たけじいの気まぐれブログ

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ジイチャとバアチャ その4(再)

2023年12月30日 13時57分42秒 | M男のあの日あの頃(the good old days)

その4
「ジイチャと煙草入れ」

昭和20年代、M男が、小学生だった頃の話である。
祖父のことを「ジイチャ」と呼んでいたが、「ジイチャ」は、木工、工作が得意だったようで、ある時期、「刻み煙草(きざみたばこ)」を詰めて持ち歩く道具、「煙草入れ(たばこいれ)」 を作るのに、精を出していたことがあった。
その頃、M男の家では、「ジイチャ」も、「バアチャ」も、「トウチャ」も、喫煙者だったが、「巻き煙草(まきたばこ)」がまだふんだんに普及していなかったのか、貧しくて買えなかったのか、主に、煙管(きせる)刻み煙草を詰めて吸っていたような気がする。長時間、外出の際等には、「煙草入れ」を腰に差して出掛ける姿が記憶に残っている。
M男の住んでいた山村には、当時、ブナの木の製材工場が有って、製材後の切れ端が山積みになっているのを、登下校途中、見ていたが、おそらく、「ジイチャ」は、何らかの手蔓で、そのブナの切れ端を貰い受けて、「煙草入れ」を作ろうと考えたのではないかと思う。
電動工具等一切無かった時代、全て手作業、鋸(のこぎり)で、10cm×10cm×5cm程度のブロックにした後、本体部と蓋部に切り分け、それぞれを、鑿(のみ)等で時間を掛けて、彫り抜いて、丁寧に削り、最後には、丸みを帯びた煙草入れに仕上がげていくのである。
出来上がった後も、鑢(やすり)木賊(とくさ)で、木目がピカピカになるまで磨いていたような気がする。
本体部と蓋部が、ピタッとおさまった完成品は、子供のM男から見て、ものすごく立派なものに思われ、「ジイチャ」って大したものだと、尊敬の目で見た覚えがある。
出来、不出来もあったようだが、次々と作り、下駄と同様、親戚、近所隣りの喫煙者にプレゼントし 喜ばれていたようだった。
その、「ジイチャ」の「煙草入れ」作りも、もしかしたら、1~2年間だったのかも知れない。隣り町の印刷店に勤めていた「トウチャ」等は、いつのまにか、巻き煙草、「いこい」や「ピース」を主に吸うようになり、「煙草入れ」を使うことが無くなっていたし、あっという間に「刻み煙草」は、姿を消していったような気がする。「ジイチャ」、「バアチャ」は、「巻き煙草」に変わっても、煙管を使い、1cm足りとも残さず、最後の最後まで吸っていたようではあったが。
「ジイチャ」の作っていた「煙草入れ」が、どんな物だったかの記憶も曖昧になっているが、ネットに、昔の喫煙具について大変詳しいサイトを見付け、参考にさせていただいた。
⇨ ともさんの「たばこの文化」

(拝借した「煙草入れ」の画像)

(つづく)


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