サーブ、レシーブときてトスの章
・・・とくれば、鳥栖を拠点にする
「SAGA久光スプリングス」から
話を始めねばならないだろう。
高校三冠(東九州龍谷)達成や
セリエAのイコモ入団など、
左腕から繰り出す強烈なスパイクで
道を切り拓いた長岡望悠(みゆ)。
彼女も大きな期待を背負いながら
怪我に泣いたプレーヤーの一人だ。
代表で首に提げたメダルは
意外にもグラチャン2013の銅のみ。
久光の背番号1は現在32歳。
ベテランとなった。
「東龍」三冠をともに成し遂げた相棒
同級生セッターの栄絵里香や、
父、弟もバレーボーラーで、
かつ全員が全日本を経験の
キャプテン大竹里歩、
2021、22年の春高連覇の原動力
「最強ツインズ」の姉・深澤めぐみ
(同大会、個人では2年連続MVP)
らを擁するチームのキャラクターは
「ハルちゃん」
スプリングスの春に加えて、
久光の看板商品サロンパスの
〈貼る〉の意もまとった
春告鳥のメジロがモチーフ。
構想としては、サッカーより早く
プロリーグ化に踏み出したバレーボール。
残念ながら、そのチャレンジは何度も頓挫し、
次々と他の競技に先を越されてしまった。
だが、関係者の努力で漸く船は港に着いた。
まだ岸を離れていないし、漕ぎ出しても尚、
波は決して低くないだろう。
だがだが! 海外の高いブロックを
撃ち抜いてきたように新リーグも
と、昔々バレーボールを囓った初老は
強く、願う。