広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

八重のドクダミ

2016-07-06 18:12:53 | 動物・植物
シロツメクサバイカウツギ(リンク先後半)など、初夏は白い花が多く咲く季節。
民家の庭などに生える身近なものとしては、ドクダミもある。

触れたり草刈りをしたりすると独特のにおいが漂い、日陰のじめっとした場所を好む傾向があり、明るい印象はない植物。
一方で乾いた場所でも生育でき、かつ強靭なようで、空き地など放ったらかしにされた土地では、スギナととともにはびこっている植物でもある。
それでも、白い花が咲けば、少しは違った目で見ることができる。

こんなドクダミを見かけた。
後ろの黄色い花はビヨウヤナギ。それも見事だけど手前の白い花
葉っぱからすれば間違いなくドクダミだけど、なんか豪華?!
花1つ当たりの白い部分が多く、マルチーズか何かのモコモコした動物の顔みたいな印象。そして、普通のドクダミよりも花が縦に長い(天地方向の高さがある)感じ。
こんな花
「八重咲き」のドクダミなのです!
八重咲きとは、花弁(花びら)が幾重にも取り巻いて重なって咲くタイプの花のこと。
横から見る
下の花弁ほど大きく(横方向に長く)、上は小さいため、全体としてピラミッド形に見える。
他の植物の八重咲きよりも、花弁の各層の間の間隔が広い。

実は今まで「花弁」としたけれど、ドクダミの花弁のように見える白い部分は、花弁ではない。葉の一種である「苞(ほう)」あるいは「総苞(そうほう)」と呼ばれるもの。※ヤマボウシなど同じ咲き方をする植物はいくつかある。
だから、ドクダミの場合、他の八重咲き植物とは少々違うのかもしれない。他に苞が八重になる植物って、あるだろうか。

普通の一重咲きのドクダミ
一重のドクダミでは、苞の上につんと突き出たもじゃもじゃした部分だけが、本当の花。
八重のドクダミでも、もじゃもじゃ部分はある。八重の苞が、その突き出た部分の途中からも出ているように見える。
一重では「もじゃもじゃの下に」ある苞が、八重では「もじゃもじゃの途中にも」あるというのも、おもしろい。普通の花弁の八重咲きでは、考えられないことだと思う。違うメカニズムなんだろうか。

花弁の八重咲きでは、「おしべやめしべが花弁に変わってしまった」ことにより八重咲きになるという仕組みのものが多い。だから、種を作ることはできないものが多い。3つの遺伝子が組み合わさって働くことで花の器官が形成される「ABCモデル」という理論(今は高校の生物でも習うらしい)があり、それでそのような八重咲きが起きる説明がつく。(梅のように八重でもおしべ・めしべができて種ができるものもあり、それはまた違うのかも)
ドクダミでは、そもそも花弁じゃないし、おしべ・めしべらしきものもあるから、ABCモデルとは関係ないのかもしれないし、種はできそう。


八重のドクダミは、全国的にちらほら存在するようだけど、比較的珍しい部類のようだ。当然、葉っぱだけだと区別がつかないから、確認できる時期は限られる。
僕は昨年、秋田市内で初めて見かけ、今年もう1か所で見つけた。どちらも、人の手で植えられたと思われる場所。(本記事の写真は両方で撮影)
なかなかかわいい
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駅前ビルとともに復活?

2016-07-04 20:29:56 | 秋田のいろいろ
区画整理で道路が広がるため、解体されて再建されていた、秋田駅西口の「秋田駅前ビル」。
1か月前に建物はでき上がったけれど、テナントはぜんぜん埋まっていないところまでアップしていた。その続き。

その後、6月上旬頃までに、てっぺんの5階だけ「契約済み」となった。4階以下は引き続き募集中。
ビル前の看板
その頃、広小路の横断歩道に面して「当ビル前の道路は拡張予定です」という看板が立てられた。ビル建て替えの経緯を知らない人もいるだろうから、親切といえば親切。でも、対面通行になることなどの説明はないけど。
隣接の道路予定地での下水道工事も、まだいろいろやっている。

そして6月下旬。テナント募集状況は変わらないものの、変化が。
向かいの横断歩道から見る【←当初アップ時に画像下側が破損していたため、5日差し替え】
フォーラスのエレベーターの左隣に当たる壁面に、縦長の黒い物体が取り付けられた。

大型でのディスプレイ。6月末時点では、まだ動作テスト中なのか、左側にどこかで読んだような文章2行と、その下に小さな四角が表示されていた。

7月になると、本格的に稼働。フルカラー表示が可能で、企業の広告や文字によるニュース・天気予報が表示されている。
ニュースの下には「秋田魁新報」。
そうか、テスト中に2行だけ表示されていた文章は新聞記事だったのか。もちろん、今は画面いっぱいに5~6行表示される。

テナント入居は芳しいとはいえない新しい秋田駅前ビルだけど、屋上のJAの秋田米もあるし、広告媒体としては、重宝されるビルのようです。
【8日追記】広告放映時には、音声も流れる。音量は控えめか。


そういえば、先代・秋田駅前ビルの外壁にも、過去には文字でニュースなどの情報を提供する装置があった。
秋田テレビ(AKT。フジテレビ系列。企業としては秋田魁新報社の系列)関連の「秋田電光ニュース」である。
僕が物心ついた頃には既にあった。
おそらくそれが初代で、ビルの左側(リボン会館寄り)に縦1行で黄色っぽいオレンジ色文字を表示する、おそらく電球式の装置。1行しか表示できないから、文字はスクロールして表示。今の新幹線車内のドア上の文字ニュースを縦・単色にして、ドット数を荒くしたようなものといえば、理解いただけるだろうか。
この表示装置は、ビルの3フロア分くらいの長さ(高さ)があったようだ。今回設置された新しいディスプレイは2フロア半ほど(横幅はこっちが広い)。
同じものが、竿燈大通り(当時は山王大通り)東側の突き当りの二丁目橋交差点前・秋田県産業会館の壁にもあった。
秋田県立図書館(秋田魁新報見出し検索)、秋田市広報の両サイトで調べると、秋田駅前ビルのものは1977年には既に稼働。産業会館は1979年11月1日から稼働していた。

その後、秋田駅前ビルの装置は、横長で3色LEDで複数行表示できるものに更新され、飾り文字や画像も表示できるようになった。
産業会館は、1989年には産業会館としての機能が移転し、1995年10月までは「産業会館別館」として使用され、1996年夏から解体されたので、電光ニュースがどうだったかは分からない。
一時期は、山王十字路(北東角かな?)にも設置されていたが、それは最初から3色LEDだったはず。秋田空港にもあったそうだが、詳細は知らない。

そして気がつけば、秋田駅前ビルの電光ニュースはなくなっていた。
市営バスの写真の片隅に写り込んでいるものを漁ってみると、見つかった最古のは2002年3月。
市営バスが並ぶ奥に赤く光るのがそれ
消費者金融の看板に囲まれて、既に3色LEDの横長画面になっていた。カラフルな広告も表示できている。
文字はややぎこちない

2003年10月
今はなき地元のビジネスホテル「ホテルハワイ」の広告。動画だろうか。もしかしたらより精細なものに更新されたのかも。
この時の装置は、駅舎側向きにやや角度をつけて設置されていたようだ。

2004年1月の昼間
カメラのせいもあるけれど、昼は見づらい。そして記憶にあるより大きい。
初代の電光ニュースは、「三和ファイナンス」の辺りに設置されていたはず。

2005年は写真が見つからず、次は市営バス廃止直前の2006年3月。
ない!
2つの金融会社の看板とともに、電光ニュースがなくなってしまっていた。


一方、秋田駅前ビル向かいの緑色の古いビル「エスポワール緑屋(旧称・緑屋ビル)」には、「アクティブビジョン」という広告を音声つきで流す横型の大型画面があったが、2010年頃に故障して撤去された。
それは、2006年3月の時点で設置されていた。【5日追記・上の撤去後の写真の左側で明るく光っているのがそれ】
電光ニュースとアクティブビジョンが共存していた時期はあったのだろうか。

したがって、秋田駅前の大型ビジョンとしては、アクティブビジョン撤去後、約6年ぶり。
秋田魁新報系列の文字ニュースとしては、フルカラーにグレードアップして10年以上ぶりの復活と言えそう。


秋田駅前ビルとともに、電光ニュースも実質的によみがえったことになるけれど、こういう装置のターゲットは誰だろう。
一般的に駅前という立地からすれば、歩行者やバス・タクシーを待つ人ということになろう。かつての電光ニュースが駅舎向きに角度をつけて設置されていたのは、バスのりばから見やすいようにということかもしれない。
それに、信号待ちのドライバーも含んでいるはず。かつて二丁目橋や山王十字路に設置されていたのはそっちがメインだろう。

以前のアクティブビジョンの場合、位置的に見られるドライバーは限られるし、バス・タクシー乗り場からは反対側だから見えない【7日訂正・上の写真のようにバスのりば西側バース北側からは見えたようだ】。その点では、不利だったことになる(音が出せたけど)。

新しい駅前ビルは、以前から言っているようにやや奥まった位置に建てられたため、駅側からはフォーラスの陰になって、その存在が見えない。
ぽぽろーどからバスターミナル越しに駅前ビル方向
したがって、新しい表示装置も、
画像入り広告みたいだけど、よく見えない
バスのりばからでも、画面が部分的に見られる位置もあるが、おそらくどこからでも右端は隠れてしまう。
バスターミナルが格子状の構造物になったため、それで視線をさえぎられる影響もある。それに昔より文字のサイズが小さい。バスのりばからニュースを見るのは難しそう。

※駅前ビルの続きはこちら
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

諏訪周辺のJR

2016-07-03 20:33:30 | 旅行記
信州旅行記。※前回の記事
長野から松本、塩尻から中央本線に入って上諏訪へ。
ここで諏訪周辺のJRについて。特急「スーパーあずさ」「あずさ」が通る、塩尻から上り方面の中央本線の駅は、 塩尻-みどり湖-岡谷-下諏訪-上諏訪-茅野(ちの) の順。岡谷から上諏訪にかけては、諏訪湖に沿って走る。
特急は、みどり湖は全列車通過、上諏訪と茅野は全列車停車。他の駅は一部列車が停車。みどり湖を除く各駅に停まるものもある。
略図
塩尻~岡谷間は、西側を大回りする別ルート「辰野支線」もあり、普通列車だけが走っている。元々はこちらが本線で、1983年に「塩嶺トンネル(5994メートル)」を抜けるみどり湖経由の新ルートができたため、支線となってしまった。塩尻~岡谷は、みどり湖回りでは約12キロ、辰野回りでは約28キロ。
辰野駅からはJR東海・飯田線が出ていて、飯田線と中央本線(主に岡谷方面)を直通する列車もある。
そんな少々複雑な位置関係のため、慣れない者がここらで普通列車を利用する時は、少々戸惑ってしまう。


(時間が飛びますが)上諏訪に泊まった翌朝、松本へ普通列車で戻ることにした。
駅へ行くと、「松本行き」の直前に「豊橋行き」がある。
戸惑ったが、落ち着いて路線図を見ると「辰野経由・飯田線直通 豊橋行き」。2つ先の岡谷駅までは松本行きと同じ線路を走る。
とりあえず、ホームへ出ることにした。ホームにいたのは、
JR東日本の駅にJR東海の車両
見慣れた緑色ラインの駅名標の下には、オレンジ色ラインのJR東海313系電車。
313系は先頭部だけは白いから、登場時は当時流行していた色白美容家に見立てて「(鈴木)その子」あるいは「(志村けんの)バカ殿」と鉄道愛好家の一部には呼ばれたものだ。
JR東海エリアでは広く導入されている車両で、個人的には、首都圏から東海道本線を西へ進み、熱海でこの電車を見ると、「JR東海エリアへ、そして静岡へ来たんだな」と実感させられる。
熱海以外のJR東日本エリアでその電車を見ることになるとは、不思議な気持ち。

車両正面の行き先は「豊橋」だけだったが、ホームの発車標は「飯田線直通」と枠で囲んで表示していた。

313系は外観は同じでも、投入地域・路線の特性に応じて車内の座席配置はさまざま。この時のは3両編成で、2人掛けの転換クロスシート。ドアボタン式半自動ドアなど、寒冷地の装備がある。
行き先表示が白色LEDだったりして新しそうだけど、製造からもう10年近く経つ。

この区間で使われるJR東日本の普通列車は、国鉄時代からの211系(近年、秋田総合車両センターなどで小改造したもの)で、窓を背にするロングシートが多い(一部ボックスシート)。
一方、313系の乗り心地はとても良く、しかもこれはクロスシートだから快適。車内は混んでいないことだし、岡谷まで313系で先行することにした。

JR東日本の車掌が乗務。
313系では、車外のスピーカーから乗車を促すチャイムを鳴らすことができる。静岡近辺ではホームの発車メロディー代わりによく聞くことができる音で、それもJR東海エリアへ来たことと313系を象徴させるものだった。
この車両にも搭載されているのだろうけれど、1回も聞くことができなかった。JR東日本では鳴らさない/鳴らせない決まりなのか、JR東海への対抗心として鳴らしたくないのか。

滑らかに進む313系に乗って、上諏訪から岡谷までは10分ちょっと。あっという間に到着。
列車にとってはまだまだ序の口で豊橋到着は7時間後。飯田線は駅が多いのだ。
岡谷駅にて
後から来た211系に乗り換えて、塩尻へ向かった。塩嶺トンネルはどこか丹那トンネルに似ていた。
仲が悪いと言われるJR東日本とJR東海。長野地区では、それなりにうまくやっているみたい。なのかな?


ところで、この辺りのJR東日本中央本線では、「一部の駅に限って」Suicaなどの電子マネーで乗車できる。
首都圏のSuicaエリアを「点」で拡大する形で、2014年(この記事で少々取り上げた)から実施。
対応駅が特急停車駅や観光地に限られている(=首都圏からの利用客が多い駅)ほか、定期券は従来通りなので、地元の人たちにはさほど普及しているわけではなさそう。
上諏訪駅近距離自動券売機
上諏訪駅の券売機の間に、小さい掲示が出ていた。
「こちらの駅ではIC乗車券をご利用いただけます」
上の表記載の各駅相互、それに各駅と韮崎から先の首都圏Suicaエリア各駅で利用できる。

上の地図式運賃表左には、
「ICカードご利用時の運賃対応表」
IC乗車券の運賃は、1円刻みで設定されていて、10円刻みの紙のきっぷとは運賃が異なることがある(どちらが安いかは区間次第)。地図には紙のきっぷの運賃しか出ていないので、ICならいくらになるかを示す対応表。
1940円以上は地図には出ていないのだが、対応表には書いてある。


上諏訪駅といえば、1番線に…
車両は211系
改札口とは別に、のれんがかかっていて、その奥は、
足湯
駅前がすぐ上諏訪温泉なので、そのお湯を引いている。元々は全身がつかれる風呂だったのを、2002年に足湯に改装。部活帰りの高校生みたいな人たちが浸かっていた。

上諏訪駅は、諏訪湖・温泉街と反対側、国道20号に面して駅舎がある。
駅舎の向こう側が諏訪湖
その南側・上の写真奥の自由通路の下にこんなものがあった。
「JR東日本上諏訪駅カルチャー教室」
日程も表示されていて、書道、パッチワークキルト、いけばなが、のべ週4日開催されている模様。
看板以外は目立たずひっそりとしたたたずまいだし、そもそも扉付きフェンスで仕切られていて、中へ入ることはできない。
JR東日本社員や関係者向けの教室ってことでしょうか。※2022年10月時点でも変わらず存在していた
上諏訪には、昔は機関区があり、2013年まで松本運輸区上諏訪支区として存続していたとのこと。

諏訪について続きます
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする