古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

葉桜の日     鷺沢萌

2019-10-10 10:27:41 | 小説の紹介
新潮文庫      平成5年


鷺沢萌(さぎさわ・めぐむ)さんは2004年に36歳でこの世を去られている。


詳しくはわからなかったが、早すぎる死だ。


「葉桜の日」も芥川賞候補になったらしいが、前半部分さえもうちょっとうまく


描けてれば獲れてた思うが、後半はとてもおもしろく読めた。惜しいことをしたと


思う。


よく調べてあるし、会話も軽妙だ。ただ、同時に所収してある短編は楽しめなかっ


た。文章が随所に説明的で、ストーリーもよくわからないし、そもそもストーリー


じたいがあまりない。これはいかん、読めなかった。


「葉桜の日」は物語としても、小説としても、よくできていて、若書きという感じ


でもなかったし、芥川賞あげてもよかったんじゃないか、などと思ってしまうのだ


が、そんな優しくないよね、芥川賞…………合掌。


                               (鶴岡 卓哉)
コメント
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