我が国の総理大臣が辞任したその夜に『マクベス』を観た。
つまりタイトルは『安倍辞任・マクベス』なのだが、なんか本当に名前としてありそーだよな。アベジニーン・マクベスと伸ばした方がもっと雰囲気出るかな?
で。決して、そのニュースに踊って劇場に行ったわけじゃなく、たまさか“暴君・マクベス”の芝居を観劇予定していた日に、偶然、辞めちゃったというわけだ。
いや、別に彼を「暴君」とまでは言わないが……国のトップが自らの失政で失脚して行くシェイクスピアの名作を、こんな日に観たのは、なんか感慨深い。
そして、我が国の“政治のサラブレッド”として、就任時には一部勢力に大いに期待されて登場した“若い総理”は、その《愚かさ》において、マクベスに劣らない愚行を露呈し続けて、消えた・・・。
さあ。芝居の話へ・・・。
そうそう、芝居芝居と書いてきたが、正確にはオペラ
オペラシアターこんにゃく座の『オペラ・クラブ・マクベス』
(原作/W・シェイクスピア、訳/小田島雄志、作曲・芸術監督/林光、台本・演出/高瀬久男)・・・パンフレットによればシェイクスピアオペラ第5作らしい(僕は1本目)。会場はシアタートラム。9/7~16。
かの悲劇をオペラ化しただけでなく、現代の男が「クラブ」に入ると、その中で『マクベス』が演じられていて、やがて男自身が「マクベス」になり、ある時はマクベスでありながら、マルカムとマクダフのやりとりに茶々をいれたりする!
このブログでは、大概ネタバレは避けているけれど、まっこれは古典だから蛇足ながら語れば。。。
奸計に長けたマクベスを恐れてイングランドに逃れたスコットランド王の長男・マルカムを、新たな王として迎えるべく貴族・マクダフは、愛する妻と子を置いてイングランドに駆ける。結果、あっさりマクベスの使者に妻子を殺される。
またマルカムは最初、自分がいかに王にふさわしくないかを延々と羅列する…。
見たことある人は、確かに思わずツッコんだ経験がある場面だ。
だがしかし。
それらの企みは、マクベスの決断同様、裏目に出た、と僕には思われた。
この作品に限らず、シェイクスピアをいじって成功した試しが余りない…。
えー・・・。
ここからは非常に私的になるのですが。
暗殺者1や、シーワードなどを演じた中島正貴に触れておこう。
彼は、様々な経験を経て、下北沢演劇祭「世田谷区民上演グループA」に参加したことがある(ちなみに05年)のだが、その年のうちにプロの劇団=こんにゃく座に入団した男だ。
作品は『夢の海賊』で、その時も剣を振り回して闘うシーンで活躍したが、久しぶりに見た彼は、さすがプロの集団で鍛えられて、数倍キレも良くなったし、歌もメチャうまくなっていた。
今後の活躍を大いに期待する。
あと、照明がカッチョ良かったので、終わってからパンフを見たら、金英秀さんでした(文学座所属で、東演では『八月の鯨』でお世話になりました)。
さすが匠の仕事ぶりでした。
つまりタイトルは『安倍辞任・マクベス』なのだが、なんか本当に名前としてありそーだよな。アベジニーン・マクベスと伸ばした方がもっと雰囲気出るかな?
で。決して、そのニュースに踊って劇場に行ったわけじゃなく、たまさか“暴君・マクベス”の芝居を観劇予定していた日に、偶然、辞めちゃったというわけだ。
いや、別に彼を「暴君」とまでは言わないが……国のトップが自らの失政で失脚して行くシェイクスピアの名作を、こんな日に観たのは、なんか感慨深い。
そして、我が国の“政治のサラブレッド”として、就任時には一部勢力に大いに期待されて登場した“若い総理”は、その《愚かさ》において、マクベスに劣らない愚行を露呈し続けて、消えた・・・。
さあ。芝居の話へ・・・。
そうそう、芝居芝居と書いてきたが、正確にはオペラ
オペラシアターこんにゃく座の『オペラ・クラブ・マクベス』
(原作/W・シェイクスピア、訳/小田島雄志、作曲・芸術監督/林光、台本・演出/高瀬久男)・・・パンフレットによればシェイクスピアオペラ第5作らしい(僕は1本目)。会場はシアタートラム。9/7~16。
かの悲劇をオペラ化しただけでなく、現代の男が「クラブ」に入ると、その中で『マクベス』が演じられていて、やがて男自身が「マクベス」になり、ある時はマクベスでありながら、マルカムとマクダフのやりとりに茶々をいれたりする!
このブログでは、大概ネタバレは避けているけれど、まっこれは古典だから蛇足ながら語れば。。。
奸計に長けたマクベスを恐れてイングランドに逃れたスコットランド王の長男・マルカムを、新たな王として迎えるべく貴族・マクダフは、愛する妻と子を置いてイングランドに駆ける。結果、あっさりマクベスの使者に妻子を殺される。
またマルカムは最初、自分がいかに王にふさわしくないかを延々と羅列する…。
見たことある人は、確かに思わずツッコんだ経験がある場面だ。
だがしかし。
それらの企みは、マクベスの決断同様、裏目に出た、と僕には思われた。
この作品に限らず、シェイクスピアをいじって成功した試しが余りない…。
えー・・・。
ここからは非常に私的になるのですが。
暗殺者1や、シーワードなどを演じた中島正貴に触れておこう。
彼は、様々な経験を経て、下北沢演劇祭「世田谷区民上演グループA」に参加したことがある(ちなみに05年)のだが、その年のうちにプロの劇団=こんにゃく座に入団した男だ。
作品は『夢の海賊』で、その時も剣を振り回して闘うシーンで活躍したが、久しぶりに見た彼は、さすがプロの集団で鍛えられて、数倍キレも良くなったし、歌もメチャうまくなっていた。
今後の活躍を大いに期待する。
あと、照明がカッチョ良かったので、終わってからパンフを見たら、金英秀さんでした(文学座所属で、東演では『八月の鯨』でお世話になりました)。
さすが匠の仕事ぶりでした。