古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ミニヤコンカ奇跡の生還 松田宏也

2025-02-28 17:45:56 | 本の紹介

山と渓谷社 1982年

 

なぜ、山に登るのか? と云う問いに、そこに山が

 

あるからだ、と云うのは全く答えになっていない、

 

と云う教育を受けた僕に、手指や足を失うハメに

 

なるのになぜ山に登ろうとするのか、その気持ちなぞ

 

判ろうはずもない。

 

この本は、たった一人の生還、佐野三治氏の本に

 

出ていたのだが、丁度、手に入ったので読んでみた

 

と云う次第。専門用語がばんばん出て来るのだが、

 

それが一体どういった役目を果たし、どういう形状

 

をしているのか、どのような行動を指すのか、

 

皆目見当も付かないので、雰囲気で納得し、読み進

 

めることにした。

 

菅原氏と云うザイル仲間を見捨てて、山を下りたらしい

 

のだが、それを芥川龍之介氏の蜘蛛の糸に見立て

 

胃穿孔の痛みと悔恨を文学的に表現した箇所は読み応

 

えがあった。

 

松田氏のひとり息子(意味、分かるよね?)は無事だった

 

と云うことで何よりであった。松田氏は未だ山に登っている

 

とのこと。不死鳥の如き根性、さすがっす。

 

(読了日 2025年1・31(金)23:00)

               (鶴岡 卓哉)


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