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藤沢周平著 「刺客・用心棒日月抄」

2019年01月28日 15時28分11秒 | 読書記

図書館から借りていた 藤沢周平著 「刺客・用心棒日月抄」 (新潮社)を 読み終えた。
先日 読んだ 「孤剣・用心棒日月抄」の続編、「用心棒日月抄シリーズ」第3作目の作品である。

「刺客・用心棒日月抄(しきゃく・ようじんぼうじつげつしょう)」

(目次)
「陰の頭領」、「再会」、「番場町別宅」、「襲撃」、「梅雨の音」、「隠れ蓑」、「薄暮の決闘」、「黒幕の死」

前作で 主人公青江又八郎は 連判状を取り戻して東北の架空の小藩に帰藩し 藩の政争に区切りがついたかに見えたのも束の間、深夜 数年前に藩政から退いていた元家老の谷口権七郎から 又八郎は呼び出され 藩主の伯父志摩守寿庵保方が お家乗っ取りの策謀を企て、佐知が組している江戸の嗅足組を壊滅させるべく 5人の刺客を送り出したことを知らされる。
又八郎は その刺客を消して、嗅足組を擁護する密命を受ける。実は 谷口権七郎こそ 藩の陰の組織 嗅足組の陰の頭領であり、佐知の父親であることを知る。
又八郎は 刺客を消すための刺客として またもや脱藩し 江戸に向かい、裏店に住まいし、暮らしの糧を得るため 口入れ屋の相模屋吉蔵が斡旋する用心棒等をしながら 5人の刺客との壮絶な闘いを繰り返す。かろうじて 死地をくぐり抜け 又八郎は 帰藩するが 役割は まだ終わりではなかった。
谷口権七郎、間宮作左衛門と謀り 志摩守寿庵保方を上意討ち後 藩政が落ち着き、筆頭家老になった間宮作左衛門から 20石の加増を受けたところで 物語が終わっている。

「あとがき」で 作者は 「用心棒日月抄シリーズ」は 元々、忠臣蔵を横から眺めるという体裁の最初の1冊 「用心棒日月抄」で終わるはずの小説だったと 述べている。
それが 小説の中の登場人物との付き合いが深まり 特に 主人公 青江又八郎をこれ以上浪人にさせておくにしのびない等という思いから 「孤剣」、「刺客」と 書き続けることになり さらに 後日談があるかも知れない等と 結んでいる。

次作、用心棒日月抄シリーズ第4作目、「凶刃・用心棒日月抄」が 最終作品、その後日談になるのだろう。
第3作目 「刺客・用心棒日月抄」から16年後、40才を超えた青江又八郎が またまた密命を受けて江戸に向かい 藩の重大な秘密についての争いに巻き込まれていき 長年交情の佐知との関係に決着をつける作品になっているという。

(「凶刃・用心棒日月抄」に つづく)


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