広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

押ボタン式歩車分離

2016-02-15 20:24:46 | 秋田のいろいろ
過去に何度か取り上げている「歩車分離式信号」。
車両用と歩行者用の青信号のタイミングを分離し、歩行者用信号機が青の間は、すべての車両用信号機が赤になるもの。理論的には、車両と歩行者が関わる交通事故は絶対に発生しない。
実際には、従来方式の信号機と勘違いし、違う青信号を誤認して事故になる可能性があるし、信号待ち時間が長くなるといった問題もある。
警察庁では、各都道府県警察に対し、いわば“ノルマ”を課して歩車分離式交差点の増加を推進している。※過去の記事

歩車分離式にはいくつかの方式がある。
ちょっと変わったものとして、通学路の交差点で登校時間だけといった、時間帯を限定して歩車分離式になるものもあり、秋田市内にも設置されている。
(再掲)「歩車分離時間別運用」というピンと来ない表示


このほど、別の変わったタイプの歩車分離式信号が、秋田市内に誕生する。
もしかしたら、既に秋田県内のどこかで少数稼働しているかもしれないが、僕は知らない。多くの人も、接したことがない方式だと思う。注意喚起をこめて、取り上げます。

秋田駅東口から東へ1キロ弱、東通にある市立東小学校(関連記事)の南東角。東児童センターの前の十字路交差点。

あまり広くはない歩道付き片側1車線の道路が交わる。かつてはここ(小学校南側の東西の道)を路線バスも走っていた。
※市営バス時代の「東小学校経由東営業所線」で、1998年7月の日赤病院移転時の路線再編で廃止された。(駅西口方面)-長沼東町-手形中谷地-東小学校前-駅東団地-城東中学校前-東営業所という経路。長沼東町と駅東団地は、別路線のバス停として現存する。現在の住所としての手形字中谷地はもっと北側だが、1995年までは現在の東通一・六丁目の一部も中谷地だった。

狭いながら交通量はそれなりにあり、かつ住宅街で小学校の前(さらに城東中学校の近く)ということもあり、省略せずに(車両用と兼用でなく)、4方向に8台の歩行者用信号機がフル装備で設置されている。
歩車分離式ではなく、車両用・歩行者用とも、東西・南北の順で青になるのを繰り返す、ごく普通の交差点であった。

先週末の段階では、歩車分離化に向けた準備が終わったものの、まだ普通の交差点として稼働していた。
車両用・歩行者用とも、既存信号機に新たな表示板が設置されて、それが隠されている
信号機は、車両用がLED式、歩行者用が末期の電球式。歩車分離化後もそのまま使われるようだ。
また、上の写真の車両用信号機の上のアーム付近の柱にある配線が出ている箱(端子箱)は、新旧が共存しているようだ。

そして、
歩行者用信号機の下に箱が!
まだダンボールとビニールで覆われているが、小さな箱が新設。その上に「歩行者用押ボタン」との表示板ある。(厳密にはその表示板も隠さないといけません)
おそらく、タッチ式白色LED表示の箱のはず。※したがって、以下、「押す」ではなく「触れる」が正確な表記です。

信号機の隠された表示板は、
「押ボタン式歩車分離信号」

「押ボタン式歩車分離」という方式になるのです。
横断歩行者がボタンを押さない限り、歩行者用信号はずっと赤。その間、車両用信号は従来と同じく、東西・南北の青と赤を繰り返す。
歩行者用が来てボタンを押すと、すべての車両用が赤になり、全方向の歩行者用が青になる。というもの。

ここの場合、歩行者がボタンを押したタイミングに関わらず、南北方向の車両用が青になった次に、歩行者用が青になるように設定されているはず。
つまり、青信号は 車両東西方向→車両南北方向→(ボタン押されていなければ車両東西)or(押されていれば歩行者) という流れ。

歩車分離式の安全性を確保しながら、必要なときだけ歩行者用が青になるので、車両にとっては歩行者用がいないタイミングでの無駄な信号待ちをしなくて済む。
歩行者にとっては、ボタンを押す手間が増えただけで、従来の歩車分離式とメリットは変わらないかな?

狭い道でひょいと横断できてしまうから、押さずに渡ってしまう人がいそうだし、従来同様、歩行者・車両とも信号機を誤認する可能性はある。
何よりも、1度押せばどの方向にも横断できる押しボタン式なんて、知らない人がほとんどだろうから、戸惑いはまだしも勘違いや思い込みで交通事故になってしまわないか心配。
表示板の表示は漢字が多いもので、低学年の児童は分からないだろう。学校を通しての周知はしているだろうか。

駅の西側の秋田中央警察署管内では、既存交差点を歩車分離式に変更する時は、事前に大きな看板を立ててその旨を告知している。
こっちは秋田東警察署管轄だが、11日の段階ではそのようなものはなかった。
状況からするに、すぐにでも歩車分離式に切り替えできそうな雰囲気だったが、いつからやるのでしょう。
現地を通る皆さんは充分に注意し、警察は充分に周知してほしい。


ところで、ここは歩行者用信号機が8台ある。よくあるように、1本の柱に2台をまとめて設置しているものも2本ある。
そのうち1つでは、
押しボタンも2台仲良く並ぶ
どのボタンを押しても全部青になるんだから、こういう場合は1台にまとめてもいいんじゃなかろうか。わずかに無駄な気がしてしまう。
かえってどっちを押せばいいか迷う人が出そう。
【2020年2月19日追記】その後、2019年秋頃には、この交差点が斜め横断もできるスクランブル交差点になった(関連記事)。「押しボタン」かつ「スクランブル」というのは、秋田県内初かもしれない。

その後の他の交差点への導入状況
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする