先日 ある方のブログの「自己紹介欄」に 目が留ってしまいました。
「古希過ギタリト謂エドモ残日ヲ数エズ我カッテ夢見シ創造ノ世界ヲ気ママニ逍遥セリ。「残日録とは 日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」ノ意ナリ。
藤沢周平著 「三屋清左衛門残日録」の 一節から 引用された まさに 名文です。
後期高齢者の自分も 多分 こんなような心境で ブログを始め、続けているんじゃないかな・・ 等と 思えて なんだかうれしくなっています。
「残日録」とは
「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シの意でな。残る日を数えようというわけではない」
嫁の里江の問いかけに 三屋清左衛門が 答えた一節です。
「三屋清左衛門残日録」は テレビドラマで 見た記憶ありですが これまで 本は読んだことがありませんでした。
早速 入手し 読み切りました。
東北の小藩の用人だった 三屋清左衛門が 家督を長男に譲り 隠居の身分になってからの日記という意味合いの題名ですが、現役を退いた後の寂寥感や引退しても尚頼られる充実感、老いた身を襲う悔恨、少年時代の友人や同じ道場に通った先輩後輩、元の同僚等々 同年輩との関わり、また 藩の派閥争いに巻き込まれ 痛快に処していくといった内容の 時代小説です。
作者の意図でもありましょう。高齢化社会の現代の定年退職後の生き方にも通じる文章が随所に見られ 味わい深いものがあります。
藤沢周平著 「三屋清左衛門残日録」