郵便ポストについての続き。
前回は、秋田市中央部では最も多い「13号」ポストの投函口の庇(ひさし)には、口ごとに分割されたタイプと2口分が一体化したタイプがあること、一体化タイプのほうが新しく、20年ほど前の初期の分割庇の13号ポストが、新しい一体庇の13号に更新され始めていることを紹介した。
その後、改めて見てみると、古い13号もまだ多いが、その更新も着実に進んでいる。
2009年に13号の中古品が設置された箇所も、一体庇に変わっていた。
今回は、13号以外のポストについて。
現行のいちばん大きいポストは「12号」。秋田市では、秋田中央郵便局前(南側)、秋田駅西口(交番前)、県庁前など限られた場所にしかない。
(再掲)弘前市役所前のはリンゴ付き。弘前で12号はここにしかないかも
12号は、赤い箱の幅や、天面の高さは13号と同じ。箱の底が13号より低く、その分、箱が大きくなっている。その結果、脚が短い。
12号では、今も庇が分割されているのが主流で、一体型タイプはまだないらしい。
秋田県庁正庁【2021年4月11日訂正】本庁舎裏・秋田県警察本部隣、県の「秋田地方総合庁舎」前にも、12号がある。
後ろの建物は県警本部
脚がない?!
底面と地面にわずかなすき間ができているから、脚がないわけではなく、ごく短い脚があるのだろう。
道路(敷地内の通路)より高い位置のコンクリート枠で仕切られた植え込みの中にポストが設置されているため、通常の設置方法では高すぎてしまうから、脚を植え込みに埋めているようだ。
側面から。すき間から草が生えている
本体と地面の距離がとても近いから、直置きも同然。地面の湿気や積雪の影響を受けて、傷みやすいんじゃないだろうか。
後ろから見ると、赤い冷蔵庫か、小さいコカコーラの自販機が置いてあるように見えなくもない。
この建物が総合庁舎
脚が短い12号では、他でも同じように設置されるものがちらほらあるようだ(在りし日の秋田ニューシティ前日銀寄りのもそんな感じだったか?)し、小型で1口のポスト「14号」などでは脚を使わず壁に固定するようにも設置できる仕様のようだ。
さて、ポストの投函口の数について。
投函口が1つのものと2つのものが存在するわけで、2口のものは現在は定形/定形外の区分だが、かつて(現行ポストが登場した1990年代辺りまで?)は市内/市外の区分だった。
※ここでの「市」とは郵便局の管轄区域を指し、「市内」とは集める郵便局と配達する郵便局が同じという意味。自治体の区切りとは一致しなかったわけだが、利用者にはその辺りは明確に説明されず、運用上はあいまいだったと思う。
ポストの口の数は、その町ごとにおおむね統一されている。
上記の通り、秋田市中央部では13号や12号が主流だから、2口。
それまでどこにでもあった丸ポストが、1985年頃に8号(13号の前モデル)に一斉更新されて以来であり、住民にはすっかり定着している。
一方、秋田市でも、土崎、新屋、郊外の農村部に行くと、1口がぐっと増える。
青森県弘前市もほとんどが1口で、引っ越した当初は、路線バスが前乗り前降りであることとともに、ちょっとしたカルチャーショック(正直に言えば、田舎に来てしまったな…と思った)だったものだ。ちなみに、フジテレビ系列局がないことは事前に知って覚悟していたし、その分、秋田にないTBS系があるから…

(いずれも再掲)鷹ノ巣駅前の10号と弘前市立病院前の14号
1口ポストが主流の場所は、集める郵便局が地元の小規模局のため、分けて投函させるほど扱い量が多くない(近年は大きい郵便局に集約された地域もある)、道が狭いので、場所を取る2口ポストを設置しにくい、といった理由だろうか。
同じ地域に1口と2口が混在していれば、投函する人は混乱してしまうから統一したという、お客のための配慮もあるかもしれない。
ただ、例外もある。冒頭の写真のように、弘前でも市役所前や駅前は2口。これは投函される量が多いからか。
秋田市中央部でも、秋田駅北側の再開発で新しくなったお菓子屋さんの前には、抱えられるほど小さい14号がある【2024年3月1日追記・線路をはさんで東側のファミリーマート秋田手形店前にも14号があり、これら2つが、秋田駅直近の14号】など、ちらほらと1口がある。店先などにポストを置いている場所は、スペースの制約やお店側の意向もあるのだろうか。
現行の(朱色でなく)真っ赤なポストでは、1口のものは3タイプ。2口の12号と13号同様、幅は同一で、箱自体の高さ(=箱底面の地面からの高さ)の違い。
上に写真があるが、とても小さくてかわいいのが、脚なし設置もできる「14号」。
13号の1口バージョンが「10号」。
10号と14号は、秋田市郊外でもわりと見かける。
残る1つが「11号」。
12号の1口バージョンに当たり、1口ポストではいちばん大きいもの。
これは、秋田市内ではとても数が少ない。それが、
これ
「細いっ!」と思いませんか。
僕は見慣れないせいか、初めて見た時は驚いた。
場所は、楢山の一つ森公園の下の狭い道。
昔は商店だったと思われるお宅の前の、わずかなスペースに設置されている。特にその立地環境もあって、余計に細長く見えてしまうのかもしれない。
※ここのポストは2020年までになくなってしまった。
秋田市内では、ここのほか、新屋比内町市営住宅、秋田厚生医療センター、寺内三千刈(2019年の記事)と、計4か所程度しか【下の28日付訂正参照】存在しないらしい。かつては、桜のローソン前にもあったが、撤去されたとか。
ちなみに、古い丸ポストは、秋田市内では中土橋、イヤタカ前、寺内の旧国道、太平郵便局と、たぶん4つしか残っていない。数としてはそれと同じだから、貴重な存在と言えなくもない。
【28日訂正】ポストマップの操作方法を理解していなかったので、見落としがありました。ポストマップによれば、秋田市内にはもう少し11号ポストが存在。
仁井田郵便局、御野場のマルダイ、御所野郵便局、御所野のイオンモール、旧・岩見三内郵便局と、秋田市南部地域に5本。それでも、計10本に満たないわけで、貴重と言えるでしょう。
11号は弘前市内では、城南郵便局などいくつかの特定郵便局の前にそれなりに設置されている。
でも、例えば秋田市の新屋郵便局とか弘前大学向かいの弘前富田郵便局だって、利用者数からすれば11号でも良さそうなのに、10号が設置されている。選択の基準というか方針がよく分からない。
【21日補足】付番に法則性がなく分かりにくいので、大型-中型-小型の順に並べると、
11号の前モデルは「3号」。弘前市内には、11号同様それなりに残っている。
(再掲)イトーヨーカドー弘前店前の3号
色や形の違いか、11号のほうがよりほっそりして見えるが、3号も充分細長い。
(再掲)弘前大学医学部附属病院の3号は屋内設置
秋田市内には、おそらくつい最近までは1つだけ3号があった。
秋田中央郵便局からも遠くない、八橋の秋田テレビ前の通りの、時計・眼鏡屋さんの前。
それを知って見に行ったら、なんと13号に交換されていた! ピカピカだったので、一連の更新の一環だろう。
秋田市から3号ポストは絶滅したかもしれない。
※イトーヨーカドー弘前店前の3号は更新されてしまった。
この記事では、ポストの位置や種類について「ポストマップ(http://postmap.org/)」というサイトを参考にさせてもらいました。
ポストを扱った趣味のサイトは少ない。切手収集や旅行貯金など、郵便関係の趣味っていくつかあるけれど、「ポスト調査」という趣味はマイナーなようだ。
ほかにも、秋田市内に1つしかないと思われる、より珍しいポストが2種類もあるので続きます。
前回は、秋田市中央部では最も多い「13号」ポストの投函口の庇(ひさし)には、口ごとに分割されたタイプと2口分が一体化したタイプがあること、一体化タイプのほうが新しく、20年ほど前の初期の分割庇の13号ポストが、新しい一体庇の13号に更新され始めていることを紹介した。
その後、改めて見てみると、古い13号もまだ多いが、その更新も着実に進んでいる。
2009年に13号の中古品が設置された箇所も、一体庇に変わっていた。
今回は、13号以外のポストについて。
現行のいちばん大きいポストは「12号」。秋田市では、秋田中央郵便局前(南側)、秋田駅西口(交番前)、県庁前など限られた場所にしかない。

12号は、赤い箱の幅や、天面の高さは13号と同じ。箱の底が13号より低く、その分、箱が大きくなっている。その結果、脚が短い。
12号では、今も庇が分割されているのが主流で、一体型タイプはまだないらしい。
秋田県庁


底面と地面にわずかなすき間ができているから、脚がないわけではなく、ごく短い脚があるのだろう。
道路(敷地内の通路)より高い位置のコンクリート枠で仕切られた植え込みの中にポストが設置されているため、通常の設置方法では高すぎてしまうから、脚を植え込みに埋めているようだ。

本体と地面の距離がとても近いから、直置きも同然。地面の湿気や積雪の影響を受けて、傷みやすいんじゃないだろうか。
後ろから見ると、赤い冷蔵庫か、小さいコカコーラの自販機が置いてあるように見えなくもない。

脚が短い12号では、他でも同じように設置されるものがちらほらあるようだ(在りし日の秋田ニューシティ前日銀寄りのもそんな感じだったか?)し、小型で1口のポスト「14号」などでは脚を使わず壁に固定するようにも設置できる仕様のようだ。
さて、ポストの投函口の数について。
投函口が1つのものと2つのものが存在するわけで、2口のものは現在は定形/定形外の区分だが、かつて(現行ポストが登場した1990年代辺りまで?)は市内/市外の区分だった。
※ここでの「市」とは郵便局の管轄区域を指し、「市内」とは集める郵便局と配達する郵便局が同じという意味。自治体の区切りとは一致しなかったわけだが、利用者にはその辺りは明確に説明されず、運用上はあいまいだったと思う。
ポストの口の数は、その町ごとにおおむね統一されている。
上記の通り、秋田市中央部では13号や12号が主流だから、2口。
それまでどこにでもあった丸ポストが、1985年頃に8号(13号の前モデル)に一斉更新されて以来であり、住民にはすっかり定着している。
一方、秋田市でも、土崎、新屋、郊外の農村部に行くと、1口がぐっと増える。
青森県弘前市もほとんどが1口で、引っ越した当初は、路線バスが前乗り前降りであることとともに、ちょっとしたカルチャーショック(正直に言えば、田舎に来てしまったな…と思った)だったものだ。ちなみに、フジテレビ系列局がないことは事前に知って覚悟していたし、その分、秋田にないTBS系があるから…


(いずれも再掲)鷹ノ巣駅前の10号と弘前市立病院前の14号
1口ポストが主流の場所は、集める郵便局が地元の小規模局のため、分けて投函させるほど扱い量が多くない(近年は大きい郵便局に集約された地域もある)、道が狭いので、場所を取る2口ポストを設置しにくい、といった理由だろうか。
同じ地域に1口と2口が混在していれば、投函する人は混乱してしまうから統一したという、お客のための配慮もあるかもしれない。
ただ、例外もある。冒頭の写真のように、弘前でも市役所前や駅前は2口。これは投函される量が多いからか。
秋田市中央部でも、秋田駅北側の再開発で新しくなったお菓子屋さんの前には、抱えられるほど小さい14号がある【2024年3月1日追記・線路をはさんで東側のファミリーマート秋田手形店前にも14号があり、これら2つが、秋田駅直近の14号】など、ちらほらと1口がある。店先などにポストを置いている場所は、スペースの制約やお店側の意向もあるのだろうか。
現行の(朱色でなく)真っ赤なポストでは、1口のものは3タイプ。2口の12号と13号同様、幅は同一で、箱自体の高さ(=箱底面の地面からの高さ)の違い。
上に写真があるが、とても小さくてかわいいのが、脚なし設置もできる「14号」。
13号の1口バージョンが「10号」。
10号と14号は、秋田市郊外でもわりと見かける。
残る1つが「11号」。
12号の1口バージョンに当たり、1口ポストではいちばん大きいもの。
これは、秋田市内ではとても数が少ない。それが、

「細いっ!」と思いませんか。
僕は見慣れないせいか、初めて見た時は驚いた。
場所は、楢山の一つ森公園の下の狭い道。
昔は商店だったと思われるお宅の前の、わずかなスペースに設置されている。特にその立地環境もあって、余計に細長く見えてしまうのかもしれない。
※ここのポストは2020年までになくなってしまった。
秋田市内では、ここのほか、新屋比内町市営住宅、秋田厚生医療センター、寺内三千刈(2019年の記事)と、
ちなみに、古い丸ポストは、秋田市内では中土橋、イヤタカ前、寺内の旧国道、太平郵便局と、たぶん4つしか残っていない。
【28日訂正】ポストマップの操作方法を理解していなかったので、見落としがありました。ポストマップによれば、秋田市内にはもう少し11号ポストが存在。
仁井田郵便局、御野場のマルダイ、御所野郵便局、御所野のイオンモール、旧・岩見三内郵便局と、秋田市南部地域に5本。それでも、計10本に満たないわけで、貴重と言えるでしょう。
11号は弘前市内では、城南郵便局などいくつかの特定郵便局の前にそれなりに設置されている。
でも、例えば秋田市の新屋郵便局とか弘前大学向かいの弘前富田郵便局だって、利用者数からすれば11号でも良さそうなのに、10号が設置されている。選択の基準というか方針がよく分からない。
【21日補足】付番に法則性がなく分かりにくいので、大型-中型-小型の順に並べると、
投函口1つ 11号-10号-14号
投函口2つ 12号-13号-(該当なし)
投函口2つ 12号-13号-(該当なし)
11号の前モデルは「3号」。弘前市内には、11号同様それなりに残っている。


色や形の違いか、11号のほうがよりほっそりして見えるが、3号も充分細長い。

秋田市内には、おそらくつい最近までは1つだけ3号があった。
秋田中央郵便局からも遠くない、八橋の秋田テレビ前の通りの、時計・眼鏡屋さんの前。
それを知って見に行ったら、なんと13号に交換されていた! ピカピカだったので、一連の更新の一環だろう。
秋田市から3号ポストは絶滅したかもしれない。
※イトーヨーカドー弘前店前の3号は更新されてしまった。
この記事では、ポストの位置や種類について「ポストマップ(http://postmap.org/)」というサイトを参考にさせてもらいました。
ポストを扱った趣味のサイトは少ない。切手収集や旅行貯金など、郵便関係の趣味っていくつかあるけれど、「ポスト調査」という趣味はマイナーなようだ。
ほかにも、秋田市内に1つしかないと思われる、より珍しいポストが2種類もあるので続きます。