古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ことばの食卓   武田百合子・文 野中ユリ・画

2016-06-14 20:37:18 | 本の紹介
ステキな銅版画の挿絵の付いた本である。



百合子さん(もう何冊も読んでいるうちに



ついこう呼びたくなる)は食べることが何



より好きであり、「枇杷」も枇杷の実を八


個もぺろりと泰淳氏がモゴモゴと食す間に


食べてしまったと書いてある。僕が百合子


さんの文章で好きなのは、美味しいものを



上げつらってゆくのではなく、不味いもの


を食べてしまったことが書いてあるものだ。



「夏の終わり」も、オムレツをビルの四階


にある、いかにもおいしそうなオムレツやで


まずいオムレツを喰わされた、と書いておら


れる。この裏切られた感は、なんともおかし


みを誘う。ひどく可哀想になってしまうので


あるが……。
コメント
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