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羽後交通100円/五城目線乗り放題

2016-10-16 00:32:17 | 秋田のいろいろ
10月14日の秋田魁新報の県南地域面(横手支社管轄)に「羽後交通創業100周年/バス運賃一律100円に/23、24日 県内60路線対象」という記事が出た。
へぇーと思って、羽後交通の公式サイトで確認。
「新着情報」には出ていないけれど、そのすぐ上に「羽後交通創立100周年特別企画」というバナー(?)があり、そこに「謝恩運賃 100円デイズ」としてPDFファイルへのリンクがあった。
※魁では「創業」、公式では「創立」としている。また、魁によれば同社の路線バスは1930年に運行を開始、現在は年間約167万人が利用。

10月24日に創立100周年となる同社が、10月23日・日曜日と24日・月曜日の2日間、ほぼ全路線を1乗車100円均一にするとのこと。※利用の際は、詳細を各自確認してください。
対象外の路線は、高速バス全線(湯沢・横手-秋田も含む)、急行八幡平線、急行玉川線、駒ヶ岳線。
田沢湖一周線や、同社が受託運行する各地のコミュニティバスは対象
小児運賃は、上限を100円とする。
100円分を回数券で支払ってもいいのかどうかは記載がないけれど、常識的に考えて現金のみの支払いでしょうか。

魁によれば、100円乗車の対象となる「最長路線は「横手・本荘線」の65キロ区間」。正規運賃は1870円。
ということで、急行秋田-本荘線も100円で乗ることができる。
急行本荘線も100円!
県立体育館前・秋田駅西口・新屋一帯~本荘市街は正規運賃870円のところ100円!(JRの秋田-羽後本荘は760円)
秋田-新屋方面など秋田市内だけの移動でも、半額以下で充分お得。
例えば、秋田から本荘まで行って別路線に乗り換えれば象潟、矢島・鳥海方面へも、片道計200円で済むことになる。


これを知って思い出したのが、いつだったか、秋田県内の第3セクター鉄道が、10円均一乗車の日を設定したら、超満員になったという話。
調べてみたら、1998年に秋田内陸縦貫鉄道が開業10周年記念として、「平成10年10月10日」に行ったものだった。(もっと最近かと思っていた)

10円と100円では、インパクトが違うだろうけれど、横手、湯沢、大曲、本荘では、当日のバスは混雑しないだろうか。
秋田市では、本荘線だけだから限定的でしょうけど。

こういうのは、当然、採算は取れないのだろう。
謝恩と言っても、日頃利用していない(謝恩されるべきでない)人が押しかけるかもしれないし、反対に日頃利用している人が、当日の都合が悪かったり、定期券を持っていたりして謝恩にあずかれないかもしれない。
まあ、お祝いというかお祭りというか、バス会社の気持ちということなんでしょう。


秋田県内の全線定額としては、秋田県北部をエリアとする秋北バスが、夏休み中に小学生50円、中高生100円均一を実施している。これは、気軽にバスに乗ってもらって、今後の利用につなげようとするもの。

じゃあ、秋田中央交通は…
秋田市在住の高齢者が、秋田市内の路線を100円均一で乗車できる「コインバス事業」があるけれど、それは秋田市の事業。秋田市によって、すなわち税金から補填されている。中央交通が自発的にやっているものではないし、秋田市外の住民、秋田市外の路線は対象外。
それなりに(秋田県内他都市と比べて)大きくてバス利用者がいる秋田市では、安易に全員もしくは学生の均一運賃をやったら、混乱が生じてしまって、難しいのかもしれないけれど。
中央交通はあと5年ほどで創業100周年だけど、新社長は何かやってくれるだろうか。

※続きはこちら



同じ14日。中央交通のホームページに「一日乗り放題乗車券が五城目線全区間で使えます。(実証実験)」がアップされた。
10月15日から今年度いっぱい、本来は秋田市内のみ有効の1日フリー乗降の乗車券の適用区間を、五城目線の秋田市外区間(全線)にも拡大するというもの。
さらに、中央交通五城目営業所の窓口に乗車券を提示すると、五城目町内の飲食や物販の5店舗で使える200円割引券をもらえる。
秋田県の「新たな地域公共交通推進モデル事業」の助成を受けて実施。

この乗車券は、現在は秋田市内の中央交通全路線(空港リムジン、高速、中心市街地循環バス、郊外部のマイタウンバスは除く)を、大人930円・子ども470円で1日フリー乗降できるもの。
もともとは、秋田市交通局が1990年度から発売を始めたもので、「一日乗りほうだい券」という表記だったはず。
発売開始からしばらくは、市営バスの全路線だけが対象で、中央交通は一切利用不可。
その後、中央交通への段階的路線移管が始まっても変わらず。少なくとも2001年当時は、移管してしまうとその路線では使えなくなってしまっていたらしい。
しかし、2003年(2002年度末?)には「移管路線を運行する中央交通バスでもお使いいただけます。」と緩和され、さらにいつの間にか(完全移管の2006年よりも前に)、乗りほうだい券の制度自体が中央交通へ“移管”されて、市営バスが走っていなかった中央交通単独路線・区間でも利用できるように拡大されている。2005年の雄和・河辺地域の合併後は、そちらへも拡大されているはず。【16日補足・この辺は明確な告知がなく、なし崩し的に変更されたと記憶している】
一方で、中央交通が撤退して秋田市が運行するマイタウンバス化された路線では、委託先が中央交通(トランスポート社)であっても利用できなくなっている。
また、ホームページでの乗車券の紹介は、目立たない位置にひっそりとそっけなく告知されているだけ。中央交通としてはあまり知られたくない・売りたくないようにも感じていた。

現在の中央交通公式サイトでは「乗り放題乗車券(一日フリー乗車券)」という表記だけど、今回の実証実験のリーフレットでは「いちにち乗り放題乗車券」表記。最近買ってないので、実物の券面にどう書いてあるかは知らない。


秋田駅西口と五城目バスターミナルを、新国道・土崎・飯島・追分経由で結ぶ五城目線では、これまでは「大清水」バス停までがフリー区間だったはず。秋田駅-大清水の正規運賃は750円。
大清水まで乗りほうだい券を使い、大清水-五城目を別途支払っても700円もかかってしまう。秋田から八郎潟までJRで行って、バスに乗り継いでも、計片道700円は越える。
秋田-五城目の正規運賃は940円。乗りほうだい券を片道だけ使っても10円得。

かなりお得になるわけだけど、所要時間は1時間15分。昔のように「(鉄道でなくバスの)特急かもしか」が観光バスタイプの車両で走っていれば快適だけど、今は路線バス仕様だから…
今回のリーフレットではバスのイラストが載っているが、なぜか三菱エアロスターとはっきり分かるデザイン。実際に臨海営業所担当ダイヤでは、たまに運用されるけれど、これに1時間以上乗りたくはない。

市営バスから引き継いだ乗りほうだい券の制度を使って、県から助成を受けてというのは、相変わらず独自性が低いと思ってしまう【16日補足・着眼点、アイデアとしては悪くはないとも言えるかも】。しかも、15日から始めるものを14日に告知するってのもいかがなものか。マスコミにリリースはしたのだろうか。
ホームページ掲載のリーフレットを見る限りでは、乗りほうだい券の販売箇所が分からないのも不親切。五城目側では売らないのだろうか?
でも、地味な存在の乗りほうだい券の再アピールと、バスの利用促進、町村部の活性化にはなるかもしれない。
※発売所などについてはこの記事後半参照

【2017年3月1日追記】
実験終了後の2017年4月1日から「適用範囲拡大と料金の改定」が行われる。五城目営業所でも発売。スクラッチ方式の券や払い戻しについては変更なし。
1000円に値上げの上、利用エリアが社会実験が行われた五城目方面のほか、五城目線と並行する八郎潟線(八郎潟駅~五城目)、さらに潟上市の天王グリーンランド、旧河辺町の太平線・岩見三内、わだ線・和田駅前、旧雄和町の雄和市民サービスセンターまで拡大される。
高速、空港リムジン、中心市街地循環バス、国際教養大学線は対象外。
秋田市中央部を走る全路線で、終点まで乗車できるということになりそう。人によっては便利になるのかもしれないけれど、これまでのエリア内しか乗らない人には、単なる値上げ。
コメント (7)
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