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上田秀人著 「武士の職分」

2024年04月14日 11時53分17秒 | 読書記

図書館から借りていた、上田秀人著 江戸役人物語「武士の職分」(角川文庫)を、読み終えた。数年前まで、読書の習慣などまるで無かった爺さん、作家上田秀人についても、その作品についても、ほとんど無知だったが、最近になって、相互フォロワー登録している方のブログで知り、読んでみたい気分になり、先日、初めて、「峠道・鷹の見た風景」を読んだばかりだった。今回も、内容等、事前情報ゼロで、ふっと手を伸ばして借りてきた書だったが、短編、4篇からなる構成で、時代小説というより、江戸時代の幕府の役職で、あまりよく知られていないような役職について、具体的な事例で解説している風な作品だった。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。


▢目次
 変わった役職についてのまえがき
 第一章 表御番医師の章、あとがき
 第二章 奥右筆の章、あとがき
 第三章 目付の章、あとがき
 第四章 小納戸の章、あとがき

◯「表御番医師」とは、
 江戸城内で発生する傷害事故等に携わる町医者。
 世襲を旨とする幕府が、唯一実力主義を徹底した医師のこと。
 矢切良衛、お城坊主、土井縫殿助利意、吉佐鶏庵、 
◯「奥右筆」とは、
 大名、旗本等の届け出や陳情等を、裁量出来る役職で、
 大名、旗本は、敵に回すことを最も恐れた役職。
 江田参左衛門、
◯「目付」とは、
 大名、旗本の非違観察や、江戸城中の安穏を守る役職。旗本の俊英が選ばれる。
 公正厳粛、清廉潔白、親兄弟であろうと罪を暴き、なりふりかまわぬ手柄を求めた役職。
 多田朔馬、美保、左兵衛、
◯「小納戸」とは、
 「若年寄」の支配下で、将軍の身の回りの世話をする役職。
 身分は低いが、出世する可能性が大で、人が羨む役職だが、
 将軍に嫌われて、
お手討ちもありえた。
 柳沢保明、堀田筑前守正俊、徳川綱吉、桂昌院、亮賢、稲葉石見守正休、大久保加賀守忠朝、

これまで読んできた時代小説にも、随所に登場している江戸時代の役職名であり、なんとなくその職分について、分かっているような気がしていたが、著者が、新たな観点と筆致で、その職分の在り方、武士、役人達の熾烈な競争、闘い、宮仕えの真髄を描いている。





    



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