麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

覇王別姫

2018年06月15日 | 鑑賞
県名より県庁所在都市のほうが
有名なところがある。
・・・例は挙げない

中国の湖北省と言われても
ピンと来ない人も武漢と聞けば、
「あ、聞いたことあるぞ」と。

長江中流域最大の都市で、
漢口・漢陽・武昌の三鎮からなり、
かつては工業都市として栄えた街。



昨夜、「湖北省京劇院」の
『項羽と劉邦~覇王別姫』を観た。
日中平和友好条約締結40周年記念の
東京芸術劇場プレイハウスでの公演。

湖北省話劇院と交流があったのは
以前いた「劇団東演」の代表作のひとつ
『長江~乗合い船』という作品が端緒。

作家・沈虹光さんが湖北省の重鎮。
その縁から、まず2002年に、
日中国交正常化30周年記念公演を、
上海・武漢・広州と展開した。
『長江』『そして、あなたに逢えた』。
日中の現代劇二本を携えて……。

あの頃の武漢は、工業都市からの
転換のさなかで空はスモッグで覆われ、
街も「旧時代」に重心が残っていた。

2007年、同35周年記念公演は
大連・長春・北京・武漢・上海。
同じく沈さんの『幸せの日々』と、
シェイクスピアをコラージュした
音楽劇『恋でいっぱいの森』という
ラインナップでの巡演。

三年に一度開催される芸術全般の
国家的祭典「中国芸術祭」があり、
武漢には最新鋭のハコモノが建ち、
それを繋ぐ道路等のインフラも
徹底的に整備され、五年前とは
まるで違う装いに……。

湖北省話劇院も自前のビルを建て、
上層階の事務所、稽古場のほかは
ホテルとレストランを運営して、
「自立」へ歩み出していた。

02年の訪中は、日本の文化助成に
まだ勢いがあって、中国三都市を
自力で回り切ったのだが、07年は
武漢や上海など、古いつきあいの
劇団から、逆にもてなされた。

・・・と、これらはあくまで
日本で言う現代劇の劇団「話劇院」
との話で、昨日観たのは、
中国の伝統芸能「京劇」だ。

ただ。
日本の歌舞伎が現代のエッセンスを
取り込んでいるように『項羽と劉邦』も
照明しかり演出しかり、かなり「今」な
創り方をしていたように感じられた。

そうそう。
上海の雑技団を「本場」で観た際に
イマヒトツだな~と思ったのだが、
一軍はヨーロッパツアー中ですと
後から聞いて、納得した。

いまやコンテンツは大事な「輸出品」。
「京劇」も伝統を重んじながら、
外国人にも解りやすい創りにして、
世界をサーキットしているのかな?
と帰り道に、ふと。


コメント
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