ちくま文庫 1989年
1989年っていうのも、この本の持つ重要な
意味かもしれない。CGも手ごろに使えないし、
全部アナログの写真っていうところ。そして、
なんともエロいところがいいじゃございません
か。
今どき、こんなずさんな本はない、っていうか、
世間が許さないと思う。それだけ、社会が寛容
っていうか、ゆるい、っていうか、受け入れて
くれたっていうのは逆にすごいなと思うわけで
ね。
本書のラストを飾る「似せ顔」とじゃいってみ
るものの、いってみれば、似てないからね、と
半ばキレられても仕方あるまい。
笑う写真って、自分で言っちゃってるも、今では
タブーでしょ。自分で言っちゃ、完全すべってる
って、とツッコミを入れられる。本だから、すべ
ってても分かんねえし、いいんじゃねえ? とぼ
くは半ば呆れながら、面白がっているのだった。