麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

『喪服~』のプレイベント2

2018年07月23日 | 制作公演関連
熊谷が、ついに日本一暑い街を
奪還した7月23日の、両国。



M.B.E.プロジェクトは
『喪服の似合うエレクトラ』の
プレ・イベントの第二弾を開催。

「オニールと海」と題した
拓殖大学の大森裕二准教授の
レクチャーに始まり、続いて
9人の俳優によるリーディング
『カーディフさして東へ』
(Bound East for Cardiff )

1920年、ブロードウェイで
初演された『カーディフ~』は
ピュリッツアー賞を受賞し、
オニールが劇作家として立つ
端緒となった。

さて、さる6月10日の弊ブログ。
プレvol.1の際には、作者について
わりとボリュームを割いたので、
今回は『喪服~』の本編について
少々書いてみようと思う。

一部から三部まである壮大な戯曲で、
それぞれがひとつの作品として成立。
ゆえに各部の単独上演が多い。
あるいは三部作をダイジェストで
披露されることもある。

が本年秋、M.B.E.プロジェクトでは
一~三部をノーカット一挙上演!
休憩を含めると七時間を超す
無謀な企みに挑戦するのである。

舞台はニュー・イングランド
(米北東部のマサチューセッツ等
六州の総称で、中心はボストン)の
美しい港町の郊外にある広大な屋敷。
ギリシャ神殿風・・・とト書きに。

このマノン邸で繰り広げられる
家族間の激しすぎる愛憎劇は、
建物ばかりでなく筋書としても
ギリシャ悲劇『エレクトラ』に
添った戯曲となっている。

英雄・アガメムノンが、その妻と
愛人に殺される。娘のエレクトラ、
弟のオレステスがその復讐を……。
アイスキュロスのほかに、
ソフォクレス、エウリピデスが
描いた名作の名を冠した『喪服~』
だが、エレクトラは登場しない。

復讐の娘はラヴィニア。
その弟はオリン。
戦場から帰還する父マノン、
その妻・クリスティーンと
愛人のブラントが主要人物。

人物や人間関係に加えて、
トロイア戦争を南北戦争にと
背景も巧みに置き換えた作品だ。



おかげさまで超満員で終えた
vol.2。次回は8月9日、同じく19時。
シアターΧのロビーにて。




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