武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

鳩山の 「李下の冠」

2009年10月11日 | 国際外交の真実

鳩山由紀夫の日韓会談と日中韓会談。
鳩山という人は、麻生のような薄らバカではないが、言動を見るにつけ、危ういところがあり、特に外交音痴のようだ。現実政治において友愛という言葉を使う場合、同じ文化、同じ境遇においてこそ意味を持つのであり、異なる文化、異なる政治形態においては、食い物にされるだけだ。一国の宰相として、アジア外交を切り結ぶには、鳩山の考えは甘すぎる。かつて日本を除くアジアの国々が、なぜ欧米列強に植民地化され、隷属の悲哀を味わったのか、その分析と理解が必要だ。
さて、日中韓3ヶ国会談で、温家宝と李明博を前にして鳩山は、「日本は今まで米国に依存しすぎた。これからはアジア重視でやっていきたい」と発言した。
アジア重視は良いが、米国依存症であることを自ら認め、その言質には今後、米国離れを宣言するようなニュアンスを述べたことは、自ら外交音痴を証明したようなものだ。何も米国を引き合いに出す必要はない。こういう発言はすぐにワシントンに伝わり、日本に対する不信に変わるだろう。
さらに、本ページはあえて言わなかったが、やはり中国サイドから疑心暗鬼の声が漏れてきた。それは日中韓3ヶ国会談の前日に、日韓2ヶ国会談をやったことだ。日韓で口裏を合わせたのではないかという、裏読みを中国にされてしまった。結局は中国の妬みと猜疑心のなせる業ではあるが、そういうところにアジア外交の難しさがあり、細心の注意を払わなければならないのだが、鳩山外交は、まるで無頓着のように見える。日韓会談は、韓国サイドからの執拗な誘いで実現したものだが、次の日に北京で3ヶ国会談が控えているというのに、日韓会談を持ったのは、「李下に冠を正さず」で、そうすべきではなかった。アジアの国は、「だめもと200%」で要求するのが普通だから、お人好しの日本人はすぐに騙される。
さて、例の東アジア共同体構想は、中国に軽くあしらわれたという。本ページは、その構想は幻想であり絵空事であると論評したが、中国の腹の中は、あくまでも中国主導のアジア共同体であり、そこに日本が臣下の礼をとって、加入すればよし、そうでなければアジアから締め出すぞという長期戦略を練っている。その意味において、日本は米国のカードを捨てて、中国にすり寄ろうとするならば、中国からも米国からも「しっぺ返し」が必ずやって来る。
中国も韓国も表向きは近代的なビル群が首都に林立しているが、内実は非近代的な「村国家」であるということを理解し、アジア戦略を構築しなければ、日本外交など赤子の手をひねるようなものだ。
前原誠司。
次々と手を打っている。
東京外環道路(練馬~世田谷間16キロメートル)の事業費計71億円の9割以上を執行停止した。都の幹部は「都の意見を一切聞かなかった。これでは非民主党だ」と嘆いたそうな。利権猿どもの嘆きだから気にする必要はない。
外環道建設は1966年に、16キロに及ぶ練馬~世田谷間が計画されたが、地元の反対運動で凍結。1999年に都知事に就任した石原慎太郎が、「渋滞は東京の致命的な欠点」として計画が再び動き出した。それから10年が経った。しかし何も進んでいない。なぜなら地元住民の反対が根強いから土地買収が進まない。計画から43年、石原の鶴の一声から10年、その間、国交省と都は調査費と称して年間何十億円もの金、上記のように71億円もの金を無駄に使って来た。自民党、国交省官僚と石原の目的は、結果を成し遂げるということではなく、永遠なるプロセスの継続である。
そういう利権事業は前原大臣の一言で潰す。そして破壊の後に建設が始まる。あるいは東京遷都だ。東京外環道露のコストは1メートルにつき1億円といわれる。1キロメートルの道路を作るのに一千億円。16キロでは1兆6千億円の計算になる。
環八のひどい渋滞は承知の上だが、ダイアモンドを散りばめるような、道路はいらない。我々は、世界で一番の大借金国なのだ。財務省発表でも870兆円の赤字を抱えているという現実を噛みしめる必要がある。(注:財務省が発表する度に借金の金額が減る怪奇現象があるが)
★ダム。
利賀ダム(富山県南砺市)は、2008年度の完成予定が2022年度にずれ込み、総事業費も900億円から1150億円にふくらんでいる。国交省の責任者を呼んで、なぜこうなったか説明してもらいたいものだ。日本のダム建設は、こういう話ばかりだ。
つまり自民党と国交省官僚は、ダム麻薬の中毒患者ではないか。
★国土交通省と農林水産省。
会計検査院は、国の補助金が不正流用されたとして、26府県の不正経理を指摘した。 これだけ聞くと、他の県は問題なかったのかと思うが、実は調査したのは26府県だけだったから、つまり100%の府県で公金の不正流用があったということだ。
愛知、千葉、茨城、岩手、福井、徳島、愛媛、熊本、沖縄などの県では物品を架空発注し、業者に資金をプールさせる「預け」や「差し替え」、そして「別給料」なるものを支給していたという。不正経理の総額は発覚しただけで、ここ数年のスパンで25億円以上にもなる。不正金額が最も大きかったのは、千葉県。何と総額30億円の不正があった。公金がいったん裏金化すると、職員は着服を始め、横領事件になり、懲戒免職という人生の破滅をもたらす。この他に、政令市でも大阪市、千葉市で不正が見つかった。
★赤松広隆。
一昨日、ワシントンにいた。米国農務省と会談を持ったが、日米FTAには一切触れなかったという。同行した記者からそれを突っ込まれると、赤松広隆は苛立ち、最後は15分で記者会見を一方的に打ち切った。
赤松は 「FTAは農業だけの問題ではない。責任者は外務大臣だ」と赤松は切れたという。この背景にあるものは、まず赤松はFTAをやりたくない。日本の農家は絶対反対だ。 それならそうと政策を打ち出すべきだ。 虚偽と欺瞞の政治は自民党で終わりにしてくれ。
(ムラマサ、鋭く斬る)

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