自転車に乗っていて
ちょっとした段差の直前で
前輪をひょいと上げて
越えるのが好きだった
タイミングよく行った時は
尚更昂揚感が高くなった!
タイミングと書いたが、
「ひょい」がなかなかに微妙で
ビタったとはまることは
毎度じゃない・・・あっいや、
毎度じゃないのは私の場合で
センスのある人は百発百中ないし
100%でなくとも高打率なのかも。
幼なじみの「じっちゃん」は
先に補助輪も取れたが、
運動神経が鈍い上に
おっかなびっくりの性格で
チャリをマスターするのが遅かった。
アスリートが「小さい頃は病弱で、
その克服に」始めたスポーツで
世界に飛躍する話はよく耳にする。
それとは比較にならないけれど、
小4から小5の春休みに
突如身長が伸びたあたりから
医者にも罹らず、体育の授業では
ジャンケンする側に回った。
チーム分けに当たりキャプテンが
勝った順に必要なプレーヤーを
指名するのだけれど、
名前を呼ばれるのが遅かった。
嗚呼、あの「待つドキドキ」は
ひょいとはまた別の幼い頃の
独特の感覚だ。
今は自転車に乗らないけれど、
暮らしている中にあっても、
ちょっとした段差はあるから
……勿論、この場合のそれは、
物理的なものじゃなく、
仕事や人間関係を指すが……
ひょいと越えられたら嬉しい。
ただ「ひょい」には無心も肝要。
寄る年波、つい雑念が混じりがちで
ハマらないことが多い。