図書館から借りていた、内館牧子著、「すぐ死ぬんだから」(講談社)を読み終えた。著者の、「高齢者小説」と言われるベストセラー、「今度生まれたら」、「終わった人」、「すぐ死ぬんだから」、「老害の人」のひとつだ。読書初心者の爺さん、つい最近、初めて、内館牧子の作品、「今度生まれたら」を読んだものだが、著者の、歯に衣着せぬ、痛快な文体に惹かれてしまい、他の著書も読みたくなり、借りてきたものだ。
▢目次
第1章 ~ 第8章、
あとがき
- ▢主な登場人物
忍ハナ(主人公、私、78歳)、忍岩造(ハナの夫、79歳)、
忍雪男(岩造・ハナの長男、忍酒店店主)、由美(雪男の妻)
忍雅彦(雪男・由美の長男、ハナの孫)、
いづみ(雪男・由美の長女、19歳、学生、ハナの孫)
黒井苺(岩造・ハナの長女、黒井和夫の妻、50歳、ブロガー「ブラックベリー」)
マリ子(黒井和夫・苺の長女、ハロルドの妻、ハナの孫)
森薫(内科医、68歳)、森岩太郎(薫の長男、36歳)、
雅江、明美、 - ▢あらすじ
年を取れば、誰だって退化する。鈍くなる。緩くなる。くどくなる。愚痴になる。淋しがる。同情を引きたがる。ケチになる。どうせ「すぐ死ぬんだから」となる。そのくせ。「好奇心が強くて生涯現役だ」と言いたがる。身なりにかまわなくなる。なのに「若い」と言われたがる。孫自慢に、病気自慢に、元気自慢。これが世の爺サン、婆サンの現実だ。この現実を少しでも遠ざける気合いと努力が、いい年の取り方につながる。間違いない。そう思っている私は、今年七十八歳になった。 - 第1章、冒頭の一節だが、言い当てられる部分も多々有り、なんとなく、物語の筋書き、展開に興味をそそられてしまう。
主人公の「私」、忍(おし)ハナは、78歳。夫岩造(79歳)と、東京の麻布で営んでいた酒店を息子雪男に譲り、近所のマンションで、二人暮らしをしているが、「人間、男も女も、六十代以上になったら、絶対に実年齢に見られてはならない。努力をするべきだ」という強い信条を持っており、実際、美しさと若さを保ち、街中で、シニア向け雑誌に取材されたりして、心の中では「ヤッター!と叫んでいる女性だ。夫岩造は、穏やかな男で?、「ハナと結婚してよかった」と、口癖のように言い、ハナも、そう思っていたのだったが・・・・。
息子雪男の画伯気取りの妻由美(嫁)には、不満があるものの、長女苺(いちご)や、雪男・由美の長男雅彦(孫)、長女いづみ(孫)に囲まれて、幸せな余生を過ごしていたハナだったが、その夫岩造が急死、そこから、ハナも、家族も、誰しも予期しなかった事実が明らかになり、思わぬ人生の変転が待ち受けていた。
森薫?とは、森岩太郎?とは、
「平気で生きて居る」、「偽装」、「一発かませる」、「老人の品格」、「フェイドアウト」、「角打ち(もっきり)」、「クソ面白くもない菩薩バアサン」、「泪割り」、「親子でも家族でも、他人なのだ。人は別々の心臓を持っているのだから、みんな他人だ」・・・。
ものおじしない性格のハナは、残りの人生、先がない人生に向かい、「やってやる!」とつぶやく。
「あとがき」で、著者は、
「すぐ死ぬんだから」というセリフは、高齢者にとって免罪符である。
と記述しておられる。
同感、共感、多々有り、肝に命じて、暮らしたいものだ。 - 続いて、「老害の人」も読んでみたくなり、予約してきた。
☼今日も猛暑の様ですが対策をして元気で頑張りましょ~ネ!
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