農業県・秋田。最近は、エダマメだのなんだのいろいろな作物のブランド産地化を目指しているものの、まだ米への依存が強い。【28日追記】さらに各地域で長年受け継がれてきた伝統野菜のいくつかも、近年はある程度広く知られるようになった。
秋田のスーパーでさえ、野菜売り場は関東方面や青森県産・北海道産が幅を利かせており、秋田県産の野菜は産直コーナーに置かれているだけのことも多い。
昨年から(もっと前かも?)、秋~冬に秋田市内のイオンリテール(土崎港店と秋田中央店で確認。イオンスタイル御所野は未確認)で、秋田県産の珍しい野菜を見かけるようになった。
あきた伝統野菜 山内にんじん
産直コーナーに並んでいることもあるが、透明袋に生産者名入りシールでなく、ちゃんとした専用の袋に入っている。
ちなみに、先日の種苗交換会にも出品されていた。
「山内(さんない)」とは袋に地図があるように、秋田県内陸南部・横手市山内地区(旧・山内村)。いものこ(サトイモ)の特産地として有名。ニンジンとは聞いたことがなかった(実は聞いたことはあったが記憶に残っていなかった。後述)。
写真の通り、一般的なニンジンと比べて、細長い。写真のものは太さはそれほどでもなく、普通のニンジンを伸ばしたような感じ。これが標準サイズのようだが、もう少し太いものもあった。
お節料理などに使う「金時にんじん(京にんじん)」を連想する形状だが、色合いは異なる。
金時にんじんは、色素としてリコピンが多いので、トマトやスイカに近い赤。この山内にんじんは、β-カロテン中心と思われる、通常のニンジン(西洋ニンジン)と同じようなオレンジ色。少し濃いオレンジ色か。
そんな山内にんじんとは、どんな味なのか興味はあった。
しかし、値段は1袋に2~4本入って250~300円程度と西洋ニンジンと比べるとやや割高。しかも、どのようにして食べればいいのかが分からず、昨年は買う気になれないでいた。
今年、見切り品で半額になっていたのを発見(しかも現在は西洋ニンジンが高値傾向)。ネットで山内にんじんのことを調べていたので、買ってみた。
結論としては、山内にんじんは、普通の西洋ニンジンと同じように使える。
真ん中の1番長いのが30センチほど。先端はカットされている
ネットによれば、(ダイコンでなく)ニンジンのいぶりがっこがあるけれど、それに使うのが山内にんじんとのこと。「煮崩れしにくい」という情報もあるけれど、たいていのニンジンは、ほとんど煮崩れしないような…
とにかく、漬け物以外にも、生で煮て炒めて等々、何にでも使えるようだ。
ニンジン臭さが強いようなこともなく、甘くておいしいニンジンだと感じた。だから、後日、見切り品でないのを再び買った。
袋には「あきたの逸品」というシールが貼ってある。秋田県がやっている、伝統野菜や特産品のブランド的なものらしい。山内いものこ、三関せり、西明寺栗なども対象。
山内にんじんが出回る時期は、10月中旬~4月上旬。
産地では加工品として、ドレッシング、ジャム、ピクルスなどが作られている。そう言われれば、聞いたことがあった。
山内にんじんは、終戦直後に北海道の在来品種「札幌太」から選抜されて、確立されたそうだ。「山内一尺人参」などとして、ネットで種子を販売する業者もある。
【28日補足】品種や栽培実態からすれば、産地限定の「ブランド野菜」でなく、「伝統野菜」に含まれそう。しかし、使い方としては通常のニンジンと同じなので、伝統野菜の枠にとらわれず、もっと幅広く訴求することができるのではないだろうか。
ニンジンは北海道、青森、千葉産が多く、秋田でも秋田産はまず見たことがなかったが、こんなニンジンがあったとは。
山内にんじんは他県産と充分競争できそうだけど、情報が少ないのが惜しい。認知度も低いし、店頭で見ても食べ方が分からない。金時にんじんの仲間かと思って、買うのをためらう人もいそう。
こんなに大きい袋なのだから、そのスペースを活かして、来歴や調理法を印刷するとか、店頭にPOPを出してもらうとかしたらどうだろう。
そして、カロテノイドやその他栄養成分の分析をすれば、他のニンジンよりも優れた点が見つかるかもしれない(色が少し濃いから、カロテンは少し多いのでは?)。
70年大切に守ってきた山内にんじん。もっと宣伝すれば、もっと知られて、もっと売れるのではないでしょうか。
【12月26日追記】この品種は、下(先)の部分にゴツゴツ・ブツブツした突起が出る場合がある。細い根が出る場所だと思うが、それによって味や食感が悪くなることはないようだ。
秋田のスーパーでさえ、野菜売り場は関東方面や青森県産・北海道産が幅を利かせており、秋田県産の野菜は産直コーナーに置かれているだけのことも多い。
昨年から(もっと前かも?)、秋~冬に秋田市内のイオンリテール(土崎港店と秋田中央店で確認。イオンスタイル御所野は未確認)で、秋田県産の珍しい野菜を見かけるようになった。
あきた伝統野菜 山内にんじん
産直コーナーに並んでいることもあるが、透明袋に生産者名入りシールでなく、ちゃんとした専用の袋に入っている。
ちなみに、先日の種苗交換会にも出品されていた。
「山内(さんない)」とは袋に地図があるように、秋田県内陸南部・横手市山内地区(旧・山内村)。いものこ(サトイモ)の特産地として有名。ニンジンとは聞いたことがなかった(実は聞いたことはあったが記憶に残っていなかった。後述)。
写真の通り、一般的なニンジンと比べて、細長い。写真のものは太さはそれほどでもなく、普通のニンジンを伸ばしたような感じ。これが標準サイズのようだが、もう少し太いものもあった。
お節料理などに使う「金時にんじん(京にんじん)」を連想する形状だが、色合いは異なる。
金時にんじんは、色素としてリコピンが多いので、トマトやスイカに近い赤。この山内にんじんは、β-カロテン中心と思われる、通常のニンジン(西洋ニンジン)と同じようなオレンジ色。少し濃いオレンジ色か。
そんな山内にんじんとは、どんな味なのか興味はあった。
しかし、値段は1袋に2~4本入って250~300円程度と西洋ニンジンと比べるとやや割高。しかも、どのようにして食べればいいのかが分からず、昨年は買う気になれないでいた。
今年、見切り品で半額になっていたのを発見(しかも現在は西洋ニンジンが高値傾向)。ネットで山内にんじんのことを調べていたので、買ってみた。
結論としては、山内にんじんは、普通の西洋ニンジンと同じように使える。
真ん中の1番長いのが30センチほど。先端はカットされている
ネットによれば、(ダイコンでなく)ニンジンのいぶりがっこがあるけれど、それに使うのが山内にんじんとのこと。「煮崩れしにくい」という情報もあるけれど、たいていのニンジンは、ほとんど煮崩れしないような…
とにかく、漬け物以外にも、生で煮て炒めて等々、何にでも使えるようだ。
ニンジン臭さが強いようなこともなく、甘くておいしいニンジンだと感じた。だから、後日、見切り品でないのを再び買った。
袋には「あきたの逸品」というシールが貼ってある。秋田県がやっている、伝統野菜や特産品のブランド的なものらしい。山内いものこ、三関せり、西明寺栗なども対象。
山内にんじんが出回る時期は、10月中旬~4月上旬。
産地では加工品として、ドレッシング、ジャム、ピクルスなどが作られている。そう言われれば、聞いたことがあった。
山内にんじんは、終戦直後に北海道の在来品種「札幌太」から選抜されて、確立されたそうだ。「山内一尺人参」などとして、ネットで種子を販売する業者もある。
【28日補足】品種や栽培実態からすれば、産地限定の「ブランド野菜」でなく、「伝統野菜」に含まれそう。しかし、使い方としては通常のニンジンと同じなので、伝統野菜の枠にとらわれず、もっと幅広く訴求することができるのではないだろうか。
ニンジンは北海道、青森、千葉産が多く、秋田でも秋田産はまず見たことがなかったが、こんなニンジンがあったとは。
山内にんじんは他県産と充分競争できそうだけど、情報が少ないのが惜しい。認知度も低いし、店頭で見ても食べ方が分からない。金時にんじんの仲間かと思って、買うのをためらう人もいそう。
こんなに大きい袋なのだから、そのスペースを活かして、来歴や調理法を印刷するとか、店頭にPOPを出してもらうとかしたらどうだろう。
そして、カロテノイドやその他栄養成分の分析をすれば、他のニンジンよりも優れた点が見つかるかもしれない(色が少し濃いから、カロテンは少し多いのでは?)。
70年大切に守ってきた山内にんじん。もっと宣伝すれば、もっと知られて、もっと売れるのではないでしょうか。
【12月26日追記】この品種は、下(先)の部分にゴツゴツ・ブツブツした突起が出る場合がある。細い根が出る場所だと思うが、それによって味や食感が悪くなることはないようだ。