広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

ゆのこし

2016-10-02 23:34:52 | 秋田のいろいろ
最近、見るたびに気になって(引っかかって)しまうローカルテレビCMがあった。
秋田テレビ(AKT。フジテレビ系列)で流れる、静止画に同局のアナウンサーがナレーションを入れるタイプのCMの1つ。
地方では昔はどこでもよく見られたCMだけど、AKTでは今も他局より多く作って流しているような気がする。今はパソコンで作れるようになって写真や装飾が多用され、昔よりは見た目はにぎやかになった。
余談だけど、AKTの過去のCMには名作がいくつかあって、日曜夜の陽悦さんの「マツダマツダ松田せき一方」とか、塩田さんと女性の早口のかけ合い(「でもお値段がねぇ」「ところがどっこい」等)による「SL寿司吾作」など印象的。【12月9日追記】横手駅前のショピングセンター「ユニオン」も印象的。前後半に分かれていて、前半は塩田さんが「次に会う約束をしない。いつも君は、突然僕の前に現れる。」と渋い低音で「シューズレオナ(というテナント?)」のCM。後半は打って変わって女性が「ほのぼのとした心通ううれしい贈り物。横手ユニオンうえたの秋田名産品をどうぞ」と明るくナレーションという、ものすごくギャップのあるものだった。
【4日補足】CMによっては、同じものが長期間放送し続けられ、何年も前に退職や他部署へ異動して局アナでなくなった人の声を聞くことができることもある。(最近は、そんな場合はナレーションを別人に代えて再収録するようで減少傾向?)

気になるCMは、五城目町の温泉宿が広告主。
以前からある宿だが、CMを流すようになったのは最近(今春とか?)。若手の女性アナウンサーのナレーション。

ぼーっと音だけ聞いていると、「湯残しの宿」といつも認識してしまっていた。
聞き間違いではなく、たしかに「ゆのこしのやど」と言っているのだけど、正しくは「湯の越の宿」。そういう名前の宿。
「かけ流し」とも言っているのに、「湯残し」じゃ、なんか矛盾しているし、宿の名称とはいえ、「湯残し」を連想させられてしまうのはあんまり良いイメージじゃないなと、モヤモヤした気分になっていたのだった。
【3日補足】「湯残し」という日本語は存在しないけれど、存在するとしたらどちらかと言えばいいイメージの言葉ではなさそうで、CMを聞いてもそんな気分にさせられる。


ところが、10月2日に流れた同じCMでは、そうは認識できなかった。
ナレーションが更新されていたから。おそらく10月から。
ベテランの谷桐子アナウンサーの声で、文章は以前と同一(たぶん)。

どこが変わったかというと、「ゆのこし」のアクセント。
以前は2音目の「の」を強く発音していた。「初めて」「お座り」、あるいは忍術学園の食堂のおばちゃんが「お残し(は許しまへんで)」と言う時のように。
現在は「オカリナ」「五城目(ごじょうめ)」のような平板なアクセント。
この変更により、「湯残し」とは認識できなくなった。

実際に宿側ではどう発音しているのか分からないけど、宿を知っている人には、どちらのアクセントでも「湯の越の宿」を連想できるのだろうが、僕のようななじみの薄い人には、現バージョンのほうがいい。テレビCMの意義からしても同じで、正しい対処だと思う。
ほかにもアクセントに違和感を覚えた人がいて、スポンサー側から要望(あるいは苦情)があって、再収録したのだろうか。

【6日追記】更新されたCMでは「夏の疲れを癒やし」とかいうフレーズが入っていた。もしかしたら季節に応じてその部分が変わり、今回、たまたま別のアナウンサーに代わって、たまたまアクセントが分かりやすくなっただけかもしれない。
【12月2日追記】12月に入った頃から、また新しいナレーションになった。谷さんではなく、若い女性アナウンサーに交代(以前のと同じ人かどうかは忘れた)したものの、谷さん版と同じアクセント。

【2017年1月4日追記】2016年末には、秋田放送(ABS)でも、同じCMが流れていた。今まで遭遇できなかっただけなのか、新たに始まったのかは不明。
ナレーションはABSの若手女性アナウンサー。アクセントはAKTの最初と同じ「湯残し」だった。ということは、スポンサー側の要望でアクセントが変わったのではないことになる。



広告物では、全国版であっても同様に分かりにくいことがたまにある。
時間が限られて早口になったり、音楽がかぶさって聞き取りにくかったりすることもあるだろうけど、作る側・流す側がもうちょっと配慮すればいいのにと感じることもある。
例えば、
・何度聞いても「すーぷよいと寒天」と意味不明に聞こえてしまう、かんてんぱぱの「スープ用糸寒天」。
【2017年11月29日追記】2017年の春や夏はCMを見かけなかったが、2017年11月に久しぶりに見たら「スープ用、糸寒天」と間を空けるように変わっていた。やはり聞き取りづらいと判断したのだろうか。
・スーパーの店頭で流れていて、「♪四連休のごてあらポー」と聞こえてしまう、「米久のごてあらポー」。※ごてあらポーは「御殿場高原あらびきポーク」の略。この略し方も分かりにくい。

スポンサーも広告代理店も、視野が狭くなってしまってしまい、視聴者の存在を置き去りに広告を作ることだけに熱中してしまうのだろうか。あるいは狙ってわざとやっているのか。
まれに差別的な内容だとして、放送開始後に打ち切られてしまうCMもあるけれど、事前に気づけなかったのも同じ原因で発生してしまうのかも。

【2022年1月13日追記・追記日付秋田魁新報 地域面から、その後、宿に多くの変化があったことを知った】
・1994年に秋田市の松橋建設が掘り起こして、施設を営業。
・2020年4月から休業。言及はないが、新型コロナウイルス感染症流行のためか?
・地元から復活できないかとの声が上がり、国際教養大学の学生・卒業生らが、地元からの出資、クラウドファンディング、補助金を利用して会社を設立。松橋建設から施設を借りて、日帰り入浴施設「湯の越温泉」として2022年2月上旬にも復活させる。今後、飲食や宿泊にも取り組む意向。
休業中に源泉が出なくなってしまったが、熱意に応えた所有者が2021年に掘り直した。
コメント (2)
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