(上から続く)
★2010年予算と国債発行。
「95兆円の概算要求か。しかもプラスαの(事項要求)が付くから100兆円規模かな」
「その事項要求というのは何?」
「金額を記載しないで、予算を要求することだね。平たく言えば(おねだり)」
「麻生の来年度予算は、88兆円プラス7兆円で95兆円だった」
「民主党はそれを上回ったから、自民党もびっくり」
「財務大臣の藤井はカンカンだ。事項要求など、ゼロ査定だと斬って捨てた。そして95兆円の査定は切りまくると見得を切ったが」
「日本は900兆円にもなろうかという大借金を抱えている。鳩山は、国債発行の自民党はデタラメだ。民主党は赤字国債など発行しないと叫んでいたが、鳩山も菅直人も今では、赤字国債やむなしとアナウンスし始めた」
「でもさ、国債は外国へ売るんじゃなくて、日本人が買うわけだから、問題無いという意見はあるし、そういう説を述べる経済学者もいるけど」
「それは決定的に間違いだ」
「じゅうめい教授に講義してもらおう」
「なぜ、それが間違いかを説明すると、国債発行を例えて言えば、夫が妻から借金するようなもので家計から見れば問題無いという意見が、テレビに出るエコノミストから出される。野村総研のリチャード・クーなどだが、それは間違った考え方だ。国債の借金を負担するのは、国民一人ひとりだ。国債を発行すれば、近い将来、必ずその償還が来る。同時に金利も払わなければならない。それを払うのは将来世代の国民だ。だから良心的なエコノミスは、子孫に借金を押し付けるなと言っているのは、このことなのだ」
「しかし、国債の購入者が外国人である場合は問題だが、日本人であるなら問題は無いような気がする。なぜなら日本人の場合、金利分の富は国内に留まる。国内で回していれば、富が海外へ流れることはない。財政赤字の借金は同時に日本国民の債権になる。だからそれほど心配しなくてもいいのでは」
「それは違う。国債を外国人が買おうが、日本人が買おうが、問題の本質は同じだ。外国人の場合は、利子所得が海外へ流れる分、その弊害が如実に表われるだけに過ぎない。それに日本人が利益を得ても、マネーはグローバルに旅行する。強い円が、米国のサブプライムに流れ、その他の投機マネーに使われた結果、破綻したのがリーマンショックであり、アイスランドだ。いずれ将来、国債の償還がやってくる。それを負担する為には増税が必要になる。つまり消費税をアップせざるを得ない。第一ステージは、現行5%から8%〜10%へと上昇する。その次のステージは15%へ上る。それを正当化するセリフは、福祉の為には予算が必要だ。ヨーロッパでは15〜20%の消費税は当たり前だという宣伝が繰り返されることになる」
「国債発行は、やがては消費税をアップさせるということか」
「そういうこと。消費税というのは直接税だから、金持ちも貧乏人も等しく消費税を払う。要するに国債を保有する高額所得者へ利子を払う為に、貧困者が消費税を払うという構図になる。つまり所得格差を広げる形で、富の再配分が行なわれる。それは再配分というより、(逆所得配分システム)と呼ぶ。つまり金持ちは働かずして所得が増大し、貧困者は金持ちのために働くことを意味する。つまり格差がドンドン広がる。この逆所得配分こそ、国債発行による将来世代の負担になる。近代経済学の父であるアダム・スミスは、(国債は、税金を担保とする借金で非生産的であり、国家を滅ぼす)とまで明言している」
「フ〜ン、なるほどね。分かりやすかった。さすが、じゅうめい教授ね」
「夫が妻から借金をするのではなく、妻が銀行から金を借りて夫に渡しているようなものだ。借金が増えれば金利も膨らみ、最後は返済不能に陥り、破産に至る」
「だから、収入内で生活をする。これは鉄則だし、国家にも当てはまる」
(ムラマサ、鋭く斬る)
★(さとしさんへ、私の立ち位置は、節目で明らかにしていますが、現時点では民主党支持であり、鳩山支持です。本ページのムチは民主党を鍛える為です。自民党は腐敗の沼にどっぷりと頭まで浸かり、その為に、総選挙では再起不能までに敗残の辛苦を舐めたということでしょう。その象徴は中川昭一の死ではないですか。自民党の本質は、政治の主役ではなく、主役である官僚帝国に仕える用心棒にしか過ぎません。だから権力をいまだ掌握している官僚が、自民党をかばい、民主党を攻撃しているのでしょう。その動きを肌で感じているのは小沢一郎ではないですか。さて、民主党政権は1ヶ月が経ったばかりですが、前原、長妻、仙谷、古川はよく頑張っています。前原の支持率70%、鳩山の支持率75%に表われています。