新潮文庫 1999
詩というものは、時間をそっと言葉という容器に密閉し
保存しておくといった意味合いがあるのではないかと
思う。そういう意味では砂糖づけとは、甘くて、すみれ
の花をそっと甘く保存するという意味もあるこのタイトル
ステキ度は高いんじゃあないか。
江國女史は、都会的で、洗練された女であるだろう、と
思うのだが、この詩集を読めば、おのずとぼくの言う意味も
わかっていただけるだろう。
ぼくは恋とは、縁遠く、恋というものをあまりしたことが
ない男なのだが、この詩集には、ほのかに恋の味がする。
それも、ただの恋じゃない。危うく、脆く、時に、危険な恋
だ。あぁ、ぼくにはよくわかんないやつだなぁ、と諦めて
いるが、ここの指先に籠められた先を見なければいけない。
そうだ、詩の示す先を見つめなければならんのだよ、分かる
かね?(うーん、分からない)……合掌。