麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

イナダ組

2008年12月12日 | 鑑賞
 電子ぴあのweb上でも特設ページがある「東京演劇フェス08」。
 その中の観客へのインタビューで期待するカンパニーはどこ?という問いに、もっとも多く挙がっていたのが「イナダ組」だった。

 そんな高い注目度の北海道代表は、シアターアプルを一杯の観客で埋めていた。

 しかも広い舞台には、別役ばりにベンチ(舞台上手)と電柱(舞台下手)があり、中央にぽつんと、立つこともままならない小さな2畳ほどの段ボールハウスがひとつ。
 場面転換もなく、たった六人の俳優で一時間五十分、独特の、濃密な世界を繰り広げた、意欲は「買い」でした。

 重ねて、他が明るく楽しい世界で勝負をかけてくる中。。。いや8本全て観てないので軽々しくは言えないけど。。。そのあたりも「やる~」と思いました。

 とはいえ、笑いがないってわけじゃなく。むしろ、飄々としたタイトルロール「コバルトさん」を演じた役者(名前がわからない)の軽妙洒脱な芝居に、会場は大いに湧いていた。

 今さらですが。。。まぁ、冒頭の説明で気付いた方も多いとは思いますが。。。公園の中の段ボールハウスが舞台。つまり主人公はホームレスで、ネットカフェ難民と、そこから零れ落ちてコバルトさん宅に居候する男といった登場人物たちによる“現代ド真ん中”な芝居でありました。

 そこはそれ、演劇であり、テレビのドキュメントじゃないから、ダッチワイフのあさこさんが、実在のあさこさんになったりする幻想も作品の柱になっておりました。

「今」への批評性とファンタジーのバランスも良く、きっとそのあたりにファンも多いのだろうなあ…。

 カーテンコールは、役者たちも驚きのトリプル……、あの熱い拍手から、どうやらグランプリは「イナダ組」で決まりか?。。。繰り返しますが全部観たわけじゃないんです。

 僕的には、観た4本の中では「白A」が一番面白かった。
 はてさてグランプリは、どのカンパニーの手に???
コメント
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