外宮(げくう)参拝の翌朝、伊勢神宮内宮(ないくう)へ。
※この記事では内宮への行き方を紹介します。内宮の中は後日別記事にて。
内宮は徒歩だけで訪れるには遠い。
公共交通機関のアクセスとしては次の2つが挙げられる。
※いずれも2015年1月時点の情報です。変更になる場合があるので、各自、都度ご確認願います。また、混雑期は道路渋滞も考えられ、どうなっているか分かりません。
・近鉄「五十鈴川(いすずがわ)」駅下車
・JR・近鉄「伊勢市」駅または近鉄「宇治山田」駅または外宮前から三重交通の路線バス
ということで、通常時の内宮参拝は、バス利用がベストだと思う。
近鉄のフリーきっぷを使用すれば、鉄道もバスも乗り降り自由。状況や気分で選べるし、小銭の準備もいらないので使うべきです。(三重交通バス単独のフリーきっぷもあるが、名古屋などから往復するのなら、近鉄のフリーきっぷのほうが割安)
宿を後に、鳥羽から近鉄の普通電車で伊勢市へ。
バスで内宮へ向かうには、宇治山田駅で降りても伊勢市駅で降りても違わない。
宇治山田駅のほうがコインロッカーが多そうだし、路線バスも先に通るので座れるのではないかと踏んで、宇治山田駅で下車。時刻は10時前。
ここで、宇治山田駅の駅舎について。
前回も触れたように、「宇治山田」とは外宮と内宮の所在地のかつての町名(および合併直後の市名)にちなむものであり、京都の宇治とは関係ない。
1931(昭和6)年の開業時からの、鉄筋コンクリート3階建て、幅120メートルの堂々たる駅舎。登録有形文化財。
もうちょっと離れて撮影するべきでした…
クリーム色のテラコッタ・タイルが印象的で、細部の装飾が凝っている。
前回の伊勢市駅に続き、ここにも関西式門松
伊勢市駅JR側よりも立派な門松が置かれていたが、タクシー乗り場に面しており、正面からは見られなかった。
正面の避雷針も凝っている。後方の「近鉄」の塔屋(元は火の見櫓として使われたらしい)にも避雷針
1階には、コンコースや土産物・飲食店やファミリーマートなどからなるちょっとしたショッピングゾーンがある。
モダンレトロな広いコンコース。駅窓口はこの右側(駅に入って正面)
広いコンコースは修学旅行などの団体客の利用を想定しているのかもしれない。
貴賓室があり、皇族や要人が伊勢に来る時は、伊勢市でなく宇治山田駅を利用するそうだ。
あとは、建物の大きさのわりには客が立ち入れるスペースは少ない。待合室とかベンチの類も、多くなかった気がする。
ホームは高架で、上の写真正面奥の階段を上がると改札口。(その階段の裏が店舗)
改札内から改札口。奥の階段を降りるとコンコース
通常使う改札口は1か所だけ。天井は低く、外観とは違った印象を受ける。
宇治山田駅を出てすぐにあるバス乗り場に行くと、ちょうどバスが入って10人ほどが乗り込むところ。
「庁舎前」経由内宮前行きの定期便で、大型ノンステップのいすゞエルガ。
案内員が「内宮行きはこちらです。間もなく発車しますので、整理券を取ってご乗車ください」などと案内している。
どうも、発車まで時間がある時は、乗り場の案内員に対して運賃を支払う(=乗車券を買う?)ようで、発車間際は一般的な整理券方式の車内精算になるようだ。
そのバスの全員が車内精算済みの直行便なら、到着時は中ドアからも下車させるようだ。(詳細不明)
反対に、バス1台の乗客全員まるまる乗り場で精算できないこともあり、案内員が運転士に「皆さん精算がまだですので(車内精算を)よろしくお願いします」と伝達する場合もあった。
次の伊勢市駅前でもぞろぞろ乗ってきて、さらに次の外宮前で数人乗車。通路に人がちらほら立つ状態になって内宮へ向かう。
一般路線バスなので、途中で地元の人が2人くらい下車。
片側2車線の県道32号線を快調に進み、国道23号線に曲がってあっと言う間に内宮到着。宇治山田駅から15分ほど。
内宮前バス乗り場
内宮前のバス乗り場はバスの待機場を兼ねていて、常に2~3台が停まっていた。
内宮に来ていた三重交通の路線バスは、いすゞエルガのノンステップばかり。四日市などでは見かけた同型・異メーカーである日野ブルーリボン2さえ見かけなかった。(1台だけ臨時便で三菱エアロスターが来ていた)
輸送力からすれば大型車が必要だし、ドル箱路線だから新車を積極的に入れるのは分かるが、いすゞばかりなのは、三重いすゞが三重交通の系列ということもあるだろうし、ひょっとしたらいすゞ自動車の社名の由来である、内宮前を流れる五十鈴川へ敬意を表してだろうか。
自動放送の車内アナウンスは、かつての秋田市営バスのテープ式放送と同じ人、アイドリングストップ時の音楽はかからなかった気がする。【21日補足・訂正】要所では英語の車内放送もあった(日本語とは別の声)。アイドリングストップの音楽は、アイドリングストップをする機会がなかったので不明。
※三重交通についての以前の記事
※三重交通のバスについては、後日別記事にて
「お伊勢参りは外宮から内宮へ」
参拝のならわしを記したラッピングバスがあった。
車体に広告主名は表記されていないが、伊勢商工会議所のホームページによれば、伊勢商工会議所と伊勢市が「外宮誘客事業」として2009年から2台に広告しているそうだ。
伊勢市街地である外宮への観光客誘導が目的なのか。でも、「外宮から内宮へ」だと外宮に先に来てもらわないといけないから、内宮行きのバスにラッピングしてもあまり意味がないような気がしなくもない。むしろ、三重交通さんのいい宣伝になっていそう。
三重交通独特の後部屋根上の広告パネル(上記以前の記事参照)は、この車では枠が撤去されて、棒状の台座だけが残っている。
バス停の先で、
国道23号線の終点
愛知県豊橋市から続く、177.0キロの国道23号線がここで終わっていた。
交差点ではなく、神社の前で国道が終わるというのが、伊勢神宮が重要な場所であることを物語っている。外宮のそばには三重県道が何本もあったのと同じように。
国道が終わった先は、内宮の駐車場への通路かのように見えるがそうではなく、県道12号として五十鈴川沿いに奥まで続き、かなり狭い山間の道になっている。
バス停を降りて左側が、参拝客目当ての店が軒を連ね、一大観光ゾーンとなった「おはらい町」(これも一部は県道)。
そしてほぼ正面が、
伊勢神宮内宮
五十鈴川に架かる「宇治橋」を渡って伊勢神宮内宮へ進む
ならわし通りに外宮を参拝してきたのかは知らないけれど、観光バスがたくさん出入りしている。昨日夕方の外宮よりは、人出が多いようだ。内陸のためか鳥羽よりは風が強くなく、気にならない程度。
続きます。
※この記事では内宮への行き方を紹介します。内宮の中は後日別記事にて。
内宮は徒歩だけで訪れるには遠い。
公共交通機関のアクセスとしては次の2つが挙げられる。
※いずれも2015年1月時点の情報です。変更になる場合があるので、各自、都度ご確認願います。また、混雑期は道路渋滞も考えられ、どうなっているか分かりません。
・近鉄「五十鈴川(いすずがわ)」駅下車
五十鈴川駅は宇治山田から1つ鳥羽寄り。伊勢インターチェンジやイオン伊勢店の近くにあり、内宮までは2キロほど。
三重県道12号線(一部国道23号線と重複)を道なりに進めばよく、ちゃんとした歩道があるようなので、天気が良ければ歩いても問題なさそう。
駅前から内宮前へ向かう路線バスも昼間は毎時2~4本あるが、後述の宇治山田・伊勢市駅方面発着のバスを途中乗降する形なので、車内が混雑していれば乗り降りが大変そう。
五十鈴川駅近くに「月讀宮(つきよみのみや)」という、内宮の敷地外にある別宮があるので、そちらにお参りする時は、便利。【21日追記】伊勢神宮と直接の関係はないようだが、内宮近くには「猿田彦(さるたひこ)神社」もある。こちらは内宮から徒歩で来られるし、バス停もある。
五十鈴川駅近くにはイオンがあるので、内宮には行かないイオン経由のバスを使ったり、空き時間に買い物したりという使い方も考えられるかもしれない。
三重県道12号線(一部国道23号線と重複)を道なりに進めばよく、ちゃんとした歩道があるようなので、天気が良ければ歩いても問題なさそう。
駅前から内宮前へ向かう路線バスも昼間は毎時2~4本あるが、後述の宇治山田・伊勢市駅方面発着のバスを途中乗降する形なので、車内が混雑していれば乗り降りが大変そう。
五十鈴川駅近くに「月讀宮(つきよみのみや)」という、内宮の敷地外にある別宮があるので、そちらにお参りする時は、便利。【21日追記】伊勢神宮と直接の関係はないようだが、内宮近くには「猿田彦(さるたひこ)神社」もある。こちらは内宮から徒歩で来られるし、バス停もある。
五十鈴川駅近くにはイオンがあるので、内宮には行かないイオン経由のバスを使ったり、空き時間に買い物したりという使い方も考えられるかもしれない。
・JR・近鉄「伊勢市」駅または近鉄「宇治山田」駅または外宮前から三重交通の路線バス
宇治山田-伊勢市-外宮-内宮を結ぶ路線バスが多数運行されている。
経由地は上記五十鈴川駅前を通る「徴古館経由」が毎時3~4本と、通らない「庁舎経由」が毎時2本、ほかに途中停車しない直行便(黄色い「EVバス」)などもあるが、単に伊勢市中心部から内宮へ行き来するだけなら、どれに乗っても料金は同じ430円(フリーきっぷ対象エリア内)で所要時間もほぼ変わらないようだ。
また、鳥羽方面をも結ぶ「CANばす」という青い車体のバスも利用できるが、行き先に注意。(不安なら乗らずに一般路線を使うのが無難)
ただし、路面電車っぽいデザインの「神都バス」が利用できるとしている情報もあるが、現在は路線バスではなく、事前予約の観光バス扱いに変更されている(2014年10月から)ので注意。
合計すれば伊勢市内-内宮は、昼間は時刻表ではおおむね10分間隔の運行だが、状況により増発便(「臨時」とされていた)を臨機応変に出していたので、ほとんど待たずに乗れた。
宇治山田駅、伊勢市駅、外宮前、内宮前の各乗り場には、バス会社の案内員が出ているし、あまり心配しなくてもいい。だから、事前に時刻表を調べなくても大丈夫だろう。
※朝や夜は本数が少なく、案内員がいないかもしれません。また混雑時はバスが足りなくなるかもしれないし、道路が渋滞して遅延するかもしれません。
経由地は上記五十鈴川駅前を通る「徴古館経由」が毎時3~4本と、通らない「庁舎経由」が毎時2本、ほかに途中停車しない直行便(黄色い「EVバス」)などもあるが、単に伊勢市中心部から内宮へ行き来するだけなら、どれに乗っても料金は同じ430円(フリーきっぷ対象エリア内)で所要時間もほぼ変わらないようだ。
また、鳥羽方面をも結ぶ「CANばす」という青い車体のバスも利用できるが、行き先に注意。(不安なら乗らずに一般路線を使うのが無難)
ただし、路面電車っぽいデザインの「神都バス」が利用できるとしている情報もあるが、現在は路線バスではなく、事前予約の観光バス扱いに変更されている(2014年10月から)ので注意。
合計すれば伊勢市内-内宮は、昼間は時刻表ではおおむね10分間隔の運行だが、状況により増発便(「臨時」とされていた)を臨機応変に出していたので、ほとんど待たずに乗れた。
宇治山田駅、伊勢市駅、外宮前、内宮前の各乗り場には、バス会社の案内員が出ているし、あまり心配しなくてもいい。だから、事前に時刻表を調べなくても大丈夫だろう。
※朝や夜は本数が少なく、案内員がいないかもしれません。また混雑時はバスが足りなくなるかもしれないし、道路が渋滞して遅延するかもしれません。
ということで、通常時の内宮参拝は、バス利用がベストだと思う。
近鉄のフリーきっぷを使用すれば、鉄道もバスも乗り降り自由。状況や気分で選べるし、小銭の準備もいらないので使うべきです。(三重交通バス単独のフリーきっぷもあるが、名古屋などから往復するのなら、近鉄のフリーきっぷのほうが割安)
宿を後に、鳥羽から近鉄の普通電車で伊勢市へ。
バスで内宮へ向かうには、宇治山田駅で降りても伊勢市駅で降りても違わない。
宇治山田駅のほうがコインロッカーが多そうだし、路線バスも先に通るので座れるのではないかと踏んで、宇治山田駅で下車。時刻は10時前。
ここで、宇治山田駅の駅舎について。
前回も触れたように、「宇治山田」とは外宮と内宮の所在地のかつての町名(および合併直後の市名)にちなむものであり、京都の宇治とは関係ない。
1931(昭和6)年の開業時からの、鉄筋コンクリート3階建て、幅120メートルの堂々たる駅舎。登録有形文化財。
もうちょっと離れて撮影するべきでした…
クリーム色のテラコッタ・タイルが印象的で、細部の装飾が凝っている。
前回の伊勢市駅に続き、ここにも関西式門松
伊勢市駅JR側よりも立派な門松が置かれていたが、タクシー乗り場に面しており、正面からは見られなかった。
正面の避雷針も凝っている。後方の「近鉄」の塔屋(元は火の見櫓として使われたらしい)にも避雷針
1階には、コンコースや土産物・飲食店やファミリーマートなどからなるちょっとしたショッピングゾーンがある。
モダンレトロな広いコンコース。駅窓口はこの右側(駅に入って正面)
広いコンコースは修学旅行などの団体客の利用を想定しているのかもしれない。
貴賓室があり、皇族や要人が伊勢に来る時は、伊勢市でなく宇治山田駅を利用するそうだ。
あとは、建物の大きさのわりには客が立ち入れるスペースは少ない。待合室とかベンチの類も、多くなかった気がする。
ホームは高架で、上の写真正面奥の階段を上がると改札口。(その階段の裏が店舗)
改札内から改札口。奥の階段を降りるとコンコース
通常使う改札口は1か所だけ。天井は低く、外観とは違った印象を受ける。
宇治山田駅を出てすぐにあるバス乗り場に行くと、ちょうどバスが入って10人ほどが乗り込むところ。
「庁舎前」経由内宮前行きの定期便で、大型ノンステップのいすゞエルガ。
案内員が「内宮行きはこちらです。間もなく発車しますので、整理券を取ってご乗車ください」などと案内している。
どうも、発車まで時間がある時は、乗り場の案内員に対して運賃を支払う(=乗車券を買う?)ようで、発車間際は一般的な整理券方式の車内精算になるようだ。
そのバスの全員が車内精算済みの直行便なら、到着時は中ドアからも下車させるようだ。(詳細不明)
反対に、バス1台の乗客全員まるまる乗り場で精算できないこともあり、案内員が運転士に「皆さん精算がまだですので(車内精算を)よろしくお願いします」と伝達する場合もあった。
次の伊勢市駅前でもぞろぞろ乗ってきて、さらに次の外宮前で数人乗車。通路に人がちらほら立つ状態になって内宮へ向かう。
一般路線バスなので、途中で地元の人が2人くらい下車。
片側2車線の県道32号線を快調に進み、国道23号線に曲がってあっと言う間に内宮到着。宇治山田駅から15分ほど。
内宮前バス乗り場
内宮前のバス乗り場はバスの待機場を兼ねていて、常に2~3台が停まっていた。
内宮に来ていた三重交通の路線バスは、いすゞエルガのノンステップばかり。四日市などでは見かけた同型・異メーカーである日野ブルーリボン2さえ見かけなかった。(1台だけ臨時便で三菱エアロスターが来ていた)
輸送力からすれば大型車が必要だし、ドル箱路線だから新車を積極的に入れるのは分かるが、いすゞばかりなのは、三重いすゞが三重交通の系列ということもあるだろうし、ひょっとしたらいすゞ自動車の社名の由来である、内宮前を流れる五十鈴川へ敬意を表してだろうか。
自動放送の車内アナウンスは、かつての秋田市営バスのテープ式放送と同じ人、アイドリングストップ時の音楽は
※三重交通についての以前の記事
※三重交通のバスについては、後日別記事にて
「お伊勢参りは外宮から内宮へ」
参拝のならわしを記したラッピングバスがあった。
車体に広告主名は表記されていないが、伊勢商工会議所のホームページによれば、伊勢商工会議所と伊勢市が「外宮誘客事業」として2009年から2台に広告しているそうだ。
伊勢市街地である外宮への観光客誘導が目的なのか。でも、「外宮から内宮へ」だと外宮に先に来てもらわないといけないから、内宮行きのバスにラッピングしてもあまり意味がないような気がしなくもない。むしろ、三重交通さんのいい宣伝になっていそう。
三重交通独特の後部屋根上の広告パネル(上記以前の記事参照)は、この車では枠が撤去されて、棒状の台座だけが残っている。
バス停の先で、
国道23号線の終点
愛知県豊橋市から続く、177.0キロの国道23号線がここで終わっていた。
交差点ではなく、神社の前で国道が終わるというのが、伊勢神宮が重要な場所であることを物語っている。外宮のそばには三重県道が何本もあったのと同じように。
国道が終わった先は、内宮の駐車場への通路かのように見えるがそうではなく、県道12号として五十鈴川沿いに奥まで続き、かなり狭い山間の道になっている。
バス停を降りて左側が、参拝客目当ての店が軒を連ね、一大観光ゾーンとなった「おはらい町」(これも一部は県道)。
そしてほぼ正面が、
伊勢神宮内宮
五十鈴川に架かる「宇治橋」を渡って伊勢神宮内宮へ進む
ならわし通りに外宮を参拝してきたのかは知らないけれど、観光バスがたくさん出入りしている。昨日夕方の外宮よりは、人出が多いようだ。内陸のためか鳥羽よりは風が強くなく、気にならない程度。
続きます。