新潮社 2010年
自身は42歳で亡くなったらしい。伝説の書、ということになるだろうか。
伝説の名に恥じない、実に深い小説だった。アンネ・フランクの日記と京都
外大の乙女たちの生態をだぶらせ、バッハマン教授という個性的な人物を配
することによって、より、深い境地へと舞い降りて行っている。
密告をおそれる女……そして、アンネと名前に付された意味……抽象性から具象性
へのおそれ、といったもの。乙女という存在でいなければならないと同時に
「私」を見捨ててはならない、その間で揺れ動く、みかる、麗子様などの心情を
こっちで慮ってしまうようなスタイルでした。乙女とは潔癖なのですね。
自身は42歳で亡くなったらしい。伝説の書、ということになるだろうか。
伝説の名に恥じない、実に深い小説だった。アンネ・フランクの日記と京都
外大の乙女たちの生態をだぶらせ、バッハマン教授という個性的な人物を配
することによって、より、深い境地へと舞い降りて行っている。
密告をおそれる女……そして、アンネと名前に付された意味……抽象性から具象性
へのおそれ、といったもの。乙女という存在でいなければならないと同時に
「私」を見捨ててはならない、その間で揺れ動く、みかる、麗子様などの心情を
こっちで慮ってしまうようなスタイルでした。乙女とは潔癖なのですね。