麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

三兎を追うものは九都を巡る

2007年09月22日 | 東演
 ふと気付けば、劇評や劇団ゆかりの方の訃報などで、
 ダイレクトな劇団の話題をしばらく書いていなかった

 今日『朗読劇/月光の夏』が今年最後のツアーに出た。
 本日の鹿児島県鹿児島市から四国の2県3都市を廻る。
     詳細は「役者のブログ」で・・・    

 鹿児島は仲道祐子さん、四国を植田伸子さんと、途中でピアニストが入れ替わる旅公演である。キャストは岸並、江上、能登、南保・・・今年の後半のツアーを担ったメンバーでお届けします。
                                
 さて、拠点の下北沢のパラータでは、1階で『恋でいっぱいの森』、3階で『臨時病室』の稽古・・・旅公演も含めて、3つの作品が同時に展開しています!

 『恋森』は、20日21日の二日間で、パラータという小空間から、中国5都市の大劇場で魅せられる動きへの変更を行いました。

 業界でいうところの「デハケ」、登場と退場の整理であります。
 つまりは、パラータでは劇場奧の2本の階段と、お客様が出入りするドアを使っていた動きから、中国の劇場機構に合わせた構成に組み直したわけである。

 もちろん6月には未消化だったシーンや、出来てたのに久しぶりに当たったら「あれ?」という場面、勿論新しいアイデアから生まれるやりとりなど、これから細かな部分を“進化”させて行くわけである。

 で。この創造的な産みの苦しみとは別に…

 芝居というのは、言うまでもなく、役者だけでは出来ない。
 多くの裏方さん達の力が必要だ。照明や音響などの技術スタッフは勿論、こまごました、けれども重要な仕事は劇団内で回す。……通常は、その公演に出演しない役者が担当する。

 けれども中国では、『恋森』の役者が『臨時』の裏、『臨時』に出ていた者が『恋森』では支える側に、と持ちつ持たれつな体制で臨まざるを得ない。
 が、前述した通り、今は同時に稽古(及び旅公演)を行っていて、けれど体は一つだから・・・いや、本当に大変です。
劇団の若手がそのあたりの繋ぎ目となって、非常に頑張ってくれています。

 最近は「下積み」という言葉が、言葉どころか、そのような行為そのものが絶滅危惧種に指定されるよーな流れです。
 まあ、僕もグズグズな世代なので、絶対的な支持者ではないし・・・「勉強になるから」と強制させるのは違うとも思うのだけれど、一方で、確かに「先輩の芸を盗む」ことができるのも確かなのだ・・・。

 9月も終わりだというのに、まだまだ暑いから、若手に限らず中堅からベテランまで、皆シンドイとは思うが、二兎を追う者は一兎を得ず、どころか2作品持って5都市を・・・この九州・四国を足したら、3兎を追って2国9都市を・・・巡るってんだから、ここはグッと歯を食いしばるところなのだ、きっと。

 でも、人は弱いものでもある・・・
 是非、東演に励ましの声を(笑)

コメント (5)
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