広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

年末年始のテレビ

2015-01-14 23:58:19 | その他もろもろ
年末年始のテレビ番組から。
●初詣報道
恒例となった、NHK各局の初詣報道の比較。※昨年の記事
秋田局では、今年はやらなかった気がする。他にも、ネットで見る限りでは長野局、宮崎局、沖縄局などいくつかは初詣のニュースがアップされていなかった。
そうした局では、秋田のなまはげのような、各地ならではの行事を報道している。
※最近知ったけど、沖縄のNHKの放送局は「那覇放送局」ではなく「沖縄放送局」なんだ。所在地の市名でない曲名を名乗るのは、沖縄局だけだそうだ。2006年まで豊見城市に局舎があったからなのか、米軍統治下の「沖縄放送協会」の名残なのか。

では、一部局の過去3年の参拝の描写を並べて比較してみます。
※たまたま2013年からの記録が残っている局で、各年の原稿の中から同じ光景の描写に相当する箇所を抜粋したもの。県域局と拠点局で同じ場所が報道(京都局と大阪局両方で伏見稲荷等)され、それぞれで言い回しが若干異なっているものもあったが、その場合は取材を行った(直接原稿を作成した)であろう県域局のものを優先。

青森局(善知鳥神社)
2013「さい銭を投げ入れてから、静かに手を合わせたり、絵馬に願いごとを書き入れたりして、ことし1年の幸せを祈っていました。」
2014「さい銭を投げ入れたあと、拝殿の前で手を合わせてことし1年の家族の健康や商売繁盛などを祈っていました。また、境内では、縁起物の熊手や絵馬がついた破魔矢などを購入したり、おみくじを引いたりする人たちの姿も見られました。」
2015「さい銭を投げ入れたあと、拝殿の前で手を合わせて、ことし1年の無病息災や商売繁盛などを祈っていました。」

山形局
2013(鶴岡市・荘内神社)「順番にさい銭を投げ入れ、それぞれ新年に向けた願いを込めて手を合わせていました。」
2014(護国神社)「順番にさい銭を投げ入れ、新年の願いを込めて手をあわせていました。」
2015(護国神社)「さい銭を投げ入れては手を合わせ、家族の健康やことし1年の幸せを願っていました。」

千葉局(成田山新勝寺)
2013「線香の煙で身を清めたあと、次々に大本堂に上がってさい銭を入れ、手を合わせてことしがよい年になるよう願っていました。」
2014「線香の煙で身を清めたあと大本堂へと進み、さい銭を投げ入れて新しい年への願いを込めて手を合わせていました。」
2015「線香の煙を手であおいで身を清めたあと、大本堂でさい銭を投げ入れ、この1年の願いを込めて静かに手を合わせていました。」

静岡局
2013(静岡浅間神社)「訪れた人たちは次々にさい銭を投げ入れて無病息災や家内安全を願っていました。」
2014(富士山本宮浅間大社)「大勢の家族連れや若者らが訪れ拝殿の前に設けられたさい銭箱に次々とさい銭を投げ入れ、家内安全や無病息災など手を合わせて祈っていました。」
2015(袋井市・法多山尊永寺)「集まった家族連れや若者がカウントダウンをして午前零時になるとは一斉にさい銭を投げ入れて1年の無病息災を願いました。」

京都局(伏見稲荷大社)
2013「順番にさい銭を投げ入れては手を合わせて商売や仕事がうまくいくことや家族の健康などを祈っていました。」
2014「順番にさい銭を投げ入れて商売繁盛や家族の健康を祈っていました。」
2015「順番にさい銭を投げ入れては商売繁盛や家族の健康を祈っていました。」

松江局
2013(出雲大社)「さい銭を投げたあと、かしわ手を4回打つ、出雲大社独特の方法で手を合わせ、1年の幸せを願っていました。」
2014(出雲大社)「さい銭を投げたあと手を4回たたく出雲大社独特の方法で、ことし1年のそれぞれの願いを込めて、手を合わせていました。」
2015(八重垣神社)「訪れた人たちが良縁や家内安全などを祈っていました。」

高松局(金刀比羅宮)
2013(金刀比羅宮)「さい銭を投げては、手を合わせて幸せな1年を願っていました。」
2014(金刀比羅宮)「さい銭を投げ入れ、この1年の願いや決意を込めて手を合わせていました。」
2015ネットには未掲載

福岡局
2013(愛宕神社)「参拝の順番になると、丁寧にさい銭を投げ入れては、新年への思いを込めて手を合わせていました。」
2014(太宰府天満宮)「初詣のために用意された大きなさい銭箱にお金を投げ入れ、それぞれの願いを込めて手を合わせていました。」
2015(太宰府天満宮)「新しい年を無事に過ごせるようにと願う家族連れや合格を願う受験生など、大勢の人が参拝に訪れました。」

大分局(宇佐神宮)
2013「さい銭を投げ入れたあと、拝殿に向かって手を合わせ今年1年の無事や健康を祈っていました。」
2014「さい銭を投げ入れたあと、拝殿に向かって手を合わせことし1年の無事や健康を祈っていました。」
2015「さい銭を投げ入れたあと、拝殿に向かって手を合わせことし1年の無事や健康を祈っていました。」

長崎局(諏訪神社)
2013「拝殿ではそれぞれさい銭を投げ入れゆっくりと目を閉じながら手を合わせ、願い事をする姿が見られました。」
2014「拝殿では参拝客が次々とさい銭を投げ入れては目を閉じて静かに手を合わせ、願い事をしていました。」
2015「さい銭を投げ入れて手を合わせ、新年の願い事をしていました。」

大分局などは3年連続でほぼ同じ。記載部分以外の内容も、インタビュー以外はほとんど同じ「使い回し」。
前も書いたけれど、日本人に伝えるニュース、しかもテレビという映像で伝えられる媒体なのだから「賽銭を入れて手を合わせる」なんて手順の説明はいらない。仮に伝えるのなら、神社ならば「賽銭を入れて、鈴を鳴らして、2回礼をして2回柏手を打ち、手を合わせて祈った後、1度礼をしていました」と正確に表現するべき(かどうかは分からない…)。
調査してもいないだろうに「今年1年の幸せを願って」いるのかどうかは分からない。(「昨年無事に過ごせたとの感謝」も初詣の大事な目的だと思うのだが…)
公共放送NHKでは、「多くの参拝客が訪れていました」といった事実の描写だけで充分だと思う。せいぜい松江局や長崎局程度の表現でいいのではないだろうか。

※翌2016年はこの記事後半。


●新春テレビ体操
正月(元日だったかな)に、NHK総合でテレビ体操の新春特番をやっていたのを、ちらりと見た。
いつもはローテーションで出演している、指導者とアシスタントが総出演。
さらに、ピアノ伴奏者も3名が出演。
グランドピアノ2台とシンセサイザー1台で「ラジオ体操第1」を演奏するという、豪華なようなよく分からないような体操だった。
【2016年11月28日追記】この時の奏者の1人に、幅しげみさんがいらした(シンセサイザーを担当していた?)。幅さんは、1980年代中頃には、「おかあさんといっしょ」のスタジオで子どもたちを座らせてお兄さんお姉さんが歌うコーナーで電子オルガン(エレクトーン)の演奏もしていた。


●特急乗り継ぎ旅
テレビ東京の路線バス乗り継ぎ旅シリーズ。
テレ東系では、1月3日に第19弾となる大阪から金沢の旅が放送されたとか。いずれ、岩手放送かBSジャパンでやってくれるでしょう。

バス旅の人気に気を良くしたのか、テレ東では、さまざまな交通手段による乗り継ぎ旅も製作し、系列局外でも放送されている。
道の駅駅伝、高速バス、航空機(空港巡り)、トラック(ヒッチハイク形式)、軽トラ(自分で運転)、タクシー(1台を乗り通す)、漁船(自分で操船)等々、よく考えつくものだ。そのうち「駕籠(かご)」「トライアスロン」とか出たりして??

昨年12月13日にテレ東系で放送された「列島縦断3200km 特急乗り継ぎ旅」が、IBC岩手放送で1月4日13時から2時間の枠で放送された。
鹿児島中央から稚内までを5日かけて、在来線特急列車だけで移動するというもの。バス旅と違って乗るばかりでなく、途中で観光することも多かった。
新幹線はもちろん、原則として在来線普通列車も利用できない。なお、第3セクター鉄道の特急(北近畿タンゴ鉄道)や寝台特急(サンライズ出雲)は、特急として認められていた。(今回ルートにならなかったが、制度上は在来線特急であるミニ新幹線区間のつばさやこまちはどう扱われるだろう?)
旅人は田中要次、八木さおり、中村昌也。

新幹線が延びた現在では、在来線だけで日本を縦断するとなれば、コースは限定される。
ただし、関門海峡で普通列車(特例)と徒歩を使ったほかは、遠回りすればすべての行程が特急でつながった。

気になったのは、「サンライズ出雲」に出雲市18時55分→姫路23時33分だけ、個室寝台に乗ったこと。
まず、一夜を明かさないのに寝台料金がもったいない。
それに、座席と違って寝台は整備が必要だからその部屋はその運行ではもう使用できず、姫路・三ノ宮・大阪から東京方面まで乗車する客の乗車機会を奪ってしまったことになる。(まあ、当日の予約だったし、他の部屋は空いていたようだけど)
いっそ東京まで乗ったらとも思ったが、それだと先がつながらなくなるものね。


東北地方を特急で進むとなれば、秋田を通るしかないのは想像が付いた。新潟から青森へ、いなほ→つがるのルート。
「いなほ5号」で秋田着16時13分、乗り換えて「つがる7号」で秋田発17時31分という計画。

秋田市での1時間強の待ち時間になるが、田中要次さんが「どこかに行ってお茶でも飲もう」などと言い出し、土崎のポートタワーセリオンへ向かうことにする。
※市の所有となった現在は「秋田“市”ポートタワー セリオン」が正式なようだが、番組では「秋田ポートタワー セリオン」と表記。指定管理者や秋田市も含めて、誰も正式名は使っていないんだけど…
※現在、セリオンは改装工事中なので訪れる方は要確認。

秋田駅西口から「勝平タクシー」に乗車。
平日(11月21日・金曜日?)のロケだったようで、その時間の新国道となれば、当然渋滞に巻き込まれた。
セリオンでお茶を飲むヒマはなく、展望台で雲が多い夕焼けを眺めて秋田駅へ取って返す(おそらく同じタクシー)。

西口に着いたのが、発車直前(3分くらい前?)。
中央改札口から入ったようだが、つがる7号は遠い8番線からの発車で、ギリギリで乗り遅れてしまった。

この部分の映像と音声について。
映像を見ると、新幹線ホーム(11・12番線)を走っているように見えた。7・8番線と同一平面上でつながっているのだが、新幹線改札口をどうやって通ったのだろう。「きっぷは車内で買うから」と新幹線改札から入れてもらったのだろうか。
また、発車ベルが聞こえるのだが、電子音のベルのような音。
秋田駅の発車はベルではなくメロディで、目黒駅などJR東日本エリア内で広く使われている、東洋メディアリンクス製「Water Crown」という曲。マイクで拾えなかったので、それっぽい音を入れたのだろうが、演出の範囲内ということか。

仮にタクシーを降りて逆方向の階段を上り、北側の「メトロポリタン口」から入れば間に合ったかもしれないが、初めて秋田駅に来た人には難解。
もしくは、秋田駅-土崎駅を普通列車で移動し、土崎駅-セリオンをタクシーで移動すれば、渋滞には巻き込まれなかっただろう。移動も含めて土崎に37分滞在できる。(番組ルール上許されたのかは知らないが、元の秋田駅に戻るんだからいいのでは?)
あるいは、セリオンのエレベーターがもうちょっと高速だったら、間に合ったかも。

ということで、後続の19時29分発「つがる9号」に乗ることにし、中通四丁目、JR東日本秋田支社脇というかホテルアルファーワンの裏の飲食店街にある「美味の店 町家」で、きりたんぽ(鍋でない串)やハタハタを食べる。

この秋田での失敗で、田中さんは他の2人から責められることになった。
田中さんは写真を撮るのが上手なのだが、こんなエピソードが。
天橋立で「股のぞき」の状態で写真を撮ろうと苦労し、「そんなことしなくてもカメラを逆さにすればいいのでは?」と言われるも、リアルな状態で撮ることに意味があるといった趣旨のことをおっしゃった。ところが撮影した画像を見ると、カメラが気を利かせて画像を上下反転させてしまっていて、あの苦労が意味のないことになっていたという一件がおもしろかった。(手動で再度反転させれば、期待通りの画像になるでしょう)


●日本版ポワロ
1月11日・12日に、フジテレビ開局55周年特別企画のドラマ「オリエント急行殺人事件」が放送された。
アガサ・クリスティーのポアロシリーズの作品を、三谷幸喜が昭和8年の日本を走る架空の「特急東洋」を舞台に翻案したもの。
11日(と12日の結末)は原作に忠実に、12日は犯人側の視点から描くオリジナルの内容。

僕はドラマも映画もほとんど見ないけれど、「名探偵ポワロ」や「古畑任三郎」など三谷幸喜作品の一部は好き。
古畑以来のミステリー物の三谷作品ということで、楽しみに見た。
「オリエント急行~」は、本家名探偵ポワロシリーズ(シリーズ自体がNHKでは昨年完結)では、2010年製作・2012年NHK放送で映像化されており、見たはず。

まず、撮影に使われた蒸気機関車は、JR東日本「SL銀河」の「C58 239」。
C58は昭和8年当時にはまだ登場していない形式だとか、史実と比較すればツッコミどころはたくさんあったが、そこにツッコんではいけない。舞台そのものが架空の世界なのだし。

エルキュール・ポアロは、勝呂武尊(すぐろたける)とされ、野村萬斎が演じた。
原作の使用はイギリスの著作権者の承諾を得ており、萬斎さんのキャスティングも好意的に受け入れられたらしい。
NHKでやっていたデヴィッド・スーシェ演じる小太りのポワロのイメージからすれば、萬斎さんは細身だし若い。
【17日追記】三谷幸喜による朝日新聞連載エッセイ「三谷幸喜のありふれた生活」で、萬斎ポアロの風貌について述べられていた。
連載735回。秋田では17日付けに掲載されたが、夕刊発行地域では15日夕刊掲載?
原作には「ポアロが太っている描写はどこにもない」上、頭が禿げているかどうかも分からないそうで、「我らが野村萬斎ポアロも、決して原作から遠いわけではないのです。」(以上追記)
萬斎さんの話し方は、ものすごくポワロ(というか熊倉一雄さんの吹き替え?)を意識したモノマネのようにも感じるもので、どことなく本業の狂言っぽくも思えて、最初は笑ってしまった。

でも、古畑任三郎だって、20年前の最初はそんな受け止め方だったかもしれない。
古畑だって「和製コロンボ」とも言われ、「刑事コロンボ」からトリックやエピソードを拝借しているものが多い(あちらの承諾は得ていないだろうけど)。
田村正和といえば古畑任三郎になったように、野村萬斎といえば勝呂武尊となるような、続編を期待してもいいかもしれない。

松嶋菜々子、二宮和也、八木亜希子(元フジテレビアナウンサー)、富司純子、西田敏行など共演者もそうそうたる面々。
両日とも、見応えがあっておもしろかった。

【2016年1月25日追記】2016年1月に、NHKBSプレミアムで1974年のイギリス映画「オリエント急行殺人事件」を見た。監督・シドニー・ルメット、ポワロ役・アルバート・フィニー、字幕。
テレビ版のポワロよりも、少々嫌味な性格にされていた。そして、全体の雰囲気が、上記の日本版ドラマにとてもよく似ていたように感じた。

※期待通り続編が作られ2018年4月14日放送。「アクロイド殺し」を原作にした「黒井戸殺し」。


●あぐりさん
その野村萬斎(二世)の名が広く知られたのは、1997年のNHK連続テレビ小説「あぐり」。
ヒロイン・望月あぐり(田中美里)の夫、エイスケを演じた。
ちなみに「オリエント急行~」に出ていた草笛光子は「あぐり」にも出ていた。(さらにちなみに鈴木砂羽、関口知宏なども「あぐり」で初めて知った)

昨今の朝ドラはぜんぜん見ないけれど、個人的に歴代でいちばん好きでおもしろかった朝ドラが「あぐり」。
毎日欠かさず見たし、偶然だけど原作本まで読んだ。
なんとなく全体が明るく楽しく、かといってドタバタしない流れだったし、特にエイスケさんの個性が光っていた。

原作は、美容師・吉行あぐりさんの自伝エッセイ「梅桃(ゆすらうめ)が実るとき」。
あぐり(本名・安久利)さんは吉行和子、吉行淳之介などの母で、日本最高齢の美容師免許所持者だったのだが、今年1月5日に107歳で亡くなった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする