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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

忘れられた? ガーデン

2015-10-24 20:15:22 | 秋田のいろいろ
セブン&アイグループのプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」。
その紙パックリンゴジュースの一部で、本来含まれない「乳」が混入していることが判明した。乳はアレルギー物質であることもあり、店頭から撤去され、販売済み商品7300本を自主回収している。

当該商品は、雪印メグミルク株式会社が、宮城県大崎市の「みちのくミルク株式会社」に委託製造したもの(セブンからすれば孫請け)。東北6県と茨城県で売られた。
秋田魁新報では23日の朝刊にお詫びと回収についての広告が掲載されたが、テレビ等も含めて報道されたのは23日の朝以降。
秋田魁新報23日付2面
広告は、雪印メグミルク株式会社と株式会社セブン&アイホールディングスの連名。販売者かつ製造委託した企業の“親玉”と、そこから製造を直接委託された企業ということになる。みちのくミルクは「製造元」として途中に記載。


セブンプレミアム商品に限らず、昨今のプライベートブランド商品は、コンビニから複数の店舗ブランドのスーパーまで、系列内のさまざまな店舗で発売される。
このリンゴジュースもそう。

新聞広告の「販売元」には「株式会社イトーヨーカ堂 株式会社ヨークベニマル 該当地区セブン-イレブン店舗」とある。
※「ヨークベニマル」は山形・宮城以南で展開する食品スーパー。

これでは、該当地域のイトーヨーカドーの全店舗が対象かと思ってしまうが、後述の通り、そうではない。
覚えのある人は、製造元や賞味期限から該当するかどうかを判断したり、不安だったら問い合わせてほしいということなんだろうけど、この告知の書き方は不親切。
毎日新聞やNHKでは、より具体的に販売店舗を絞り込んで伝えている。
23日深夜のNHK
NHKでは、「これらの商品は、▽青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城の7つの県の「セブンーイレブン」合わせて1800店、▽宮城、山形、福島、茨城の4県の「ヨークベニマル」のすべての店舗、177店、▽青森、宮城の「イトーヨーカ堂」の3店で販売されたということです。」
としている。
でも、この伝え方でも不十分。イトーヨーカドーは青森、宮城だけでも6店舗もあるのに、売られたのは半分だけ。店舗を絞り込めない。(残りの店では商品そのものが納品・販売されていないのか、製造日や工場が違う製品が売られているのか。)
イトーヨーカ堂のホームページの告知では3店舗名が示されており、イトーヨーカドー「弘前店、青森店、アリオ仙台泉店」とのこと。

セブン-イレブンは、9月末時点で7県に1784店あるので、全店舗で売られていたのだろう。実際には発注しなかった店もありそうだけど。



実は、これ以外にも当該商品が発売された店があるのです。
告知広告でも、マスコミへのリリースでも抜けているのは、忘れられてしまったのか…

それはイトーヨーカドー秋田店撤退後の食品売り場に入った、「ザ・ガーデン自由が丘西武 秋田店」。
実際に売り場には、23日の時点で「当売場で販売されていたので、回収します」というお詫びと告知が出ていた。(23日は撤去した跡の場所が空いていて、24日はその分を他の商品で埋めて掲示のみ設置)

ザ・ガーデン自由が丘西武 秋田店は、開店当初は「株式会社シェルガーデン」が運営していたが、後に西武秋田店を運営する「株式会社そごう・西武」に移管されて現在に至る。
したがって、告知広告には「株式会社そごう・西武」も併記するべきではないだろうか。

ザ・ガーデン秋田店では、上記のような経緯からホームページはあってないようなものだし、西武百貨店のホームページにも今のところ告知は出ていない。
店頭で掲示しているとはいえ、これでは店頭だけで告知している形。周知不足かもしれない。

24日付秋田魁新報社会面では、横長の署名でない記事で報道されたが、ヨーカドーやヨークベニマルのことは触れず、セブン-イレブンだけを挙げている。秋田県向けだからそれでいいという魁の判断なんだろうが、やっぱりザ・ガーデンを忘れている。地元紙なら「ガーデンはいいのか?」と疑って問い合わせたりしてもいいのに。

ザ・ガーデンの店舗ブランドも、西武百貨店(の大型店)も、東北地方では秋田が唯一だから、そこまで考えが及ばず、うっかり抜けてしまったのだろうか。
あと、茨城のつくばにもザ・ガーデン(シェルガーデン直営で西武のテナント)があるそうだけど、そちらは大丈夫でしょうか。




以前から何度か言っているように、他のPBとセブンプレミアムの大きな違いは、製造した企業名を具体的に明示していること。
2013年のアクリフーズ従業員による冷凍食品への農薬混入事件の際、PB製品の対応が後手に回ったこともあり、セブン側も我々多くの消費者側も、製造者を示すのは良いことだと認識していた。

ただ、セブンプレミアムでは、商品に関する問い合わせ先も、それぞれの製造企業が表示されている。
本件でも、電話での問い合わせ先は雪印メグミルク。

各店舗でも対応してくれるわけではあるが、こうしたやり方では、商品を企画・発注しブランド名であるセブン&アイ(の本社とかPB担当部門)が関わる余地が少ないようにも感じる。本件は製造者の落ち度ではあるが、セブン&アイにも監督責任はある。
「問題が発生した時の対応をも、製造者に丸投げしている」と思うのは行き過ぎかもしれないけれど、被害というか影響を受けた消費者ならば、「こんな間違いをする製造企業になんか心配で任せられない。セブン&アイにしっかり対応してほしい」ということもあるだろう。

また、雪印メグミルクのホームページにも告知は掲載されているが、具体的な販売店舗名は出ておらず(「セブンプレミアム」の名称と7県名は掲載)、分かりにくい。どことなく「他人事」としているような気がしてしまわなくもない。

だったら、イオンのトップバリュのように、最初から問い合わせ先を自社とし、販売者として消費者対応に責任を持つというのも、一理あるかもしれない。(イオンではアクリフーズ事件後、そんなことを宣伝していた)


ともかく、購入店舗に関わらず、セブンプレミアムのリンゴジュースを買った方は、いま一度ご確認を。
コメント
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