広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

内濠ウォーク

2015-05-15 00:03:39 | 津軽のいろいろ
4月末の弘前さくらまつりの続き。弘前公園(弘前城)で10年がかりの石垣改修工事が行われるため、昨秋に内濠が埋め立てられ、夏からは天守の移動が始まる。※昨年秋の記事
二の丸から下乗橋と天守。内濠のこの部分は埋めておらず、花筏
4月23日から5月6日まで実施された、埋めた内濠を開放して天守の下まで行くことができるイベントが「内濠ウォーク」。ソメイヨシノが早く咲いてしまった今年の弘前さくらまつりでは、メインイベントだったかもしれない。
7時から21時までと本丸の有料時間帯と同じではあるが、出入口は無料の二の丸側なので、これも無料。
夜はライトアップや照明が点灯したそうだが、昼間は光線の関係上、順光となる午前中から午後早くのほうがベスト。

園内には案内は出ていたものの、全員が見るはずはなく「(内濠ウォークは)有料なんでしょ」と勘違いして話している人たちもいた。
出入口は「与力番所向かい」となっていて、ちょっとイメージしづらい。
下乗橋側から行くと、東内門や最古のソメイヨシノがある辺りの少し先の右側が与力番所。花見中にお茶の提供が行われる休憩所となる建物(1970年代に復元)。
出入口「弘前城内濠一般開放」と表記
松と桜の間に、工事現場の出入口によくある扉付きゲートがあり、そこ1か所が出入口。
ストリートビューより工事前の同じ場所
出入口はけっこう広かった(工事車両が出入りするだろうし)が、桜を伐ったり移したりはしていないようだ。
右側通行で出入りが分離され、市役所職員や警備員が配置されているが、手続き等は不要。
片道200メートルほど(うち石垣と並行が100メートル)で、天守下で折り返して同じルートを戻る。
入場制限する場合もあるとのことで、この時もひっきりなしに人が出入りしていたものの滞るほどではなく、待たずに出入りできた。


入るとすぐ緩い下り坂でお濠だった位置に到達。左に曲がって天守の真下へ向かう。
ここ以外は段差も高低差もなく、車椅子の人も天守の下まで行くことができていた。
左が二の丸の土手・右上が本丸
仕切りロープはなくなるが引き続き右側通行で、工事現場の歩行者用ゴムマットが敷いてある。マットの外も土で固められており、石は少なく、濡れていない時なら歩いても支障はない。
撮影のために立ち止まったり、コースを逸脱して少々左側へ行ったりしても、とがめられることはなかった。
有料区画・北の郭から撮影。左手前が出入口
本丸とつながる「北の郭」は、内濠とほぼ同じ高さの視点。


埋められたのは内濠全部ではなく、石垣の反対の二の丸の土手側。石垣から10メートルほどは埋められずに水が入っていた。【15日追記】石垣側は足場が組まれるのでそのスペースか。工事中はここも水を抜き、さくらまつりのために水を入れたのかもしれない。
したがって、内濠ウォークでも石垣ギリギリに近づいたり触れたりはできない。
思ったよりは石垣に近づけないし、イメージしていた(=上から見ていた)よりも“浅く”感じた。いずれにしても、普段は絶対に経験できない眺め。

地盤がしっかりしているためか、いつもこの状態であると誤解している人がいたが、いっしょにいた人がとくとくと石垣修理について説明していた。
旅行客も地元の人もどちらもいたが、みなさん工事の概要を的確に把握しておられたようだ。
中には、歩くのが疲れたのか「ずっと同じ(風景)だし」と、天守の下まで行かずに途中で引き返していた人たちがいたけれど、それはもったいない。
目の前に石垣

 
今回の工事の原因である石垣が膨らんで“孕んだ”所も、間近で見られ、他のどこから見るよりもはっきり分かる。

いよいよ天守のそばへ

真下から

 石垣のエッジがカッコイイ(?)
貴重な眺め。歴史上、部外者は忍者ぐらいしか見ていなかったアングルではないだろうか。
かなり広角のレンズでないと天守全体の写真は撮りづらいほど、近い。
ちょっと離れると収まるけど、地盤が写りこんでしまう
↑これを二の丸の土手の上から見ると↓
桜の枝が入る見慣れた眺め
デザイン的にも、真下よりは少し上から見たほうが美しいかも(見慣れているせい?)。

内濠は天守の下で、T形になり、直進して下乗橋の下と90度曲がってすぐ突き当たるほうに分かれる。
下乗橋側は冒頭の写真の通り埋められず、曲がったほうは埋め立てられて、そこが内濠ウォークの折り返し点。
下乗橋は上も下も人



二の丸から。右が出入口で、左奥が折り返し点

折り返し点から。左手前が本丸にある枝垂れ「御滝桜」
ここから見る天守はいい感じ。花が咲いていればさぞ美しいだろう。
奥まで来る人は少なく、来た人はちょっと一息

もみじと天守

桜が咲いていれば絶景だったはずだけど、そうでなくてもとても貴重な体験ができた。
そして、ここに天守があるのを再び見られるのはあとわずか。次は5年以上(?)先になるであろう。




※以下、爬虫類が苦手な方はご注意ください
内濠に入ってすぐのところで、足を止めてじっと石垣を見入る人たちがいた。混ぜてもらうと、
矢印のところに…
※この辺は修理箇所と石の積み方・組み方が違う。ここの石垣は、慶長、元禄、さらに明治と3期に分けて積まれたそうで、その時々で違ってしまったようだ。

石垣の間を、
にょろにょろと

アオダイショウ!
蛇年でヘビに嫌悪感を抱かない者としては、うれしい遭遇。
ゆっくりと石垣表面を移動していた。

僕はアオダイショウは秋田市大森山動物園で飼育されている個体しか見たことがないはず。野生はシマヘビしか見たことがなかった。
初めて見た野生のアオダイショウは、思っていたより青く、長い。
石垣にヘビっていそう(暖かくて過ごしやすそう)だし、アオダイショウは水も得意だそうで、いいすみかなんだろうけど、これから10年間はどうなるかな?

秋田の久保田城址・千秋公園は、自然の丘を利用したので、今でも植物や鳥類は多くの種が見られ、リスやカモシカもいる。でも、ヘビは見たことがなかった。石垣がない城だからか、いるけど見たことがないだけか。
一方、弘前城はほぼ平地なので、千秋公園ほど動植物は多くないイメージがあった。まさかヘビがいるとは思わなかった。
※城の分類としては、どちらも「平山城」とのこと。


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コメント (2)
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