昔むかしあるところに……
で始まる昔話はたくさんあって、
桃太郎に浦島太郎に金太郎などなど
中でも太郎噺はいっぱいある。
おつかれ太郎の主人公は、
演劇ライターの鈴木太郎で、
「太郎さん、おつかれさまでした」
という、お伽噺じゃなく現在の話だ。
平日に代休をもらって出社した金曜日に
わたしの机に置いてあった葉書が、
くだんの鈴木太郎さんからの引退の挨拶。
新聞記者時代、演劇の担当になった太郎さんは
当時若手だった我々の良き先輩……というより
ほぼほぼ仲間であった。
若い新劇制作者が戯れに作った会の「顧問」として
呑み会にもよく顔を出してくれた。
・・・と回顧すると、まるで亡くなったようだが、
まだまだ元気である。
詩人の顔も持ち、下は詩集の一部。
ネット検索すると俳人の鈴木太郎
(面識はないが大学の先輩にあたり、
本名が実弟と同じだが、それは別の話)に
当たるけれど、我らが太郎さんは少し年上だ。
横浜市議や茨城出身のプロ雀士にもヒットする。
我らが太郎さんは、京都出身。
『六月の十日間』(ふきのとう書房刊)は
≪二〇〇〇年というひとつの区切りの年になって、
無性に詩集をまとめてみたくなりました≫
と、同書あとがきにある。
60歳の節目に出た11年ぶりの詩集。
30編弱が収めらている。
神戸淡路大震災のことや、沖縄行のこと、
平和について、労働についてなどなど盛沢山。
COVID-19禍なので、少し我慢するが、
そのうち労いの会を開こうと思っている。
繰り返しになるけれど、最後にもう一度
「太郎さん、おつかれさまでした」。
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