今日の秋田市役所前
若草色の秋田市旗とともに、見慣れぬ白い旗がはためく。
これは山口市の旗。中国地方の山口県山口市の。
白地に赤の意味は分からないけれど「山」と「口」を合わせた意匠のようだ。
海外から要人が来たりイベントがある場合、その国旗を掲揚することはまれにあったが、他の市の旗が揚がるのは初めてかもしれない。
こうなったのは、「チャレンジデー」で秋田市が山口市に負けたから。(負けなくてもこうなったかもしれない。後述)
各自治体や報道では、「チャレンジデー」と称することが多いが、正式には「国際チャレンジデー」という世界的イベントらしい。
カナダ発祥で、日本では「笹川(ささかわ)スポーツ財団」が主催する。
※秋田市では「はずむスポーツチャレンジデー」と称した模様。上の写真で庁舎玄関左に看板が出ている。
市町村単位で参加し、5月の最終水曜日(今年は27日)の0時から21時までの間に、15分以上継続して運動・スポーツした人の割合(参加率)を競うもの。人口規模が同じ市町村どうしが対戦する形式。
秋田県では、何年か前から参加する自治体が増え、この日にスポーツイベントが開かれたことが報道されていたので知っていた。
今年は、全国130市町村が参加。秋田県からは大潟村と秋田市が初参加し、県内全25市町村が揃うことになった。(県内全市町村の参加は、全国唯一のはず)
対戦基準の人口区分は6段階。人口31万8千の秋田市は、25万人以上の「カテゴリー6」だが、他に同カテゴリーの参加市町村がなく、カテゴリー5でいちばん人口が多い山口市(19万4千)が相手になったようだ。
結果としては、県内では勝った自治体が多い【29日追記・20勝5敗】中、秋田市は負けた。
参加率は全自治体平均52.7%、山口市が50.3%、秋田市が21.7%。【29日追記・秋田市では40%を目標にしていたとのこと】
秋田市は全国的にも下から数えたほうが早い参加率。
まあ、勝った負けたじゃないし、勝ったからといって特別いいことがあるわけでもなさそう。だから細かいことに目くじらを立てるべきではないのだろうけど、相変わらずいろいろ気になってしまったので、以下に記します。
秋田市でのチャレンジデーそのものの認知はともかく、知っていてもルールや参加手順について充分な周知がされていただろうか。市の告知はもちろん、主催者のホームページを見ても、あいまいに解釈できる部分もあったと思う。
・「運動・スポーツ」の定義
スポーツイベントに参加しなくても、個人的な運動でも認められる。
通勤や買い物などで歩いたり自転車に乗ることでも、15分以上なら認められる。
いくら車社会秋田だと言っても、歩いた人を含めれば2割程度ではなさそう。もっと周知すれば割合は上がったかも。
・報告期限
集計は自己申告(団体はまとめて)に基づいて、各自治体が行う。
秋田市の参加報告は、電話、FAX、電子メール。メールアドレスからすれば、新屋のコールセンターに委託したようだ。
その報告期限は、秋田市ホームページに「5月27日(水) 受付時間:午前9時00分から午後9時00分」とある。
ずいぶん早い締め切りだが、当日中(23時)に主催者のホームページに結果が掲載されたから、早く集計する必要があるようだ。
ということは、21時ギリギリあるいは21時を越えて運動していた人が、一息ついてから「報告しよう」と思ったら、間に合わないことになる。
ところで、主催者ホームページの自治体担当者向けの「実施の手引き」には「住民からの参加報告の締切りは、午後9 時30 分までとします。これ以降の参加報告は無効となることを、あらかじめ住民や関係者、実行委員等にご周知願います。」とあった。
秋田市側での集計に30分要するのは分かるけど、秋田市では「これ以降の参加報告は無効となること」はまったく周知していなかったのではないだろうか。
【29日追記】29日付秋田魁新報社会面で、秋田市スポーツ振興課が「運動してもどう報告していいか分からなかった市民もいたようで、PR不足は否めない。」と話している。
どっちにしても30分しか猶予がないのは厳しい。世界的な統一ルールなのかもしれないけれど、報告期限はカウント時間帯の数時間後にするべきではないだろうか。発表は翌日でいいじゃない。選挙じゃないんだから(選挙だって翌日でいいと思う)。
・100%超?
全国の結果を見ていたら、青森県新郷村の参加率は117%(※公式資料でなぜか小数点以下の記載なし)、岡山県新庄村は103.4%。
100%超、人口以上の人が運動したって、どういうこと?
※新庄村は秋田県上小阿仁村と対戦。上小阿仁村は64.0%と善戦したが、これでは勝ち目がない。
「自治体外からやって来て、(スポーツイベントに参加して)自治体内で運動した人」をもカウントしているのだ。
主催者のホームページや各自治体の告知では「運動やスポーツをした“住民”の参加率を~」としているのがほとんど。
その日だけよそから来た人は「住民」じゃないのでは?
ここでまた「実施の手引き」を見る。
「当日、チャレンジデー実施自治体内にいる人であれば、誰でも参加可能です。」「住民以外の通勤・通学者、観光客等も参加対象となります。」「人口が少ない自治体などでは結果として参加率が100%を超える場合もあります。」
とある。
ルールとして、よそから来た人が参加してもいいのは分かったが、だったら「住民」という表現は適切ではない。「その市町村の中で運動した人」とするのが妥当ではないだろうか。
でもなんか腑に落ちない。人口に対する割合を基準にしているのに、そのベース(人口)以外から流入してくる人をカウントしてしまっては、なんかフェアじゃないような気がしてしまう。テストで「3教科の平均点」を求めるのに、5教科の合計を3で割っているようなもんじゃないの?
主催者が決めたルールが絶対なんでしょうけど。
・必勝法?!
勝てるかもしれない方法を思いついた。
年齢制限はないそうだから、幼稚園・保育所から高校まで、体育や部活で運動した園児児童生徒の数をカウントすれば、一気に増えるんじゃない?
ところが、これも「実施の手引き」。
「体育の授業や運動会の練習、部活動は対象となりません。」そうだ。
理由は、「参加者がチャレンジデーに参加したという意識が必要。」だから。
でも、「但し、休み時間などで、チャレンジデー用のプログラムを実施する場合は対象となります。」そう。
うーん。
部活動というのは、基本的に希望者が任意で加入して活動するわけだから、カウントしてもいいのでは?
むしろ、「休み時間などで~」というほうが、児童生徒は実質的に全員強制参加になってしまうことが多いのではないだろうか。
それに通勤や買い物で歩くのは対象だけど、それだって、歩きたくないけど必要に迫られて歩いていると言えなくもない。
主催者が決めたルールが絶対なんでしょうけど。
ただし、秋田市のパンフレットには「自宅や地域、職場、学校などで」とあり、これでは体育や部活動も含まれてしまうように受け取れる。
報告した段階ではじかれてしまうのだろうが、ちゃんと書いてくれれば、やりたい人は別に運動するし、そうじゃない人も無駄な報告をしないで済むのに。
・旗
そして、冒頭の旗。
チャレンジデーについてある程度知っている人は知っていると思うが、秋田市や秋田のマスコミは、負けた場合にどうするかをあまり触れていない。
負けたほうの自治体は、その庁舎に勝った相手の自治体の旗を、1週間掲揚しなければならない決まり。
だから、秋田市役所に山口市の旗が揚がっていたのだ。
これも「実施の手引き」では、
「対戦に敗れた自治体は相手の健闘を称え、翌日から1 週間、庁舎のメインポールに対戦相手の自治体旗を掲揚していただきます。」
「掲揚の方法は特にルールはありません。(略・対戦相手と)掲揚方法を事前に相談などしてください。」
「最近は勝敗に関係なく、お互いの健闘を称え、両自治体の旗を掲揚することが一般的になっています(推奨)」
となっている。
掲揚方法については、相手の旗と自分の旗を、1本の同じポールに上下並べて掲揚するところもあるようだ。
「推奨」されているように、もしかしたら山口市役所にも、秋田市旗がはためいているのかもしれない。
でも、知らない人が見たら、もう1つ揚がっているのはどこの旗なんだと、不思議に思われてしまいそう。
秋田市では、週末に東北六魂祭が行われ、秋田市役所前がパレード会場、しかも有料観覧席が設置されるので、山口市旗が多くの人の目に触れ、そのうち一部の人が悩むことだろう。
【2023年5月30日追記・その後のチャレンジデーについて】
秋田市は2021年を最後に参加しなくなり、秋田県内の他の自治体でも参加しないところが出ていた。
そして、2023年5月31日の開催をもって、チャレンジデー自体が終了することになった。主催者は「国内の社会環境は急激に変化しており、少子高齢化、人々の価値観の多様化や社会課題の複雑化などの影響を受けて、全国一斉開催による現在の形態では、運動・スポーツ習慣者を増やすという目的の達成に限界を感じるようになりました。」としている。1993年から開催されていた(2020年は新型コロナウイルス感染症により中止)。
以上、チャレンジデーについていろいろ書いてしまったけれど、いちばん言いたいことはここから。
チャレンジデーの主催者「公益財団法人笹川スポーツ財団」のこと。
現在の理事長は元参議院議員の小野清子氏で、昨日は秋田市にも来てラジオ体操に参加したらしい。【29日追記・小野氏は秋田で育った(生まれは宮城)体操選手。秋田の全市町村が参加したのは、このことにも起因しそう。秋田県体育協会も関わっている】【2018年10月14日追記・余談だが小野清子氏は、NHK「おはようジャーナル」内のコーナー「さわやかシェイプアップ(1985~1995年)」の講師を務めたこともあったそうだ。】
設立者は財団名でもある笹川さん。「笹川」と言えば、30歳代以上の人はピンと来るかもしれない。
「火の用心」の白髪のおじいさんである。
1995年に96歳で亡くなった、笹川良一氏のこと。※以下、Wikipediaを参考にしました。
と言っても、「火の用心」と「笹川スポーツ財団」は直接の関係はなく、「財団法人日本船舶振興会(現・公益財団法人日本財団)」が関わる。
1962年に笹川良一氏が競艇の収益金を海洋や福祉の振興に充てる目的で日本船舶振興会を設立。英名は「SASAGAWA Foundation」。
後にいくつかの別財団を設立し、その1つの笹川スポーツ財団は1990年。
笹川良一氏の死後、日本財団に改称。現在の会長は良一氏の子息。
で、日本船舶振興会当時に流れていたテレビCMが懐かしいのである。
テレビCMを多く流していて「ダメ。ゼッタイ。」などもそのようだが、笹川良一氏の生前は、ご本人が出演するCMがあった。
ご本人登場でも何バージョンもあったようだが、僕は「火の用心編」しか知らない。(全国的には)1976年から1994年まで放映されたそう。(同内容で日本船舶振興会ではなく「日本防火協会」名義もしくは両者連名での放映もあった)
昭和末期の秋田では、平日の15時50分頃に流れていた。
たしか、秋田放送だったから、ワイドショーの終わり際から「世界の車窓から」の前くらいだろうか。
CMの内容は、火の用心をメインに、一日一善と曜日ごとの異なる教訓めいたことを伝えるもの。
映像もそれに合わせたもので、笹川氏のほか、芸達者な2頭のチンパンジー、子どもたちと火の用心(=「夜回り」だけど時間は昼)をしながら太鼓を叩く力士と、まといを派手に振る男。
力士は高見山大五郎(収録当時は現役)、男は作曲家の故・山本直純。
当時の僕は高見山は知らなかったが、山本直純氏は教育テレビに出ていたから分かっていたかもしれない。(笹川氏も火の用心のおじいさんとしてしか知らなかった)
流れる歌の歌詞は、内容に連動して曜日で違った。
「♪戸締まり用心 火の用心 戸締まり用心 火の用心」は共通で、7音-5音で教訓めいたこと、次に8音で曜日の語呂合わせ、最後に「○曜日」(火曜と土曜は「○曜日だ」)。
「♪水はいのちのお母さん すいすい すいすい 水曜日」といったように。
最後に、子どもたちと記念撮影風に整列した笹川氏が「水を大切にしよう!(フレーズは曜日で異なる。やや関西なまり)」「一日一善!」と呼びかけ、「モーターボートの収益金は、防犯防火のために役立っています」という中村正氏のナレーションと拍子木の音で終わる。
思い出深いのは、おじいさんの存在と、歌である。
当時から学校で歌う子がいたし、僕は今でも「火の用心」と聞けば頭に浮かぶ。
歌は武本宏一作詞、山本直純作曲の「火の用心のうた」。歌詞は日曜から土曜まで7番。
僕は子どもの頃から、月曜から金曜まで5バージョンあることは知っていた。
火曜と水曜は正確に、月曜はなんとなく覚えていたが、木曜、金曜はほとんど記憶になかった。学校が終わるのが遅くて見る機会が少なかったからだろうか?
日曜と土曜もCMとしては存在した(もちろん歌詞も)そうだが、見た記憶はなく、歌詞はまったく知らなかった。秋田では流れなかったのか、流れたけれど見ることがなかったのか。
テレビでは流れなくなった後も、各地の火災予防パレードでは流れることがある。
今年3月5日に、NHKの東北エリアニュースで偶然聞いて、懐かしかったのでメモしておいた。
盛岡放送局の「花巻 園児が防火パレード」。
火災予防運動に合わせて、「花巻市石鳥谷町で行われたパレードには石鳥谷保育園の園児や地元の消防団員などおよそ60人が参加しました。「火の用心」と書かれたおそろいのはっぴを着た園児たちは、JR石鳥谷駅前を出発し、商店街をパレードしました。園児たちは拍子木を鳴らしながら、「火の用心」と大きな声を出し」ていた映像の背後に、その歌が流れていた。
【追記】2020年11月9日には、NHK仙台放送局の「火災予防運動で園児が防火学ぶ」で、また幼稚園児がこの歌を歌っていた。秋の火災予防運動に合わせて「地元の柴田消防署が、子どもたちに防火や防災の正しい知識を学んでもらおうと」園庭に園児が整列して開催された催し。「保護者たちの前で「火の用心の歌」を元気に歌ったりして」として、ピアノ伴奏で歌っていた。
2023年10月18日には、青森県五所川原市のエルムの街ショッピングセンター内で、幼年消防クラブに所属する園児らが防火パレードを行ったことが報道された。
NHKの映像によれば、アカペラで、この歌を歌いながら、拍子木やカスタネットを打ち鳴らして歩いていた。
若草色の秋田市旗とともに、見慣れぬ白い旗がはためく。
これは山口市の旗。中国地方の山口県山口市の。
白地に赤の意味は分からないけれど「山」と「口」を合わせた意匠のようだ。
海外から要人が来たりイベントがある場合、その国旗を掲揚することはまれにあったが、他の市の旗が揚がるのは初めてかもしれない。
こうなったのは、「チャレンジデー」で秋田市が山口市に負けたから。(負けなくてもこうなったかもしれない。後述)
各自治体や報道では、「チャレンジデー」と称することが多いが、正式には「国際チャレンジデー」という世界的イベントらしい。
カナダ発祥で、日本では「笹川(ささかわ)スポーツ財団」が主催する。
※秋田市では「はずむスポーツチャレンジデー」と称した模様。上の写真で庁舎玄関左に看板が出ている。
市町村単位で参加し、5月の最終水曜日(今年は27日)の0時から21時までの間に、15分以上継続して運動・スポーツした人の割合(参加率)を競うもの。人口規模が同じ市町村どうしが対戦する形式。
秋田県では、何年か前から参加する自治体が増え、この日にスポーツイベントが開かれたことが報道されていたので知っていた。
今年は、全国130市町村が参加。秋田県からは大潟村と秋田市が初参加し、県内全25市町村が揃うことになった。(県内全市町村の参加は、全国唯一のはず)
対戦基準の人口区分は6段階。人口31万8千の秋田市は、25万人以上の「カテゴリー6」だが、他に同カテゴリーの参加市町村がなく、カテゴリー5でいちばん人口が多い山口市(19万4千)が相手になったようだ。
結果としては、県内では勝った自治体が多い【29日追記・20勝5敗】中、秋田市は負けた。
参加率は全自治体平均52.7%、山口市が50.3%、秋田市が21.7%。【29日追記・秋田市では40%を目標にしていたとのこと】
秋田市は全国的にも下から数えたほうが早い参加率。
まあ、勝った負けたじゃないし、勝ったからといって特別いいことがあるわけでもなさそう。だから細かいことに目くじらを立てるべきではないのだろうけど、相変わらずいろいろ気になってしまったので、以下に記します。
秋田市でのチャレンジデーそのものの認知はともかく、知っていてもルールや参加手順について充分な周知がされていただろうか。市の告知はもちろん、主催者のホームページを見ても、あいまいに解釈できる部分もあったと思う。
・「運動・スポーツ」の定義
スポーツイベントに参加しなくても、個人的な運動でも認められる。
通勤や買い物などで歩いたり自転車に乗ることでも、15分以上なら認められる。
いくら車社会秋田だと言っても、歩いた人を含めれば2割程度ではなさそう。もっと周知すれば割合は上がったかも。
・報告期限
集計は自己申告(団体はまとめて)に基づいて、各自治体が行う。
秋田市の参加報告は、電話、FAX、電子メール。メールアドレスからすれば、新屋のコールセンターに委託したようだ。
その報告期限は、秋田市ホームページに「5月27日(水) 受付時間:午前9時00分から午後9時00分」とある。
ずいぶん早い締め切りだが、当日中(23時)に主催者のホームページに結果が掲載されたから、早く集計する必要があるようだ。
ということは、21時ギリギリあるいは21時を越えて運動していた人が、一息ついてから「報告しよう」と思ったら、間に合わないことになる。
ところで、主催者ホームページの自治体担当者向けの「実施の手引き」には「住民からの参加報告の締切りは、午後9 時30 分までとします。これ以降の参加報告は無効となることを、あらかじめ住民や関係者、実行委員等にご周知願います。」とあった。
秋田市側での集計に30分要するのは分かるけど、秋田市では「これ以降の参加報告は無効となること」はまったく周知していなかったのではないだろうか。
【29日追記】29日付秋田魁新報社会面で、秋田市スポーツ振興課が「運動してもどう報告していいか分からなかった市民もいたようで、PR不足は否めない。」と話している。
どっちにしても30分しか猶予がないのは厳しい。世界的な統一ルールなのかもしれないけれど、報告期限はカウント時間帯の数時間後にするべきではないだろうか。発表は翌日でいいじゃない。選挙じゃないんだから(選挙だって翌日でいいと思う)。
・100%超?
全国の結果を見ていたら、青森県新郷村の参加率は117%(※公式資料でなぜか小数点以下の記載なし)、岡山県新庄村は103.4%。
100%超、人口以上の人が運動したって、どういうこと?
※新庄村は秋田県上小阿仁村と対戦。上小阿仁村は64.0%と善戦したが、これでは勝ち目がない。
「自治体外からやって来て、(スポーツイベントに参加して)自治体内で運動した人」をもカウントしているのだ。
主催者のホームページや各自治体の告知では「運動やスポーツをした“住民”の参加率を~」としているのがほとんど。
その日だけよそから来た人は「住民」じゃないのでは?
ここでまた「実施の手引き」を見る。
「当日、チャレンジデー実施自治体内にいる人であれば、誰でも参加可能です。」「住民以外の通勤・通学者、観光客等も参加対象となります。」「人口が少ない自治体などでは結果として参加率が100%を超える場合もあります。」
とある。
ルールとして、よそから来た人が参加してもいいのは分かったが、だったら「住民」という表現は適切ではない。「その市町村の中で運動した人」とするのが妥当ではないだろうか。
でもなんか腑に落ちない。人口に対する割合を基準にしているのに、そのベース(人口)以外から流入してくる人をカウントしてしまっては、なんかフェアじゃないような気がしてしまう。テストで「3教科の平均点」を求めるのに、5教科の合計を3で割っているようなもんじゃないの?
主催者が決めたルールが絶対なんでしょうけど。
・必勝法?!
勝てるかもしれない方法を思いついた。
年齢制限はないそうだから、幼稚園・保育所から高校まで、体育や部活で運動した園児児童生徒の数をカウントすれば、一気に増えるんじゃない?
ところが、これも「実施の手引き」。
「体育の授業や運動会の練習、部活動は対象となりません。」そうだ。
理由は、「参加者がチャレンジデーに参加したという意識が必要。」だから。
でも、「但し、休み時間などで、チャレンジデー用のプログラムを実施する場合は対象となります。」そう。
うーん。
部活動というのは、基本的に希望者が任意で加入して活動するわけだから、カウントしてもいいのでは?
むしろ、「休み時間などで~」というほうが、児童生徒は実質的に全員強制参加になってしまうことが多いのではないだろうか。
それに通勤や買い物で歩くのは対象だけど、それだって、歩きたくないけど必要に迫られて歩いていると言えなくもない。
主催者が決めたルールが絶対なんでしょうけど。
ただし、秋田市のパンフレットには「自宅や地域、職場、学校などで」とあり、これでは体育や部活動も含まれてしまうように受け取れる。
報告した段階ではじかれてしまうのだろうが、ちゃんと書いてくれれば、やりたい人は別に運動するし、そうじゃない人も無駄な報告をしないで済むのに。
・旗
そして、冒頭の旗。
チャレンジデーについてある程度知っている人は知っていると思うが、秋田市や秋田のマスコミは、負けた場合にどうするかをあまり触れていない。
負けたほうの自治体は、その庁舎に勝った相手の自治体の旗を、1週間掲揚しなければならない決まり。
だから、秋田市役所に山口市の旗が揚がっていたのだ。
これも「実施の手引き」では、
「対戦に敗れた自治体は相手の健闘を称え、翌日から1 週間、庁舎のメインポールに対戦相手の自治体旗を掲揚していただきます。」
「掲揚の方法は特にルールはありません。(略・対戦相手と)掲揚方法を事前に相談などしてください。」
「最近は勝敗に関係なく、お互いの健闘を称え、両自治体の旗を掲揚することが一般的になっています(推奨)」
となっている。
掲揚方法については、相手の旗と自分の旗を、1本の同じポールに上下並べて掲揚するところもあるようだ。
「推奨」されているように、もしかしたら山口市役所にも、秋田市旗がはためいているのかもしれない。
でも、知らない人が見たら、もう1つ揚がっているのはどこの旗なんだと、不思議に思われてしまいそう。
秋田市では、週末に東北六魂祭が行われ、秋田市役所前がパレード会場、しかも有料観覧席が設置されるので、山口市旗が多くの人の目に触れ、そのうち一部の人が悩むことだろう。
【2023年5月30日追記・その後のチャレンジデーについて】
秋田市は2021年を最後に参加しなくなり、秋田県内の他の自治体でも参加しないところが出ていた。
そして、2023年5月31日の開催をもって、チャレンジデー自体が終了することになった。主催者は「国内の社会環境は急激に変化しており、少子高齢化、人々の価値観の多様化や社会課題の複雑化などの影響を受けて、全国一斉開催による現在の形態では、運動・スポーツ習慣者を増やすという目的の達成に限界を感じるようになりました。」としている。1993年から開催されていた(2020年は新型コロナウイルス感染症により中止)。
以上、チャレンジデーについていろいろ書いてしまったけれど、いちばん言いたいことはここから。
チャレンジデーの主催者「公益財団法人笹川スポーツ財団」のこと。
現在の理事長は元参議院議員の小野清子氏で、昨日は秋田市にも来てラジオ体操に参加したらしい。【29日追記・小野氏は秋田で育った(生まれは宮城)体操選手。秋田の全市町村が参加したのは、このことにも起因しそう。秋田県体育協会も関わっている】【2018年10月14日追記・余談だが小野清子氏は、NHK「おはようジャーナル」内のコーナー「さわやかシェイプアップ(1985~1995年)」の講師を務めたこともあったそうだ。】
設立者は財団名でもある笹川さん。「笹川」と言えば、30歳代以上の人はピンと来るかもしれない。
「火の用心」の白髪のおじいさんである。
1995年に96歳で亡くなった、笹川良一氏のこと。※以下、Wikipediaを参考にしました。
と言っても、「火の用心」と「笹川スポーツ財団」は直接の関係はなく、「財団法人日本船舶振興会(現・公益財団法人日本財団)」が関わる。
1962年に笹川良一氏が競艇の収益金を海洋や福祉の振興に充てる目的で日本船舶振興会を設立。英名は「SASAGAWA Foundation」。
後にいくつかの別財団を設立し、その1つの笹川スポーツ財団は1990年。
笹川良一氏の死後、日本財団に改称。現在の会長は良一氏の子息。
で、日本船舶振興会当時に流れていたテレビCMが懐かしいのである。
テレビCMを多く流していて「ダメ。ゼッタイ。」などもそのようだが、笹川良一氏の生前は、ご本人が出演するCMがあった。
ご本人登場でも何バージョンもあったようだが、僕は「火の用心編」しか知らない。(全国的には)1976年から1994年まで放映されたそう。(同内容で日本船舶振興会ではなく「日本防火協会」名義もしくは両者連名での放映もあった)
昭和末期の秋田では、平日の15時50分頃に流れていた。
たしか、秋田放送だったから、ワイドショーの終わり際から「世界の車窓から」の前くらいだろうか。
CMの内容は、火の用心をメインに、一日一善と曜日ごとの異なる教訓めいたことを伝えるもの。
映像もそれに合わせたもので、笹川氏のほか、芸達者な2頭のチンパンジー、子どもたちと火の用心(=「夜回り」だけど時間は昼)をしながら太鼓を叩く力士と、まといを派手に振る男。
力士は高見山大五郎(収録当時は現役)、男は作曲家の故・山本直純。
当時の僕は高見山は知らなかったが、山本直純氏は教育テレビに出ていたから分かっていたかもしれない。(笹川氏も火の用心のおじいさんとしてしか知らなかった)
流れる歌の歌詞は、内容に連動して曜日で違った。
「♪戸締まり用心 火の用心 戸締まり用心 火の用心」は共通で、7音-5音で教訓めいたこと、次に8音で曜日の語呂合わせ、最後に「○曜日」(火曜と土曜は「○曜日だ」)。
「♪水はいのちのお母さん すいすい すいすい 水曜日」といったように。
最後に、子どもたちと記念撮影風に整列した笹川氏が「水を大切にしよう!(フレーズは曜日で異なる。やや関西なまり)」「一日一善!」と呼びかけ、「モーターボートの収益金は、防犯防火のために役立っています」という中村正氏のナレーションと拍子木の音で終わる。
思い出深いのは、おじいさんの存在と、歌である。
当時から学校で歌う子がいたし、僕は今でも「火の用心」と聞けば頭に浮かぶ。
歌は武本宏一作詞、山本直純作曲の「火の用心のうた」。歌詞は日曜から土曜まで7番。
僕は子どもの頃から、月曜から金曜まで5バージョンあることは知っていた。
火曜と水曜は正確に、月曜はなんとなく覚えていたが、木曜、金曜はほとんど記憶になかった。学校が終わるのが遅くて見る機会が少なかったからだろうか?
日曜と土曜もCMとしては存在した(もちろん歌詞も)そうだが、見た記憶はなく、歌詞はまったく知らなかった。秋田では流れなかったのか、流れたけれど見ることがなかったのか。
テレビでは流れなくなった後も、各地の火災予防パレードでは流れることがある。
今年3月5日に、NHKの東北エリアニュースで偶然聞いて、懐かしかったのでメモしておいた。
盛岡放送局の「花巻 園児が防火パレード」。
火災予防運動に合わせて、「花巻市石鳥谷町で行われたパレードには石鳥谷保育園の園児や地元の消防団員などおよそ60人が参加しました。「火の用心」と書かれたおそろいのはっぴを着た園児たちは、JR石鳥谷駅前を出発し、商店街をパレードしました。園児たちは拍子木を鳴らしながら、「火の用心」と大きな声を出し」ていた映像の背後に、その歌が流れていた。
【追記】2020年11月9日には、NHK仙台放送局の「火災予防運動で園児が防火学ぶ」で、また幼稚園児がこの歌を歌っていた。秋の火災予防運動に合わせて「地元の柴田消防署が、子どもたちに防火や防災の正しい知識を学んでもらおうと」園庭に園児が整列して開催された催し。「保護者たちの前で「火の用心の歌」を元気に歌ったりして」として、ピアノ伴奏で歌っていた。
2023年10月18日には、青森県五所川原市のエルムの街ショッピングセンター内で、幼年消防クラブに所属する園児らが防火パレードを行ったことが報道された。
NHKの映像によれば、アカペラで、この歌を歌いながら、拍子木やカスタネットを打ち鳴らして歩いていた。