CDの時代になって久しく それまで 音楽を聴く主たる方法だった LPレコード盤、シングル盤、カセットテープ等は 大概 押入れや物置で眠っているか、または 廃棄処分されてしまったか いずれかだと思う。
物をなかなか捨てられないM男の場合は 前者であり 長らく ダンボール箱に詰め込んで 不要物として保管していた。
最近になって 余程 時間を持て余している日に限るが 気まぐれに ダンボール箱に詰め込んである LPレコード盤やシングル盤、カセットテープ等を 引っ張り出し 懐かしがり プレーヤーで 聴いてみたりするようになっている。
先日 シングル盤に混じって ソノシートが 何枚か 出てきた。それこそ 何十年前のものであリ 実際 プレーヤーで聴いた覚えもないものばかりである。
「ソノシート?」、「なんじゃそれ?」と 言われてしまいそうである。
昭和30年代から40年代、日本の労働者の平均的月収が まだ1万円前後だった時代、音楽を聴くための方法、LPレコード盤が 2,000円~3,000円、シングル盤でも 300円位しており 当時の若者、M男もそうであったが 欲しくても おいそれと手を出せなかった時代だったが そんな客層向けに フィルムのように薄く ペラペラな盤に 片面だけプレスした レコード盤の代用品のような 安価な ソノシートが 発売されていたのだ。
ソノシートは 当然 音質は劣っており 高度成長、経済的に豊かになるにつれ レコード盤主流となっていき 必然的に 姿を消していった。
そのレコード盤も さらに高音質のCDが普及すると あっという間に 追いやられてしまっている。
ソノシート 4枚組の 「ビクター ヒット ソング8」(歌謡曲 8曲)、定価は 380円、
有楽町で会いましょう(フランク永井)、落ち葉しぐれ(三浦洸一)、ガード下の靴みがき(宮城まり子)、湯島の白梅(小畑実)、高原の駅よさようなら(小畑実)、アルプスの牧場(灰田勝彦)、桑港のチャイナタウン(渡辺はま子)、おばこマドロス(野村雪子)
「和田弘とマヒナスターズ・お座敷小唄」(歌謡曲8曲)
M男自身 ソノシートを買い求めた記憶がなく まして 当時 学生だったM男 歌謡曲には ほとんど関心なかったので 多分 後年 北陸の実家解体の際 「とりあえず 貰っておこう」等として 持ち帰ったものだと思われる。
「昭和の日」に 昭和の人間 M男が ふと 思い出した 昭和の話である。