古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

鶸(ひわ)    三木卓

2016-09-04 12:33:57 | 小説の紹介
第六十九回昭和48年上半期。


満州だろうか、冬の寒い様子が描かれ、父が


病気で死にそうになっている。兄は男に騙され


こてんぱにのされ、巻き返しを図ろうとする。


「少年」は少女に餅を買ってくれ、と言われ、


レインコートを破ることを条件に買うことにす


る。ここが僕はとても印象に残っている。そう


いう事柄が荒々しいタッチで、骨太に描かれて


ゆく。冬の骨身に染みる寒さが真夏にはちょ


っと涼しかったです。ラストのヒワを握り殺


す描写でこの短編の骨子は決まってくる。
コメント
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