージュル帳がメイン。六曜と二十四節気等が掲載。月ごとに時候の挨拶の文例とことわざの説明も出ている。ことわざは「花より団子」とか基本的すぎるものばかり…
最後6ページほどは「健康スムージー」「食材保存のコツ」「大雨・雷・竜巻に気をつけて!」という記事になっているが、スムージーとかって昨年も同じものが載っていたような?
シンプルで薄手なのはいいけれど、縦に長くて持ち運びには不便。
「暮らしのこよみ」のほうは少なくとも30年近く前から配られている。B6版か。表紙のデザインは昔よりモダンになった(裏表紙は年間カレンダー)けれど、中身はほとんど変わっていないと思う。(もちろん、その年の暦には合わせてありますよ)
前半
月ごとに1ページを使って、毎日の行事や全国各地のお祭りなどを掲載。その月に行うべき「家事」「農事」も出ている。僕は子どもの頃、これを見るのが好きだった。
各月右上にその月をイメージしたイラストがあるのだが、これもずっと変わっていない。1月の鏡餅の上にミカン(ダイダイ)でなく伊勢海老が載っていたり、2月の豆を撒かれて逃げる鬼の無表情加減、11月の七五三の子どもの微妙な体のバランス等が印象深い。
行事は、1月7日に「学校始業」があったり(9月1日や4月にはない)、7月にお盆の行事・真冬に本格的な農作業をやることになっており、秋田にはそぐわない。表紙だけが秋田魁バージョンで、中身は全国共通の汎用品だと思われる。日の出日の入りも東京の時刻。
「神無月」の仮名が「かみなづき」なのが珍しい(間違いではない)
後半は生まれ年の「九星」ごとの運勢。
このページも右上に絵。その星のその年の運勢にちなんだ格言やことわざが出ていて、それにちなんだ絵。毎年違う絵のようだが、行事のページと同じ人がかいたようで、独特の雰囲気。
難しい
あとは昔から変わらない、人相、手相、夢判断、種まきの適期、勝負事に勝つ法、紙垂の切り方などが簡単に掲載され、最後は「通信鑑定」「六三除け」で希望の方は8千円から4万円を添えて云々。
こういう内容全般を否定するつもりはないが、こういうことが新聞社名で新聞社が配るものに必要なんだろうか?
以上、魁の宅配購読者は、4種類もカレンダー類を頂戴できることになる。
濃い水色の封筒で配られる、魁の元日特集号の紙面の多さは全国有数だそうだが、あれは広告が多くてジャマ。年末のカレンダーも似たようなものじゃないだろうか。
読者サービスだとしても、つまりは購読料から捻出されているのだろう。整理してもいいのではないでしょうか。
以下、カレンダーではないもの。
今回の袋には、他には年間の休刊日の予定表と、
「週刊さきがけスポーツ」のサンプル
1月9日から毎週木曜日にスポーツや週末イベントの別刷りが刊行されることになった。「ブラウブリッツ秋田」のJリーグ・J3参入決定など秋田のスポーツの盛り上がりに便乗したのだろう。
実は、以前にも「さきがけスポーツ」というのが存在した。
1996年から2003年まで、魁新報本体とは独立した(別料金の)日刊紙で、サンケイスポーツとの提携だった。商売としてはうまくいかなかったようで短命に終わっていたのだが、その名称を復活して縁起が悪いとかは思わないのかな。
【2017年12月11日追記】2018年用も、サンプル紙と休刊日予定表はないものの、それ以外の4アイテムは変わらず。袋のデザインも同じ。ダイアリー末尾の記事は、甘酒の効能とレシピやリンパマッサージなど別のネタ。
※そして2020年末には変化が。
最後に、今日出た魁の号外。
A4コピー用紙にカラー印刷で片面
昔は号外でもちゃんとした新聞用紙に印刷され、発行される機会は限られており、緊急事態を告げる緊迫感があったと思う。
今は、しょっちゅう号外が出ている気がして、昔より軽く感じる。パソコンで作ってレーザープリンタで出力すれば、簡単に作れることも一因だろう。
今回のニュースなんて、文面も共同通信配信のままだろうし、魁側でやった作業はちょっとレイアウトして印刷しただけではないでしょうか。
号外の内容ではなく、文字に注目。
紙面上部の「秋田さきがけ」の扁平文字は、通常版(上)と号外では異なる
本文の文字も通常紙面とは異なり、正方形に近い(ほんの若干扁平?)明朝体なのだが、その文字に懐かしさを覚えた。
ひらがなが分かりやすい
他の明朝体と比べて、全体的に柔らかく、書き始めの筆が触れる位置の出っ張りが少ない。
「の」「め」の終わりの位置、「さ」「き」のとんがった部分、「い」「り」のカーブ、「に」「は」の左の縦棒、それに「と」の縦棒が垂直で長く、2画目の始めが右に突き出ていることなどが特徴的。
【21日追記】今回の号外では使われなかったかもしれないが、「な」の4画目のカーブの柔らかさも特徴的で美しい。
この明朝体は、株式会社モトヤ製の「モトヤ明朝」という書体だと思う。
魁では、通常の紙面において「モトヤ新聞明朝」という扁平な明朝体を使っているようで、モトヤの公式サイト「導入事例」に、日経、産経、西日本新聞などとともに秋田魁新報の名が出ている。一括で普通の明朝体も契約しているのだろうか。
【21日追記】モトヤ新聞明朝とモトヤ明朝は、デザイン的には共通する部分が多いものの、上記追記「な」のように両者でだいぶ異なる字形の文字もある。
実はモトヤ明朝は、かつて複数のメーカーのワープロ専用機で採用されていて、それで懐かしく感じたのだ。
僕はつい最近まで、ワープロ専用機の書体は各メーカーがそれぞれ開発していたと思い込んでいたのだが、実際には、パソコンのフォントと同じく、フォントメーカーが開発したものを使っていて、その1つが「モトヤ明朝」であることを知ったばかりだった。
モトヤ明朝は、シャープ「書院」、東芝「ルポ」、富士通「オアシス」、パナソニック(松下電器産業)「U1(末期はスララ)」などに搭載されており、シェアは圧倒的だったことになる。
号外でモトヤ明朝が使われているのを久々に、かつ改めて見ると、なかなかきれいで読みやすい文字だと感じた。
モトヤ明朝は、今はパソコン用フォントとして発売されており、いちばん安いのは1万円ほどで個人でも購入できる。もうちょっと安ければ、買いたいけど…
【2015年12月4日追記】2016年2月発売のジャストシステムのワープロソフト「一太郎2016」の一部商品にモトヤ書体が付属されるそうだ。商品によって異なるが、新聞用の明朝とゴシックや、通常の明朝、ゴシック、その他。
単独で買うよりは安くモトヤ書体が購入できることになる。
※モトヤ明朝に関する関連記事
※モトヤ新聞明朝についてはこちらも
※2017年に魁の書体が変更されることになった。号外の書体も替わってしまった。
秋田(秋田市近郊)で企業のカレンダーとして定番のものを2つ紹介。
なお、他には、秋田銀行の月めくりカレンダーが実用的で人気がある。企業や資産家はともかく、一般庶民の個人客は入手しにくいという話もある…(窓口に出向いて「くれ」と言えばくれるのでしょうけどね)
台紙付き日めくりカレンダー
秋田市で日めくりカレンダーといえば、昔からこれが代表的ではないだろうか。
日めくりカレンダー自体はハガキ大ほどの小さなもの(交通標識や格言入りのよくあるタイプ【1月5日追記】「故事ことわざ慣用句監修 金田一秀穂」とある)だけど、大きな台紙がある。A3サイズで厚さは約2ミリ。ジャマなのでカレンダーを台紙から外して使う人もいる。
既に外されてしまった!
台紙は緑系統の色で、上に金色で西暦年が記されているのは昔からずっと変わらないはず。年とカレンダー本体の間には、たくさんの箱(枠)が並ぶ。箱の中には、タクシー会社名と連絡先が記される。
そう。これは秋田市内の法人タクシー共同の日めくりカレンダー。「秋田県ハイヤー協会秋田支部」が作っているのかもしれない。
配るのは各タクシー会社で、ある程度の回数、電話でタクシーを呼んでいれば、個人宅にも持ってきてくれる所が多いようだ。
写真のカレンダーでは、キングタクシーの所だけが赤で目立つようになっているが、このカレンダーがキングタクシーからもらったものだから。
元々はキングタクシーの枠も他と同じデザインなのだが、自社が目立つように上から目立つシールを貼る対応をしているタクシー会社が多い。
各会社名はゴシック体で記されるものの、「タクシーセンターあい」の「あい」だけは実際と同じ明朝体系のかなが使われている。各社とも配車専用や本社の電話番号は記しているが、ジャンボタクシーや介護タクシーを宣伝したり、秋田中央タクシー(中央交通の子会社・秋田中央トランスポート)では「観光バス・旅行斡旋」の電話番号も掲載。
ここに掲載されるタクシー会社は15社。これで秋田市内のタクシー会社全社のはず。
昔はもっと密で、カレンダー本体の左右にまでびっしりと掲載されていたはずなのに、今は余白(余緑?)が目立ち、「8月5日はタクシーの日」とか、タクシーチケットを取りまとめる(タクシー会社ではない)「秋田ハイタク興業」の連絡先も掲載されている。
ここ十数年で秋田市内のタクシー会社の再編が進んで会社数が減ったのだが、そのことがカレンダーからも分かる。
もう1つは、郷土の新聞・秋田魁新報のカレンダー。これは宅配購読している家庭やオフィスへ配られる。
夕刊があった当時は折り込んで配布されていたような気もするし、訪問集金している所はその時に配っていた可能性もある。要は年や各販売所で対応が違うのかもしれないが、今年はこんな風に届いた。
ビニール袋に入って、いろいろと
他のものは後で紹介するとして、まずはカレンダー。
カレンダーは2種類も
B3くらいの縦使いで絵入りの半年の1枚ものと、B4くらいのサイズ縦使いの月めくり。
月めくりはここ数年で登場したような気がするが、半年ものはだいぶ前からあったはず。7月以降分は、もちろん後でまた配られる。
半年版の絵は、今年は秋田市出身の女性画家による男鹿半島入道崎が舞台の作品。カレンダー部分には旧暦と六曜、二十四節気と一部の記念日が併記されている。
秋田魁新報・ABS秋田放送(と魁販売所)の連名
ABS側でも、同じカレンダーを配っているのだろうか?
月めくりのほうは、ABSは登場しない。表紙は「賀正」とあいさつ文入り。
カレンダー部には書き込めるスペースがある。掲載項目は、半年版の項目にプラスして、毎日の干支(「みづのえさる」ように「十干+十二支」のフル表記)と毎日の九星(一白~九紫)も。
壁に張るカレンダーだけで2種類もくれる魁さんだけど、まだまだあります。
この2冊も
「高島易断所本部編纂 平成二十六年暮らしのこよみ」と「2014DIARY」。この2つも定番。
DIARYのほうは、A4の長辺側を3分の1にした縦長サイズで、魁系列の「(株)サキガケ・アド・ブレーン」の「企画・制作」。
見開きで1か月で毎日1行が取られた、オーソドックスなスケージュル帳がメイン。六曜と二十四節気等が掲載。月ごとに時候の挨拶の文例とことわざの説明も出ている。ことわざは「花より団子」とか基本的すぎるものばかり…
最後6ページほどは「健康スムージー」「食材保存のコツ」「大雨・雷・竜巻に気をつけて!」という記事になっているが、スムージーとかって昨年も同じものが載っていたような?
シンプルで薄手なのはいいけれど、縦に長くて持ち運びには不便。
「暮らしのこよみ」のほうは少なくとも30年近く前から配られている。B6版か。表紙のデザインは昔よりモダンになった(裏表紙は年間カレンダー)けれど、中身はほとんど変わっていないと思う。(もちろん、その年の暦には合わせてありますよ)
前半
月ごとに1ページを使って、毎日の行事や全国各地のお祭りなどを掲載。その月に行うべき「家事」「農事」も出ている。僕は子どもの頃、これを見るのが好きだった。
各月右上にその月をイメージしたイラストがあるのだが、これもずっと変わっていない。1月の鏡餅の上にミカン(ダイダイ)でなく伊勢海老が載っていたり、2月の豆を撒かれて逃げる鬼の無表情加減、11月の七五三の子どもの微妙な体のバランス等が印象深い。
行事は、1月7日に「学校始業」があったり(9月1日や4月にはない)、7月にお盆の行事・真冬に本格的な農作業をやることになっており、秋田にはそぐわない。表紙だけが秋田魁バージョンで、中身は全国共通の汎用品だと思われる。日の出日の入りも東京の時刻。
「神無月」の仮名が「かみなづき」なのが珍しい(間違いではない)
後半は生まれ年の「九星」ごとの運勢。
このページも右上に絵。その星のその年の運勢にちなんだ格言やことわざが出ていて、それにちなんだ絵。毎年違う絵のようだが、行事のページと同じ人がかいたようで、独特の雰囲気。
難しい
あとは昔から変わらない、人相、手相、夢判断、種まきの適期、勝負事に勝つ法、紙垂の切り方などが簡単に掲載され、最後は「通信鑑定」「六三除け」で希望の方は8千円から4万円を添えて云々。
こういう内容全般を否定するつもりはないが、こういうことが新聞社名で新聞社が配るものに必要なんだろうか?
以上、魁の宅配購読者は、4種類もカレンダー類を頂戴できることになる。
濃い水色の封筒で配られる、魁の元日特集号の紙面の多さは全国有数だそうだが、あれは広告が多くてジャマ。年末のカレンダーも似たようなものじゃないだろうか。
読者サービスだとしても、つまりは購読料から捻出されているのだろう。整理してもいいのではないでしょうか。
以下、カレンダーではないもの。
今回の袋には、他には年間の休刊日の予定表と、
「週刊さきがけスポーツ」のサンプル
1月9日から毎週木曜日にスポーツや週末イベントの別刷りが刊行されることになった。「ブラウブリッツ秋田」のJリーグ・J3参入決定など秋田のスポーツの盛り上がりに便乗したのだろう。
実は、以前にも「さきがけスポーツ」というのが存在した。
1996年から2003年まで、魁新報本体とは独立した(別料金の)日刊紙で、サンケイスポーツとの提携だった。商売としてはうまくいかなかったようで短命に終わっていたのだが、その名称を復活して縁起が悪いとかは思わないのかな。
【2017年12月11日追記】2018年用も、サンプル紙と休刊日予定表はないものの、それ以外の4アイテムは変わらず。袋のデザインも同じ。ダイアリー末尾の記事は、甘酒の効能とレシピやリンパマッサージなど別のネタ。
※そして2020年末には変化が。
最後に、今日出た魁の号外。
A4コピー用紙にカラー印刷で片面
昔は号外でもちゃんとした新聞用紙に印刷され、発行される機会は限られており、緊急事態を告げる緊迫感があったと思う。
今は、しょっちゅう号外が出ている気がして、昔より軽く感じる。パソコンで作ってレーザープリンタで出力すれば、簡単に作れることも一因だろう。
今回のニュースなんて、文面も共同通信配信のままだろうし、魁側でやった作業はちょっとレイアウトして印刷しただけではないでしょうか。
号外の内容ではなく、文字に注目。
紙面上部の「秋田さきがけ」の扁平文字は、通常版(上)と号外では異なる
本文の文字も通常紙面とは異なり、正方形に近い(ほんの若干扁平?)明朝体なのだが、その文字に懐かしさを覚えた。
ひらがなが分かりやすい
他の明朝体と比べて、全体的に柔らかく、書き始めの筆が触れる位置の出っ張りが少ない。
「の」「め」の終わりの位置、「さ」「き」のとんがった部分、「い」「り」のカーブ、「に」「は」の左の縦棒、それに「と」の縦棒が垂直で長く、2画目の始めが右に突き出ていることなどが特徴的。
【21日追記】今回の号外では使われなかったかもしれないが、「な」の4画目のカーブの柔らかさも特徴的で美しい。
この明朝体は、株式会社モトヤ製の「モトヤ明朝」という書体だと思う。
魁では、通常の紙面において「モトヤ新聞明朝」という扁平な明朝体を使っているようで、モトヤの公式サイト「導入事例」に、日経、産経、西日本新聞などとともに秋田魁新報の名が出ている。一括で普通の明朝体も契約しているのだろうか。
【21日追記】モトヤ新聞明朝とモトヤ明朝は、デザイン的には共通する部分が多いものの、上記追記「な」のように両者でだいぶ異なる字形の文字もある。
実はモトヤ明朝は、かつて複数のメーカーのワープロ専用機で採用されていて、それで懐かしく感じたのだ。
僕はつい最近まで、ワープロ専用機の書体は各メーカーがそれぞれ開発していたと思い込んでいたのだが、実際には、パソコンのフォントと同じく、フォントメーカーが開発したものを使っていて、その1つが「モトヤ明朝」であることを知ったばかりだった。
モトヤ明朝は、シャープ「書院」、東芝「ルポ」、富士通「オアシス」、パナソニック(松下電器産業)「U1(末期はスララ)」などに搭載されており、シェアは圧倒的だったことになる。
号外でモトヤ明朝が使われているのを久々に、かつ改めて見ると、なかなかきれいで読みやすい文字だと感じた。
モトヤ明朝は、今はパソコン用フォントとして発売されており、いちばん安いのは1万円ほどで個人でも購入できる。もうちょっと安ければ、買いたいけど…
【2015年12月4日追記】2016年2月発売のジャストシステムのワープロソフト「一太郎2016」の一部商品にモトヤ書体が付属されるそうだ。商品によって異なるが、新聞用の明朝とゴシックや、通常の明朝、ゴシック、その他。
単独で買うよりは安くモトヤ書体が購入できることになる。
※モトヤ明朝に関する関連記事
※モトヤ新聞明朝についてはこちらも
※2017年に魁の書体が変更されることになった。号外の書体も替わってしまった。