古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

死に急ぐ鯨たち    安倍公房

2016-06-22 15:02:13 | 本の紹介
公房文學、特に方舟さくら丸の絶好のテクスト


になっている。読み解くヒントになるだろう。


僕も方舟さくら丸は読んだが、どうして、トイ



レにハマるようなドジな人が主人公なのかな、と



思っていた。あと、興味深かったのは、言語の向


こう側には行けないということだ。どこまで行っ


ても言語の枠組みからは逃れられない。だから、人


間は感情を溢れさせると、狼狽えたり、戸惑った



りするんだナ、と思った。言語で説明のつくうちは


まだ安心していられるのだろう。あとひとつ、リーダ


ーの発生に関することで、火事に巻き込まれた人が、あ



る人が忘れ物をしたと言って、それを待っていて全員焼



け死んでしまった、というもの。文脈から外れたことを



するとリーダーになる、というのはなかなかおもしろ




く感じた。

コメント
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