文藝春秋 1984年
1983年から行われていたベストエッセイ
を募集して、そこから、上位53篇をのせている。
どれもおもしろかった。一編だけ読み通せなかった
エッセイがあって、テレビ関係の人のだったが、
政治の内幕を刻々と描いたもので興味のない僕は
だめだった。ひとつ発見は、天津甘栗は天津には
ない、というもの。これは驚きだった。
ぼくのベストは水木しげるさんの失くそうにも
失くせないといういわくつきの安い300円の帽子の
話しだった。
84年ということでまだ戦争の話しとかもあって、
ぼくは戦争の話しはわりかし好きなので、その雰囲気
を味わえてよかった。
さすが、ベスト・エッセイ、たがわず読ませてくれた。